雨月物語

著者 :
  • 光文社
3.07
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感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334926847

感想・レビュー・書評

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  • 女性視点になっており、どれも似たり寄ったりの話になってるのが残念。でもこれがこの人の味なんだろうなあ。そんなどろっとしたえろさに惹かれるんだし。個人的に青頭巾がお気に入り。

  • 女性のから見直した『雨月物語』。語り部となる女性は、女性ではありながら、人外の魔物と化している。女として、怖い。女の情って・・・と考えさせられた。

  • いわずと知れた古典の名作を、岩井志麻子さんがアレンジ。いったいどうなるんだ?と思ったら。……やっぱり凄いわ。
    基本的なあらすじは原典そのままに、そこにさらなるエピソードが付け加えられ、情念どろどろ度は当社比200%(笑)。怖くて美しく、美しくて怖い。さすがは岩井志麻子さん。
    お気に入りは原典でも好きな一作の「吉備津の釜」。磯良よりもあの人の方がさらに怖くて。怖いのはやはり、生きた人間?

  • それは幾人もの人間が魅了され、語り継がれてきた物語。雨の降る月の夜、一人で読むにふさわしい物語を、現代のホラーの名手が、無念な女の言葉を借りて書きつづります。

    1 序
    2 白峯
    3 菊花の約
    4 浅茅が宿
    5 夢応の鯉魚
    6 仏法僧
    7 吉備津の釜
    8 蛇性の婬
    9 青頭巾
    10 貧富論

    個人的に好きだったのは「仏法僧」と「夢応の鯉魚」でした。
    特に良かったのは、視点の妙。すべて無念な女の視点で固定されており、ひとひねり入っているのが素敵。有名作「吉備津の釜」などは普通なら磯良か袖の視点をとりそうなものですが、磯良の母の視点をとるとは!

    ただ事前知識が少しあった方が楽しめる部分もあるかもしれません。…が、あえて導入編にするのもありだと思います。
    これをきっかけに、より深淵なる「雨月物語」の世界へ!

  • 現代語訳といってもいいほどに忠実。「岩井志麻子の」と題してもいいほどに創作。

    上田秋成が一番書きたかったであろう(しかしその議論の意味が薄くなった現代からみれば単に冗長と感じられる)思想の部分を削いで、文字も話もほとんど変えぬまま少しの言葉をつけたして自分の物語に再構築してある。
    で、その読みなおし方が「男女」で「息子の母」で「母で女」だから苦手だ。

    なにもそこまでと思うくらい女の話にしてある。女視点のつけたしかたが力技すぎる。でも岩井志麻子の雨月物語としてはありなんだと思う。
    原作のミソジニーをそのまま活かした男視点を女視点でばっさり斬りつつ、男自体を斬れない女を描いてあるのが面白い(けど好みではない)


    「蛇性の淫」は真女子←まろや の百合だと思うんだけど、誰か書いてくれないかな。

  • 「続けられるまで、続ければいいのです。きっと、自然に破滅は来ますとも」

  • ぞくりとする楽しさ。
    原作も読んでみようかな。

  • 《内容(「BOOK」データベースより)
    上田秋成の世界が「女の情念」でよみがえる。ホラー小説の鬼才が独自の解釈で描く江戸怪異小説の妙。》
    ★『仏法僧』:語り手は「戦国三大美少年」の一人、不破万作の霊。

  • ホラー小説の名手・岩井志麻子による新しい『雨月物語』岩井先生は秋成と同じ岡山の生まれで、秋成の影響を大きく受けたそうです。

    岩井版『雨月物語』では全ての物語が“女性性”から語られています。冒頭の秋成の母の語りから始まり、それぞれの章に関わる女性たちが話を回します。青頭巾・蛇淫は少々無理矢理な感もありましたが・・・


    冒頭とラストの秋成母の語りが秋成好きにはたまりませんでした・・・
    なにあれ・・・超萌えた・・・

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著者プロフィール

岩井志麻子 (いわい・しまこ)

岡山県生まれ。1999年、短編「ぼっけえ、きょうてえ」で第6回日本ホラー小説大賞を受賞。同作を収録した短篇集『ぼっけえ、きょうてえ』で第13回山本周五郎賞を受賞。怪談実話集としての著書に「現代百物語」シリーズ、『忌まわ昔』など。共著に『凶鳴怪談』『凶鳴怪談 呪憶』『女之怪談 実話系ホラーアンソロジー』『怪談五色 死相』など。

「2023年 『実話怪談 恐の家族』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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