罪と罰の果てに

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著者 : 永瀬隼介
  • 光文社 (2009年11月19日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (451ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334926861

罪と罰の果てにの感想・レビュー・書評

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  • 世間から隔離された新興宗教の施設で暮らす様は、読んでいて「八日目の蝉」を思い出しました。
    「一人の人間が妄想に取り付かれると、それは精神異常と呼ばれる。しかし、多くの人間が妄想に取り付かれると、それは宗教と呼ばれる」(本文より抜粋)
    なるほど、言い得て妙だわいな。。

  • #読了。千葉の片田舎で、親に恵まれない少年、カルト宗教から逃げ出した兄妹が出あうが、ある殺人事件をきかけにばらばらに。17年後、別々の道を歩んでいた4人は再会するが。。。宗教、アフリカ問題など、少々手を広げ過ぎの様な。

  • 永瀬隼介『罪と罰の果てに』読了。カルト、少年犯罪からアフリカの紛争問題まで、ありとあらゆる黒い渦が詰め込まれている。結局最後は暴力による解決(解決か?)となってしまったのが残念。

  •  天使のように可愛い妹・聖美(きよみ)。僕達は親とも離れ、2人きりで生きていかなくてはいけなくなった。大丈夫、僕がいつまでもお前を守ってやるから―――。家族ごといわゆるカルト施設に入ってしまったため幼い頃から過酷な生活環境におかれ、兄妹は壮絶な人生を送ることになる。

     妹を守るために兄・聖斗(きよと)は殺人をも厭わない。2人きりの兄妹なのだから俺が妹を守らなくては、という兄の義務感はもちろんわかるのだが、聖斗のすれ具合や、妹への執着の度合いはどう考えても異常。美しくて無垢で・・・というだけでは弱すぎるので、きっと何か他にも理由があるのだろうと思っていたのだが、特に最後まで何もないし、当の妹の魅力もいまいちわからずじまい。キリストさんの正体には「おぉ」と不意をつかれた感じだったけど、決着の仕方がハードボイルドというのも好みではなかった。

  • なかなかのスケールで描かれた作品。
    様々な問題が小説の中に取り入れられていて、それらは興味深く、面白かった。
    何十年も渡っての話なので飽きるかと思ったけど、全く飽きることなく読めた。兄妹愛に、友情、家族間問題、国際問題・・ありふれた内容のようだけど永瀬さんの描く世界はそうではない。終始不思議な感覚にとらわれながら読める。とても読み応えのある作品だった。

  • 読んでいる途中は、扱われているテーマの多様さと小説としての面白さのバランスという点で、マイ本棚初の☆五つか……?と思ったのですが。
    読後、あえなく四つになりました。いや、ものすごく面白かったのです。が。

    どうにもこうにも聖美が好かん。
    成長後の少年らの一人と恋に落ちる描写の、彼女のことがあまりにも神格化され、そして恋の成り行きは少女漫画化されているところに失笑してしまった。
    ああ、アタシ性格悪くてスイマセン。
    自分はこういう、いかにも男性が好みそうなファム・ファタルってのが胡散臭くて、感情移入できないのだな、としみじみ思った。
    (ちなみに東野御大の「白夜行」のヒロインにも同じことを思った)

    あれだけ身を粉にして、盾になって、ボロボロになって自分を守ってくれた兄に対し、なんなのだあの態度。
    まるで自分一人で大きくなりました的な。
    生き方の違い、価値観の違いに反発するのは分かるよ。
    でもあんな全否定的な!あり得ない!

    このヒト、アフリカの女性や子供たちに対しては身体を張って心を砕くけれど。
    「受け容れられない」と思った兄のことは、こんなにもすっぱりと冷たく突き放すんですよ?
    理解しようとかそんなの一切ナシ。なんだこいつと思ったのは、アタシだけか^^;これぞ、男性にとってのヒロイン中のヒロインと思ったほうがいいのだろうか……

    というわけで、聖美とそりが合わんという一点のみで、☆四つになりました。
    嗚呼心が狭くてごめんなさい。

    ですが、あらゆるテーマが絡み合い、人と人の因縁が紡ぎ出すドラマに、目が離せない内容なのは事実です。
    特に少年たちの描写は秀逸……キリストさん……
    その点は、☆五つでもおかしくないくらい面白かった。

    テーマと小説としての娯楽性のバランスが絶妙という意味で☆五つなのは、今のところ天童荒太先生の「永遠の仔」だけかもしれないなあ……

  • 久しぶりに読みごたえのある作品。結末も納得。すごく、良かった。

  • すべての発端は「ルナファーム」
    そこは、「神様」の元、大勢の人間が集団生活をする場所。
    宗教とは名ばかりの、暴力と苦に満ちた「夢の世界」だった・・・

    命からがら逃げ出した幼い兄妹のその後を軸に
    たくさんの人たちが絡み合い、もつれ合い破滅へとなだれこんでいく。
    読み応えたっぷり。
    かなり重いです

  • 何者からか逃げようとする男。
    房総の寂れた漁村、姫浜の小屋に住み着いた「キリストさん」と呼ばれる浮浪者を慕う中学生。
    雪の山中で母に死なれ、二人で生きていく他なくなった幼い兄妹。
    時間軸と視点が錯綜する過去が語られ、物語は現代へとなだれこむ。
    神を全否定し妹を狂信的に愛して罪を罪とも思わない兄に、異国の地で生身の人間に神を見出だした妹、中学生の時に神を見失ったチンピラ、過去の悔恨を抱え成長した刑事、莫大な富を持つカルト集団。様々な人生が交錯し、過去が解き放たれる。
    神によって人生を損なわれた者には神の救済は起こりえないのか。
    宗教の持つ、信者を盲目にしてしまう恐ろしさと、人心を穏やかに救う崇高さの二面性について考えさせられる。また、無知な自分はまるで知らずにいたスーダンのおぞましい民兵とのやりとりと難民キャンプの女性たちに降り懸かる災難のエピソードが印象的だった。

  • 重さも内容も、ずっしりと読み応えがあった。

    ちょっとだけ、東野「白夜行」を思わせる感じ。
    新興宗教って、こんなもんなんだよな・・・
    本当の救いを与えられる宗教って、この世にあるのだろうか?
    案外、それは宗教なんかじゃないのかもしれない。

    強い信念と、信仰って、似てる。
    どこに向かうか、が大事。

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罪と罰の果てにの作品紹介

海辺の町に暮らす二人の少年。それぞれに、決して幸せとは言えない家庭の事情があった。その二人を救ってくれた男がいた。両親とともに入所した「理想郷」のはずが、父母とは離され地獄を彷徨う幼い兄妹。兄は命がけで妹を守った。「神」を見た二人の少年。地獄を見た幼い兄妹。17年後、彼らは真実を知る。

罪と罰の果てにはこんな本です

罪と罰の果てにの文庫

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