カッコウの卵は誰のもの

著者 :
  • 光文社
3.25
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本棚登録 : 5769
感想 : 781
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  • Amazon.co.jp ・本 (357ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334926946

作品紹介・あらすじ

親子の愛情に、揺さぶりがかけられる。覚悟を決めた父親は、試練にどう立ち向かうのか。父と娘、親子二代続けてのトップスキーヤー。娘の所属チームの研究者は、二人の遺伝子パターンを調べさせてほしいと考える。しかし、了承するわけにはいかない。父には、どうしても知られたくない秘密があった。娘が生まれた19年前からの忌まわしい秘密が。

感想・レビュー・書評

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  • カッコウの卵は誰のもの
    タイトル通りの内容ではある。
    ミステリとしては読みやすいが、伏線の部分が少ないのが残念でした。すなわち回収するものも少ないので解りやすい内容である。

    ただ風美父子の幸せと、親として風美の厄災を命をかけ守る宏昌の決意を感じた。それが本物の卵であるかの様に。
    純白の雪で風美のシュプールを眺める宏昌は父親の目をしているはずだ。

  • うーん、消化不良ですね。長いわりに内容が薄い。
    二転三転するのはお決まりですが、こじつけ感が強くお勧め出来る本ではないです。

  • タイトルが内容の芯をついていて好きです。
    事件を追うミステリーと、1人の人間のルーツをめぐるドラマ要素が、良い具合に組み合わさっています。
    最後も割とスッキリできて、タイトルに対する答えが得られた気がします。

  • なかなか話が進まず、モヤモヤしながら読みました。
    カッコウの卵は、風美と伸吾(の才能)のことだったんですね。
    伸吾の父の言葉、「才能の遺伝ってのはさ、いわばカッコウの卵みたいなもんだと思う。本人の知らないうちに、こっそり潜まされているわけだ。それを本人がありがたがるかどうかわわからない。そのカッコウの卵は他の誰のものでもない、伸吾だけのものだ。」
    興味のないことに才能があったとしても、それを孵化させるかどうかは本人次第だってことですよね。

  • ① この本を選んだ理由
    東野圭吾さんの作品が好きなために選びましたが、皆さんの感想から暗いイメージがあったので、読む優先度を下げていました。


    ②あらすじ 
    アルペンスキーの元オリンピック選手の父と、その娘を中心として物語は進んでいく。早い段階でこの2人が親子でないことが判明し、娘は誰の子なのか?というテーマが、中心となって、謎が深まっていく。ここに殺人事件も重なって、さらに謎が深まっていく。
    シーンが飛び飛びになるようなことはなく、順に物語が展開していく。また、登場人物も多くなく、読みやすい。


    ③感想
    出生証明書はどうしたんだ?と思ったら、すぐにフォローが入っていた。
    皆さんの評価が低いのは、いろいろなものが中途半端な感じになっている感じだからか…
    皆さんの感想から、とても暗い終わり方を想像してたけど、そんなに暗い終わり方だと感じることはなかった。風美や、信吾のスキーヤーとしての活躍がなかったのが残念。


    ④登場人物
    緋田宏昌 ひだ ひろまさ 元オリンピック選手
    緋田風美    かざみ

    柚木洋輔

    高倉コーチ

    鳥越克哉 元登山家
    鳥越伸吾

    上条伸行
    上条世津子
    上条文也

    畑中弘恵

  • 元オリンピックスキー代表の緋田は、一人娘でスキーヤーの風美が幼い時に自殺した妻の遺品を見つける。それにより娘の出自に疑問を持った頃、スポーツ医学の観点から、緋田父子の遺伝子を調査したいとの要請が。風美をワールドカップのメンバーから外せとの脅迫文が届いた後、彼女が乗ろうとしていたバスに事故が起こる。犯人は、そして風美の両親とは・・・
    色々と話がでてきて、飽きさせないというか、離さないのはさすが。ただ、何故母親が・・・とか、もしあの事故で・・・と考えると、疑問が残ってしまう部分も。

  • スキー、新潟、北海道。


    ●2023年11月3日、追記。

    本作の内容は、次のとおり。

    ---引用開始

    親子の愛情に、揺さぶりがかけられる。覚悟を決めた父親は、試練にどう立ち向かうのか。父と娘、親子二代続けてのトップスキーヤー。娘の所属チームの研究者は、二人の遺伝子パターンを調べさせてほしいと考える。しかし、了承するわけにはいかない。父には、どうしても知られたくない秘密があった。娘が生まれた19年前からの忌まわしい秘密が。

    ---引用終了

  • 本の内容
    親子の愛情に、揺さぶりがかけられる。覚悟を決めた父親は、試練にどう立ち向かうのか。父と娘、親子二代続けてのトップスキーヤー。娘の所属チームの研究者は、二人の遺伝子パターンを調べさせてほしいと考える。しかし、了承するわけにはいかない。父には、どうしても知られたくない秘密があった。娘が生まれた19年前からの忌まわしい秘密が。

  • 東野圭吾だから相当期待してただけに、めちゃモヤモヤ。

    信吾親子の謎解きはそれなりに面白い。だけど愛人だとか、「これは真実じゃないだろう」ってのがダラダラ続くのがしんどい。東野圭吾は読みやすいけど、今回はその丁寧さが仇となってる?
    エッセンスとしては許せるくらい。一番に描きたかったのは謎解きでは無い気がするし。

    メインとして血縁関係ってテーマだろうけど、それが浅いのが気になる。感動させられるようなグッとくるものがない。陳腐。

  • 遺伝子の組み合わせと運動能力の関係を研究している『柚木』は、能登オリンピック選手の娘でスキーヤーの『緋田風美』に興味を持つ。父娘の遺伝子を調査しようとした矢先、風美に脅迫状が送りつけられ、彼女が乗るはずだったバスが事故を起こす。狙われたのは風美なのか?
    やがて柚木は、風美の出生にまつわる真実に辿り着く。

    なるほど、著者が好んで書きそうなテーマだな、と。それにしてもこの作家さんの書く文章は、心をぐっと掴まれるものと拍子抜けするものと両極端。これは残念ながら後者だった。ストーリー自体は面白かったのになぁと残念。
    初出時のタイトル『フェイク』から改題とのこと、こっちの方が断然よい。テーマが分かりやすいし、ラスト付近で「才能の遺伝」という意味も含まれていたということに気付いたとき、さらにタイトルが深く感じられる。
    あまり救いの無い話だが、もう1人の雛である『伸吾』がスキーを前向きに捉えられるようになったことに、少し救われた気がした。

  • 努力に勝る天才なし

  • 初期の東野圭吾が好きだったので、
    刑事物が苦手だったので
    遠ざかっていた。

    こちらは刑事シリーズでないので
    読んでみたが大変おもしろく
    一気に読めた。予想しなが読んでいくうち、
    どんどん展開していくスピード感溢れている。

  • 親子だと思っていた
    父と子に突然出生に秘密があり
    親子ではないという
    現実をつけつけられた

    結構グイグイ惹きつけられました
    自分の思う結末とはちょっと
    違うのものでした
    納得出来るところ
    なんでそうなるか?ってところ
    ちょっと複雑ではありましたが
    ストーリー的には興味深いものでした

  • 実は本当の親子ではなかったという小説はよくあるが、ちょっと違う感じの小説。実の親子ではない父、娘。特にそのことを知ってからの父の葛藤を描いているが、テーマはあるスポーツの才能の遺伝、遺伝子的にスポーツの才能があっても、本人がその才能を使おうとおもわないなら、興味がないなら、興味のある分野に打ち込んだ方が幸せという事も描いている。

  • 普通に面白いけど、東野圭吾だと思うと少し物足りない気がする。

    親子って、血の繋がりだけではないでしょってことと、優秀さは遺伝だけではダメってことが言いたいのかなと思いました。

    何気に、才能を持っていても夢がほかのことである男子高校生の方がせつなかった。

  • 今まで血のつながった家族だと思っていた人が、実は他人だったと知ったらどんな気分になるだろう。

    父の影響でスキーを始め、特殊な「Fパターン」と呼ばれる遺伝子を持つことが分かり、遺伝子研究に協力することになった緋田風美。実は彼女は流産した母がその事実を隠すために病院から盗み出した子供だった。

    実際には風美は母の友人で同じFパターン遺伝子を持つ女性の娘だという事が判明するのですが、育ての父とは血が繋がっていない事実には変わりない。

    悩みに悩んだ挙句真実を告げることを決心する父だが、結局伝えられず一人胸の内に秘める決心をする。

    遺伝子がすべてではない。
    親子や家族なんて「なっていく」物のような気がする。

  • 東野圭吾は手の込んだストーリーを用意してくるので、最後まで気が抜けず面白かった。
    才能って遺伝する?そして、そこにいろいろな要因が絡み合ったら?
    誠実であろうと葛藤する緋田の心理描写が細やかだった。

  • 始めこそ展開にどきどきしたものの、読み進めていくうちになんとなく続きが想像できてしまいました。すこしあっさり終わってしまった感が否めません。けれど、東野さんらしい一息に読んでしまいたくなるどきどきする話は素晴らしいです。読み終えた後にウィンタースポーツしたくなります。ただ謎だったのがどうして奥さんは自殺してしまったのかということが私にはわかりませんでした。心情を考えると彼女にも罪はなかったと私には思います。優秀なスポーツ選手を娘にもちながら、自分と妻の過去の罪と葛藤しつづける父親の姿というのは人間らしかったです。 血のつながりはとても大事ですが、それが全てではありません。過ごしてきた時間、思い出、関係性。何をどう責任をとり、守っていくのか。大事なのはその答えを持つことですね。

  • ぐんぐん読めます。さすがの東野さんです。

    結末いただけません。

    「なんで自殺したん?」

    のひとことに尽きる。

  • 何となく東野圭吾の楽しみ方は分かった。ただ、やっぱり、浅い気がするんだよなー、人物の設定が。それがミステリーの宿命とは思いたくない。本当にミステリーは苦手で、今更という感じで、ミステリーの楽しみ方も習得中の身のたわごとですがね。
    これが発売された中刷りを見て、センサーに引っかかった。期待しすぎたかな〜。書き込みすぎて、書ききれてない感、満載。目の付け所は面白いのに、もったえない。時間かけて、しっかり書いていれば、名作と言われたかもしれない。
    勢いのある場面も多く見られたし、東野圭吾その人がそうなんだろうと思うけど、人間を信じている温かさが物語を流れている。東野圭吾の本領はこんなもんじゃあないのではと思わざるを得ない。近々、もう一冊試しますよ。首洗って待ってろよ。

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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