ボクハ・ココニ・イマス 消失刑

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 167
感想 : 40
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  • Amazon.co.jp ・本 (327ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334926960

感想・レビュー・書評

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  • バニッシング・リングの残時間表示が止まってしまうあたりまでは、「消失刑」による主人公の孤独もよく描かれていたのだけれど、そこからラストまではそれまでとのストーリーの方向がまったく変わってしまった感じがした。
    テレパシー(?)で知り合った女性に恋心を抱くというのも唐突な感じ。
    唯一やり取りができる存在だからって、そんな風に思うものなのかなあ。
    また、センターが急になくなってしまったことや、イズミという少女にはなぜ主人公の姿が見えたのかが語られないままだったのも不満。
    ラスト付近で地面に文字を書くシーンがあったが、それにはなぜリングが反応しなかったのか。
    それまでは、確か意志をもって文字を書くとリングが首を絞めていたのに…。
    「消失刑」という設定がおもしろかったので、もう少し丁寧に描いてほしかったところ。
    文章の店舗と熊本市内の描写がリアルで迫ってくる分だけ、余計に残念だった。

  • 知人女性を助けようとして傷害事件を起こしてしまった『浅見』は、刑事事件が短縮されると言う『消失刑』のサンプルになる。
    現在試行段階にある消失刑とは、特殊なリングを首に嵌めることにより他人の目に映らなくなる。さらに、禁止事項をしようとすれば、リングが収縮して首を絞めるというものだった。
    孤独に耐え、ようやく刑期も終わりを迎えるが、リングが外れないという危機に陥る。


    刑期が短くなる上に、自宅で過ごすことができるなどの利点(受刑者側)はあるが、他者や情報には一切かかわることができない。さらには認識されないゆえの危険などなど・・・。初めに思ったのは、本を読むこともできないのは辛すぎるということ。刑務所内では許されてるよね?発信は出来なくても、取り込む分にはいいじゃん!と。
    装着者の思考を読み取れるほどの技術がありながら、管理がずさん過ぎる。常に場所を把握できるのに、死んでもほっとくとか・・・。いや、あの流れで行くと、それも計画(何の?)内なのだろうか?等々の疑問は解決されず。
    他人とのかかわれない孤独がテーマなので、そちらは、まあいいかってとこなのだろうけど、気になってしまって。主テーマの方も、流れは強引だし、表面的かなって気が。

  • もうちょっと。
    でも懐かしの熊本の描写が嬉しい

  • 刑務所の容量オーバーから試験的に導入された「消失刑」…特殊な科学的技術を用いて他の人から自分が認識されなくなるという首輪を嵌められて刑期の間を過ごすという設定。あちこち突っ込みたくなる部分はあったが、おおむね楽しめたかな。最後がちょっと哀しすぎるかも。。

  • 面白かったけど、スッキリしない感じが残った。

  • 「懲役刑」か「消失刑」を選べと言われたら・・・。
    ある程度の自由が与えられ、刑期の間はどのように過ごしてもかまわない。ただし、首につける特殊なリングでコントロールされ、周囲からは見えず人と接触しようとするとリングが首を絞める。まさに社会から抹殺された状態の“究極の孤独の刑”が「消失刑」。

    いろいろ考えさせられた作品。
    リングが壊れてしまい「刑期終了通知書」が届いてもリングが外れず消失したままの主人公。ハラハラしながら読みました。途中の展開が強引な感じだけど、でも面白かった。

  • 設定は面白いのだが、途中からトンデモ展開が始まり、徐々に設定がおかしくなってくるのが残念

  • 2010/7

  • 途中までは面白く読めたけど、犯罪組織があまりにずさんで無理やり終わらせた感が否めない。

    なんかホームレス襲撃事件とか全部がバラバラで、いったい何が言いたかったの?という感じ。

  • カジシンの新作なのだが、できばえにがっかり。
    周りから見えなくさせられる、光学迷彩のようなものをつけさせられた主人公の話。
    刑罰でつけさせられているが、この消失刑と実際の刑が見合ってないし、道具の細部へのツメが甘すぎ。
    そのために、現実離れしすぎて、リアリティが無かった。

著者プロフィール

熊本県生まれ。「美亜へ贈る真珠」でデビュー。代表作に『地球はプレイン・ヨーグルト』『怨讐星域』「あしびきデイドリーム」(星雲賞)『未踏惑星キー・ラーゴ』(熊日文学賞)『サラマンダー殲滅』(日本SF大賞)、そして映画化した『黄泉がえり』や、舞台・映画化した『クロノス・ジョウンターの伝説』など。

「2022年 『未来のおもいで 白鳥山奇譚』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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