スターバト・マーテル

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著者 : 篠田節子
  • 光文社 (2010年2月19日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334926977

スターバト・マーテルの感想・レビュー・書評

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  • この冷めてる主人公が大好きです。
    行くところまで行くだろうという予感は複雑ですね。

  • 偶然再会したかつての同級生は"逸脱を許さない日常生活の狭間から、心だけがこぼれ落ちて"いた。学生時代は幼い頭で作り上げた理念世界に浸っていた彼とひっそりと冷めて、毅然としていた主人公。冷えた心を持つ主人公だけが分かる彼の絶望。繊細な心理描写が素敵。

  •  途中まで読み進めて、主人公の女性が会員制プールでぷっかり浮かぶというシーンでがっくり。なぜここで気付くのかというか、なぜここまで気付かなかったのか・・・実は以前に読んだ本だった。タイトルと内容が私の中でそぐわなかったのかなあなどと自己保全。
     それはともかく、中学校の同級生が50歳を過ぎてプールで出会う。いじめを受けてもそれを冷ややかに受け止める少女と早熟ゆえに他人との距離を詰められないでいたできのよい男子生徒。
     ここまで読むとそれぞれの生活を携えた中年男女の恋物語かと思うが、そこには病魔に蝕まれつつもそれを受け入れようとする女と自らの仕事が軍事技術として流用され、会社からも政府からもそしてイスラエルの組織からも追われることとなった男という深く重い人生の淵があった。
     もともとの性質からして彼女とは正反対の私にしてみれば、思いがけないほど坦々と人生を受け入れ、心のままに動く女性の姿は共感できるものではないが、これほど自分勝手に生きてみたいという憧憬のような嫉妬のようなものも感じずにはいられない。
     それにしても、逃亡の果てに3つの太陽を見たふたりが希望を持ったその直後に、あの終わり方は・・・。こうあればよかったのにと言えることは何も思いつかないが、いくらなんでもあれはないんじゃないか。

     もう一遍、エメラルドアイランド。こちらはウエディングパックで超豪華リゾートの水上コテージにやってきた新婚夫婦と花嫁のママ、花嫁の友達のおりなすアクシデント物語。豪華なリゾートが一転、被災地になってしまい、あれよあれよと早送りのような展開だが、なんだかそれが小気味いい。スターバトマーテルでやるせない思いになったのを、こちらで払拭されたというところだろうか。

  • 夢の時代

  • 行くところまで行く、という場所がここだったとは…

    中年になってからの主人公の気持ちは想像ができるけど、
    あの少年がどうして主人公にそれほど惹かれていたのか、
    そこが納得できないというか理解ができないというか
    想像できない、リアリティがなかった。

    ま、思春期の恋愛にそんなもの無粋か!

    最期の瞬間の彼らは、幸せだったんだろうか。
    あれで死ねてなかったら不幸なのは間違いないな。

  • #読了。「スターバト・マーテル」「エメラルド アイランド」の2編。両者で落ち着くところが違う。前者は個人的好みとは違うのだが、篠田さんが描くとこの方がいいんだろうなと。

  • 中篇2本。スターバト・マーテルで「この人とは行くところまで行くだろう」と主人公の45歳の女性が考えるシーンがなんかリアルでゾクッとした。自分が既に三十代後半だってこともあるんだろうけど、たとえ45歳であってもそういう出会いがあるのは理解できるし、すごく描写もうまいと思う。惹きつけられた。それでもやっぱり45歳同士の出会いだとお互い既婚だったりと美しい話にしきれないのは、その年齢で両者独身で籍も汚れてない、ってのがリアルじゃないからなのか、それともある程度背徳的な出会いにしたほうが物語的に盛り上がるからなのか、などと考えながら読んだ。後半まで一気に読んだがラストで消沈。ああいう終わり方は好きじゃない。なぜイスラエルを小道具に選んだのかには興味ある。

  • 併録の「エメラルド・アイランド」がおもしろかった。

  • 中篇2作
    スターバト・マーテル
    エメラルド・アイランド

    「スターバト・マーテル」は、
    乳癌と闘うという積極的な文章ではなく、
    なにか後ろ向きなところがあるのが気にかかる。

    エメラルド・アイランドは、
    娘の母親離れと、母親の娘離れが題材となり、
    南の島でのドタバタ劇の方が楽しめるかも。

  • 表題とエメラルドアイランドの2部作。
    スターバト・マーテルの方は、実際には聞いたことは無いが、この題名のクラシックの曲の死の気配に取り巻かれた曲想が通奏低音のように流れている感じ。あまり好みではない。物語の展開も角を曲がった途端に奈落に落ちて行くような急展開だった。しかし、他の終わり様よりは、こうしかないかな、と思う。
    エメラルドアイランドの方は、著者得意の南のパラダイスに突然起こるトラブルを描いていて、ドタバタハラハラドキドキと一気に読めた。
    コミカルでシニカルな語り口で楽しめたし、もう少し長い話にしても良かったような気がする。
    映画化したらエメラルドアイランドの美しい風景や自然の猛威、新婚夫婦の喧嘩とか、いくらでも絵になりそうだ。

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スターバト・マーテルの作品紹介

乳癌と診断されながらも、完治したように見えるなか、彩子は夫から勧められた会員制プールに通い始める。そこで声をかけられたのが、中学校時代の同級生・光洋だった。早熟で独特の雰囲気を放っていた男との思わぬ出会い。さらに夫の言葉が、時を隔てた再会に微妙な色合いを与えて…。表題作ほか1編を含む、悩める女性たちに贈る篠田流スパイシーな恋愛小説。

スターバト・マーテルはこんな本です

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