ラガド 煉獄の教室

著者 :
  • 光文社
2.72
  • (3)
  • (17)
  • (30)
  • (37)
  • (6)
本棚登録 : 184
感想 : 59
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334926984

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 前進しながら後進しながら
    事件の真相がじょじょに解明されていく過程が
    どことなく怖かった

  • 第13回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。「文学大賞」の方は人に「新人賞」は作品に与えられるってのは知らなかった。校内で発生した殺人事件の謎解き話。二転三転の展開は確かに面白くはあるんだけど、盛り上げるだけ盛り上げておいて、じらしてじらしてじらして結末がこれ?。特に終盤のじらしはクライマックス直前に割り込むCMを何度も何度も何度も見せられるようで不愉快な事この上なく、冗長以外の何物でもありません。

  • 一気に読んだけれど、結局最後まで意味がよくわからなかった。

  • 一風変わった雰囲気のミステリ。視覚的効果、最初はわざわざこんな図を入れる意味が? と思いましたが。ラストのあれではぞくりとしました。たしかに効果的。
    終盤の展開は怒涛。どんどん怖くなってきます。たった一文字の違いで、がらりと変わってしまう言葉の意味が怖い、「緑の鹿」の話も怖い……でも人間の心理って、突き詰めればそんなものなのかもしれません。

  • “生徒たちはまだ動かない。
    生徒18番(女)がまっさきに行動をおこした。日垣にちかづいていったのだ。日垣を静止するために。
    血のついた包丁をかまえている、しかも確実に正気をうしなっているであろう日垣にむかっていくとは、大人でも困難な勇気ある行為だが、事実である。生徒たちの多くが見ている。
    日垣はこれに呼応するかのように、生徒18番に接近した。
    生徒18番は日垣になにか話しかけようとしたが、日垣はこれに答えず、18番に刺しかかった。18番がとっさによけようとしたため、包丁はその左腕を傷つけた。
    18番は叫んだ。「みんな逃げて!」”

    11月4日午前8時30分、とある私立中学校に一人の男が侵入し、女子生徒を一人殺した。
    本来なら、その男が殺人罪で捕まるだけ。
    でも、この話は違う。そこから、物語は始まっていく。
    次々と新たな視点、切り口から、犯人が変わり、目的が変わり、真相が変わる。
    そして、彼らがたどり着いた、この事件の最後の本当の真相とは。
    さくさく読めて、切り口がころころ変わるのが楽しい。
    最後の展開には鳥肌が立った。

    “「大丈夫。うまくいくわ」島津聡子はつぶやいた。
    「大丈夫だ」“バベル”が言った。
    「大丈夫さ」ブルース・リーも言った。
    「大丈夫大丈夫」高橋が笑いながら、瀬尾伸彦の背中をたたいた。

    生徒33番(男)と、生徒34番(男)の通話。
    「あのとき、藤村が『わたしをかわりに殺して』って言ったのは、本当なのか?」
    「カッコつけすぎだよな。よく知らねえけど」
    「みんなそう言ってるだろ」
    「おまえはどうなんだよ?」
    「なんでそんなこと聞くんだよ。おまえはどうなんだよ?」”

  • いろいろ回収しわすれてるぞ

  • 瀬尾中学校という所で、一人の女子生徒が殺害される。犯人は2ヶ月前に自殺した同じクラスの日垣里奈の父親だった。
    最初から犯人もわかっているし、途中で事件の全貌が解決したと思われるが・・・二転三転していく。

  • 東京都内の中学校で生徒2人が死傷した、無差別殺傷事件。容疑者は2カ月前に自殺した女生徒の父親だった。学校、生徒、警察など、様々な思惑や不穏な動きが絡み合い、真相を複雑にしていく。犯行状況時の生徒たちの動きを、93枚の見取り図で追った実験的小説。

    教室内の生徒に番号が振られていて、各人の動きが解説され、読みやすいです。
    イジメや、不登校などの問題にもう少し取り組むのかと思われましたが、意外な成り行きに苦笑です。

  • 2010.03.07 日本経済新聞で紹介されました。
    日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。

  • 細かく区切りごとにタイトルがついてるし、文章の下に図があったりするからよく整理されてて読みやすい、ちょっと今まで見たことないスタイルの小説。でもそれだけ。よくできた報告書を読まされてるようで引き付けられる物が無い。次作はたぶんもう読まないと思う。

全59件中 41 - 50件を表示

著者プロフィール

1960年埼玉県出身。北大教養部理Ⅲ系中退、一橋大学経済学部卒。2010年『ラガド煉獄の教室』で第13回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞。著書に『人間性剥奪』『ブラッグ』『ハンザキ』『困った作家たち』など。ショートショートから長篇まで、幅広く執筆している。twitterで「両角長彦の140字小説」発信中。

「2020年 『ある実験 一人選べと先生が言った』 で使われていた紹介文から引用しています。」

両角長彦の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×