- Amazon.co.jp ・本 (397ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334927097
作品紹介・あらすじ
「お兄ちゃんは、もう、いない。…もう、いないんだ」小さな夢を持ち、つつましく日々を暮らす若い女性が殺された。犯人は目撃されていたのだが、巧みな身元隠しにより真相が掴めない。義憤を胸に秘めた一人の刑事が犯人を追う。そして刑事が辿り着いたのは、帰る場所も何もない男の背中だった-。
感想・レビュー・書評
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帯には社会派推理小説と書いてあったが、確かに中国残留孤児問題を事件のきっかけとして描いているので社会派とかかれたのだろうがそんなんことはどうでも良く素晴らしい推理小説だ。本作が三作目だとは思えない素晴らしさだ。ミステリー小説新人賞を最初の作品で取っただけはあるのかな。
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好きな作家であることもあるけど、中国残留孤児、児童虐待を盛り込んだミステリーで、登場人物の心情描写にも魅力を感じた。
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子どもの頃、刑事ドラマ「太陽にほえろ!」で骸骨に粘土を貼り付けて元の顔を復顔させるシーンを見て、そういう職業があることを知り、何となく興味を持っていました。今は骸骨に粘土をはる方法ではなく、解剖学や人類学の計測データから復顔していくという方法になったみたいですが、こちらもまた興味深いお仕事。緻密さがない私には絶対に不向きなだなぁ、すごい技術だなぁと思いながら、この部分、何度も読みました。
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内容(「BOOK」データベースより)
「お兄ちゃんは、もう、いない。…もう、いないんだ」小さな夢を持ち、つつましく日々を暮らす若い女性が殺された。犯人は目撃されていたのだが、巧みな身元隠しにより真相が掴めない。義憤を胸に秘めた一人の刑事が犯人を追う。そして刑事が辿り着いたのは、帰る場所も何もない男の背中だった―。 -
東野圭吾作品ほどのインパクトや凄みはさすがにないと感じたが、
よく下調べをした上でていねいに小説に活かしているなと感じる作品。
知らないことを知っていく興味で、どんどんと読み進めることができた。 -
別にこれといっておもしろくなかったです。
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緒川 怜(おがわさとし)「サンザシの丘」
一つの殺人事件を通して、犯人のこれまでを丁寧にあばく。
事件自体は派手さはないものの、解決に至るまでの刑事たちの行動を細かく丁寧に書いているのを読むと、実際自分がその捜査本部にいるような気がしてきます。
文章がすべて主人公刑事の一人称で書かれているのもめずらしい。
それなのに犯人が何を考えどういう行動をとっているのかなぜか良くわかり、二人称三人称で書かれているのよりすっきりしてかえってわかりやすい。
こういう丁寧な本は久しぶりに読んだので、とても面白かった。
特に最後の締めの部分が全体の硬質な感じとは違い、センチメンタルだったのが意外性があってよかった。
ただ、やはり殺人時の描写が無いだけにインパクトに欠けるところはあって、全体的に平板になってしまった感じ。とくに2人目3人目の殺人は、必然性を感じさせるためにも描写がほしかった -
最初から犯人がわかっていたのでその人物を追う過程の小説。
誉田哲也作品を読んでからの警察小説は、なんだか物足りない感じ。
勝手に「犯人が実は違う人・・」とか想像しながら読んだのでちょっとドキドキしたが別に普通に終了。