- Amazon.co.jp ・本 (397ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334927387
感想・レビュー・書評
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『夏子』が何年かごとに起こす問題を中心に、夏子の人生や主人公の徹子の人生、徹子の周りの人々の人生を覗き見ているような物語だった。
読みはじめた頃はタイトル通り、夏子をなんて嫌な女なんだろう!とイライラしていたのが、読み終わる頃には嫌な女には変わりないけど、しょうがない人と思えるようになっている自分に驚きだった。
いろいろな人の人生は感慨深く、一気読み。 -
最初は、ありきたりな新米弁護士奮闘記のようなものなのかと思って読んでいたら、あら、もう4年先の話?え、次はその7年先の話?と一つずつのエピソードの間に時間の経過がだいぶある。これがこの本をものすごく良くしていたと思う。
嫌な女、夏子の年齢を重ねていくうちに小銭稼ぎの手法が変わっていくのも現実的で面白かった。徹子同様、いつの間にか夏子を嫌いではなくなっていた。徹子の夏子を醒めた目で観察している所で、数度笑えた。
そして、徹子が年を取るうちに「丸く」なっていく描写が丁寧で、なんだか自分も一緒に年老いて行っている感じがして良かった。徹子が涙を流す所では自分も涙し、昔を懐かしく思う所では自分も懐かしかった。そう、ある時から「変わらない事」がとても重要になってくるものなのだ。 -
弁護士見習いの徹子と親戚の夏子の物語。
といっても、夏子自身は出てこなくて、
周りの人の言葉から、その人柄が浮き彫りになるという感じ。
タイトルの「嫌な女」は、この夏子のことかと思わせる。
自分が大好き、男が大好き、お金が大好き。
詐欺行為ばかりを繰り返すが、不思議と悪く思われない(特に男には)。
しかし、実は、彼女に関わっている徹子本人が、
自分を愛せていない人間で、自分を「嫌な女」だと思っているのではないだろうか。
歳を重ね、老女になっても、夏子は精力的に「嫌な女」であり続ける。
ふいに、もしかしたらいいところもあるじゃないの、と思わせたりしながらも、
登場人物たちや読者の期待を裏切らない「嫌な女」ぶりは、
痛快でさえあるのに、
なぜかふふっと笑ってしまう、それは不思議な魅力なのだろう。
若い頃、この手の女性は、大嫌いで、顔を見るのもいやだったが、
今もし会うとしたら、意外と仲良くできそうな気もするのは、
私がオトナになったせいだろう。
徹子が歳を重ねて、変わっていったように、私の感じ方もどんどん変わっていくといい。 -
最後の章が良かった。
泣いた。
親友かぁ、親友が死ぬとそんなに悲しいなら、親友は欲しくないな -
上質な百合では…⁉︎
侍のようと言われる徹子の柔らかい部分を理解してくれていたみゆきさんが嬉しい 泣いた
一方夏子は最後までブレずに夏子でした 散々お世話になってきて商品売りつけようとしたの笑ったし、徹子は買わないってことも理解してそうで最早じゃれてるかのような晩年の二人が楽しかった
人間関係がつながって切れてまたつながって、不思議な広がりを見せる様子が大変きれいな話でした -
読み始めた時は、タイトル通りイヤな女だと読み進めたけれど、読み進めると徐々に主人公の印象は変わっていく。
最後に涙を落とすなんて、読み始めた時は想像もしていなかったけれど。読み終わった今、すごく満足している。
このシリーズの他の本も読んでみたい。 -
泣かされるとは・・・
夏子ホントに嫌な女
文句なく面白い -
これ、ドラマでやってたか? やってたな。
ここまで人たらしだと気持ちがいいかもね〜。他人の心の中にスルリと入ってくる人っているんだよね〜。 -
タイトルで敬遠してしまう人も多いのかも?
女性からみたら「嫌な女」かもしれないけど、夏子のことを男性読者はどう読むんだろうと気になった。
夏子のやらかしたいろいろな事件(とはいえなほどの人間関係トラブル)に、巻き込まれていく様子を弁護士徹子の目線で語ってあります。