もじゃもじゃ

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 116
感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334927554

感想・レビュー・書評

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  • なんじゃこの表紙という印象からスタートします。題名も「もじゃもじゃ」。絶対ほんわか計だろうと思いました。ほんわか系と言えばそうなのですが、意外と現実的というか生々しい所もあり、ファンシーな話ではありません。
    イケメンが好きでしかも男を見る目が無い女性と、女性と付き合ったことが無いもじゃもじゃ天然パーマの青年が、市の主催結婚相談所で出会います。
    お互い好みではないのに、親しみやすさと誠実な感じにどことなく惹かれる二人。でも簡単にはくっつかないんだなあこれが。
    結婚が全てでは無いし、自分的にも何が何でも結婚という風には思っていないです。むしろ一度結婚で失敗している身としては、時間掛かってもいいから気の合う人、価値観の近い人と結婚するのが一番いいと思っています。なので何も合わないのに結婚するのは不幸の素です。これ実感。
    じんわりとしたいい本だと思います。

  • 顔だけが取り柄のろくでもない男とばかり付き合ってしまう28歳の『明美』は、市のサービス事業の結婚相手紹介サービス『かいつぶりの会』に登録したが会うことを断られること15人。ようやくお見合いが成立し、そこに現れたのは、小太りでもじゃもじゃ頭の男だった。         
                     -私を悩ますもじゃもじゃ頭-
    市主催の結婚相手紹介所で起こる悲喜こもごもを、相談者の男女と相談員の目線で綴った3編から成る物語。


    市の事業である無料の結婚相手紹介所に登録するくらいだからお金もない、容姿もそこそこの三〇手前の女(でも面食い)とやっぱり冴えない男がお見合いをする。地味な内容だけれど、なんかリアルに心情が伝わってくる。で、じわじわと面白くなってくるんだな。
    心の中では相手を特に好意的な目で見ているわけじゃないのだけれど、何故か相手の目を通して語られる姿のほうが愛おしく感じられてしまう。
    何より全編通して料理がおいしそう。ハンバーグはもちろん、あの居酒屋に行ってみたいなぁという気分になっちゃうし。
    そして最後の一編は、二人の相談員である口の達者なおばちゃん『中井』さんの出てくる話。とは言っても、語り手はやる気のない男の所長なんだけど。この父親、子どもの為と思ってやればやるほど嫌われてしまう。まあ、子どもの気持ちもわかるけどちょっとそれはないんじゃないの、なんて思ったりして。なんせ「お父さんを喜ばせることはしたくない」なんていわれちゃった日には・・・ねぇ。ところが空港のシーンで泣けてしまった。本当はその前の中井さん(彼女の境遇にもぐっときたけど)とのやり取りでうるうるきてたんだけど。
    まさかこの本で泣かされるとは良い意味で誤算でした。

  • 楽しくすらすら読める。人情噺ともいえるかも。
    ある結婚相談所に登録した男性会員、女性会員、結婚相談所の所長が物語る三つの作品がおさめられており、それぞれが関連する。
    この人にはこう見えているけれど、本当はこうだったのか!といったことがわかり面白い。
    ただ、登場人物が28歳や24歳の設定で、現代の話だろうと思うのだけれど、昭和の若い男女の話のように思えてしまう。

  • 結婚相談所に来た男女がカップルになるまでを
    描いた3編からなるストーリー。

    一番最後は前の2編で登場する結婚相談所「かいつむりの会」でマイペースにまくし立てて、自分の仕事をこなしていく職員の中井さんが登場する。とてもしみじみする話。
    タイトルが「もじゃもじゃ」でない方が良い気がする。。。

    それはええとして、何めっちゃ旨そうなハンバーグ食ってくれてんねん。

  • 2015.1.24 読了

    これはほんと たまたま見つけた本。
    作者さんも知らないし。

    けど! 面白かった~!!

    3編からなる短編で、
    結婚したい男女と
    その結婚相談所の職員側の話。

    1編目が 女の子側。
    いきなり 大阪弁で 自分の男運のなさを
    嘆くところからで、
    自分の話し言葉と ほぼ同じで
    “これは 面白そう!”と 直感で。

    そこで紹介される男の子と、
    え?!どうなるの??
    。。。のところで、2編目。

    2編目は その男の子側。
    その子と出会う前から語られ、
    そうして ここに至るのね、
    。。。は、わかったけど、
    で、どうなるの??
    。。。のところで、3編目!

    3編目は その男女の担当の職員と
    その相談所の所長が 中心の話。

    てか、その男女 どうなってん!
    語られるんやろな、と 気になりながらも
    この話自体にも だんだんやられる。
    ええがな!
    ジワーンと感情 揺さぶられました。
    乙(´_`。)

    最後に ちゃんとその男女のことも
    触れられてたしね (ಡωಡ) ニヤニヤ

  • タイトルと表紙に惹かれ、手に取る。

    おもしろいっ。

    関西弁の気軽さ、みたいな。

    短編で、主人公が変わって語られるこんな話、好きです。
    人の思ってることなんて、ちっともわからんなー。それがおもしろいんだなー。

    ハンバーグとか、いわしのつみれとか、唐揚げとか、おいしそうーな描写。


    最後の話、空港の場面で、涙が出る。
    よかった。

  • 自治体の結婚紹介所をめぐる3篇。段々と尻すぼみになっていった感は否めないかな。もじゃもじゃってタイトルなんだし、最後までもじゃもじゃで引っ張って欲しかった。一番最初のお話が一番好き。デビュー作でこれとは、先が楽しみ。2012/091

  • 図書館で 目にとまって読んだんだけど
    おもしろかった。

    婚活の話。

    見た目とか条件とか…自分の好みじゃなくても 一緒にいてホッとするのが一番。

    もじゃもじゃくんかわいい〜

  • 渡辺淳子
      光文社 (2011/4/19)

    大阪に暮すごくごく普通の人たち
    結婚相談所を舞台に繰り広げられる日常
    すいすい読めました
    看護師をされていた著者のデビュー作だそうです

    ≪ しあわせの かけら みつけて また前へ ≫

  • 誰かと向き合うということ。自分自身と向き合うということ。
    家族の在り方。

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著者プロフィール

滋賀県生まれ。看護師として病院等に勤務。2009年第3回小説宝石新人賞を受賞し『もじゃもじゃ』にてデビュー。滋賀県の食をモチーフに描いた『東京近江寮食堂』が話題に。そのほかの著書に『GIプリン』『星空病院 キッチン花』『東京近江寮食堂 宮崎編 家族のレシピ』などがある。

「2021年 『おでん屋ふみ おいしい占いはじめました』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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