ドッグテールズ

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著者 : 樋口明雄
  • 光文社 (2011年5月19日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334927561

ドッグテールズの感想・レビュー・書評

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  • 山岳救助犬シリーズの作者が描く犬と人間との物語を集めた短編集。
    最初の2作は、生きることの意味を見失ってしまった人たちが犬によって救われる作品。2作に出て来る「飼い主が犬を選ぶのではなく、犬が飼い主を選ぶ」と言う言葉がじんと来る。
    3作目、4作目は犬本来の狩猟本能を描いた作品。これはそれほど感動もなく。
    そして5作目は、山岳救助犬シリーズでも登場する夏美の恩師とそのパートナー犬との話。日本が初めて海外に派遣した四川地震が出て来る。実際に活動していたことを知っていただけに、あとがきを読むまで、どこまでがフィクションか分からずに、かなりショックを受けた。でも、山岳救助犬シリーズの前日譚が読めたので、かなり得した気分。

  • 人と犬に焦点を当てた短篇集。
    やはり樋口明雄に外れなし。人と犬の絆を感じた。最後の『向かい風』には『天空の犬』で出てくるJRDも登場。山と犬に関してはこの人の本が最高だなと思う。
    『グッドバイ』小説家の斉木渉、イラストレーターで妻の真由は半ば壊れかけた夫婦だったが、その隙間をクロという犬が埋めていた。しかし二人が渓流釣りに行っている間に事故で死んでしまう。クロを失った二人はまた冷えきった関係になっていく。ある日、渉が書斎で執筆していると犬の声が聞こえた。玄関に出てみると、仔犬がいた。どう見ても小さい頃の”クロ”だった。
    『バックパッカー』智史はリストラされて、山道具だけを持ってあてのない旅をしていた。寝ようとしてテントに潜ると、大嫌いなはずの犬がいつもそこにいた。
    『疾風』狩人、弥太郎と疾風は最後の狩りに出ようとしていた。
    『遠吠え』動物学者の千明のもとに野犬の群れのリーダーに狼らしいという知らせが入る。
    『向かい風』弥生は瑞牆山のログハウスで傷心を癒していた。JRDの救助活動中、二人と二匹の同僚を事故で失ったトラウマがまだ消えていないのだ。それでもこの場所と愛犬”エマ”との日々は確かに弥生を癒しつつあった。しばらくして、山に台風が到来。そんな中双子の幼い姉妹が遭難し、地元警察から協力を要請された弥生は…。

  • 図書館の壁面にあり気になって借りた本。この短編集に出てくる犬たちは、単なる人間の従者としてではなく強い意志を持った生き物として描かれている。犬、自然が好きな人にとってはたまらない一冊だろうな。

  • 男性作家特有の文体だと感じた。
    それは別として一歩飛び出ない。

  • 5つの作品で構成されています。最初の2作品は死んでしまった犬が舞い戻ってきたような子犬に出会い、その犬を通して後悔や夫婦の関係を取り戻していく・・というような、ほんわかしたお話しでした。なので、このままこんな感じの小説なのかなと思っていたら、残りの3編は骨太な重量感たっぷりなお話しです。『狼王ロボ』を用いたものや『凍える牙』をほうふつとさせるような犬の姿はドキドキします。
    人と犬との関係は今や切ることの出来ないものになっています。そんなさまざまな関わり方を、作者はテンポを変えて小説で楽しませてくれます。特に最後の「向かい風」は救助犬のお話ですが、3・11のこともあって胸にグッときました。犬はもちろん、人とも信頼関係を築いた時にどれだけ人は幸せになれるんだろう、と思ったのでした。

  • 犬にまつわる短編5つ。
    「グッドバイ」事故で亡くしてしまった飼い犬に対する思いのすれ違いで関係がこわれた夫婦のもとへクロが小犬になって帰ってきた。幸せだったと伝えるために。
    「バックパッカー」幼児のトラウマ。亡くなった兄。失職の若者が故郷へ帰るまで。
    「疾風」は熊狩りの名犬。飼い主との心のつながりがすばらしい。哀しい結末。
    「遠吠え」は現代版狼王とビアンカの話。
    「向かい風」のエマは救助犬。仲間の事故死以来傷ついた心を抱えてきた飼い主の再生物語。

  • 犬と人とのつながりを描いた短編集。SF風あり、リアリズムあり。私は、ラストの災害救助犬のNPOで活動していた女性と、そのパートナーの犬の話が好きでした。

  • 5つの短編はどれも犬と人の物語。

    こういう本を読むと、ウチの子が一段と愛しくなる。たとえお腹を出して二日酔いのオヤジのようなバカ面で寝ている雑種でも。
    大好きだよ。

  • このところ猫が登場する本を立て続けに読んだのだけれど、今回は犬の話。樋口さんの手になる5編の読みきり短編はそれぞれ個性の際立つドッグ・ストーリー。犬を愛するひとのために書き下ろされた数々の奇跡の物語だ。 「グッドバイ」は、愛犬の死をきっかけに亀裂が生じてしまった夫婦仲を、亡くなったはずの愛犬そっくりの子犬が現れて癒してっゆくというファンタジック・ストーリー。ここで登場するのは黒いミックス犬。続く「バックパッカー」では、子供のころに犬に咬まれたトラウマから犬嫌いになった失業青年が、失意の貧乏徒歩旅行の途上でアラスカン・マラミュートと出会い慕われていくという話。飼い主が犬を選ぶのではなく、犬のほうが自ら飼い主を選ぶという逆説的なテーマを地で行くストーリー。単なる動物小説ではなく、そこにヒューマン・ストーリーを絡めることで、それぞれの犬の賢さや優しさが強調されている。バラエティ豊かな犬種が登場するので、犬好きは楽める。

  • 犬が登場する短編集。
    どの話も、犬と人との絆を感じさせてくれる。
    山や川などの自然の描写も多く、この人ならでは。

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ドッグテールズの作品紹介

愛犬の予期せぬ死ゆえ、ペットロスに打ちひしがれた夫婦。互いの心がすれ違い、ふたりの亀裂はしだいに大きくなっていった。そんなある晩、男は月明かりの中で仔犬の鳴く声を聞いた…(グッドバイ)、他四編。犬との出会いや絆をリリカルに描いた、希望と再生のストーリー。

ドッグテールズはこんな本です

ドッグテールズの文庫

ドッグテールズのKindle版

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