- Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334927769
感想・レビュー・書評
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辞書を編集作成する物語。何年もかけて1冊の辞書を完成させる情熱とひたむきさに感動。作品を読まなければ知ることもなかったであろう世界を知ることができ良かった。美しい作品。
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読み始めてからすぐにその面白さに引き込まれて一気に読みました。
馬締と香具矢はもちろん脇を固めるキャラクターも全員魅力的でした。
辞書の編纂にこれだけの時間とお金とエネルギーが費やされていることを初めて知り、また言葉というものに執拗に執着し、まさに人生のすべてを捧げる人々とその姿に共感しかかわっていく人たち。
言葉とはまさにそのように思いを語り合い、思いを伝え、記憶を分けあうためにあるものなのだと痛感しました。
おもしろくてつい吹き出してしまうシーンもたくさんあって(”自分、不器用ですから”とか、馬締のラブレターとか、西岡のチャラさとか)けれどジーンとくるところもあるし、何より辞書の完成の辺りではもう涙が出そうでした。
そして言葉を主題にした物語だけあって、時折難解な、そして響の美しい日本語が頻出し、時折わたし自身も辞書を引きました。(スマホですみません) -
タイトルから想像するに、海洋とか舟にまつわるお話かと思っていたら、なんと、辞書!!
それにしても、何とおもしろい!!
そして、辞書出版の何と大変なこと・・・今更ながら、あの膨大な量の言葉を編纂しているのは、人間なんだなあと再認識する。
まじめさんのキャラの素敵なこと、桁外れの辞書づくりのセンスと適性を持つ彼が、香具矢さんに「好きです」と伝えるシーンは泣けた。「好きです」の4文字にこめられた彼の気持ちの重さ、深さ。それを考えると、もう、泣くしかなかった。
言葉は絶えず動き、変わっていく。それを残したいと願う人たちがいるって、何と素晴らしいことなんだろう。敬意を感じずにはいられない。
私も、言葉を大切にしよう。そして、人を傷つけるためではなく、救うために、癒すために、言葉を使っていきたいと、強く思った。-
とてもいいレビューですね。
私は思わず感動してしまいました・・・
早速、帰りがけに書店に直行し、
『舟を編む』を手に取り、購入してきました...とてもいいレビューですね。
私は思わず感動してしまいました・・・
早速、帰りがけに書店に直行し、
『舟を編む』を手に取り、購入してきました。
この小説が描く「言葉の力」や「言葉の大切さ」を深く味わいたいと思います!2012/08/23 -
私も、『舟を編む』のレビューを書いてみました!
私自身、日本語の表現や言い回しと深く関わっている仕事に現在たずさわっていることもあって、
...私も、『舟を編む』のレビューを書いてみました!
私自身、日本語の表現や言い回しと深く関わっている仕事に現在たずさわっていることもあって、
この本には、共感できる部分がすごく多かったです。2012/08/27
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祝・本屋大賞!
魅力ある作品です。
辞書の編纂をめぐる人間ドラマ。
別館にある編集室で、わずかな人数で、何年もかかって。
熱意を込めて仕事をする良さが描かれます。
その人の能力がどんな風に生かされるか。
メインはこれと見込んで引き抜かれる編集者。その名も馬締(まじめ)くん…
営業部では浮いていて、お荷物だった彼が…
玄武書房に勤める荒木は、辞書編集部員一筋でやってきたが、定年を迎えることに。
30年以上共に辞書作りをしてきた松本先生と「大渡海」という辞書を作ろうとしていたので、後任を探すと請け合います。
後輩の西岡は調子のいい男で、それなりに役には立つが言語感覚はあまり無いからだ。
辞書作りは気長で細かい作業。執筆者に依頼するだけでなく、偏向を抑え、他の辞書と比較検討もし、紙数やレイアウトに合わせての訂正もしなければならない。
何年も丁寧な仕事を続け、そのうちに時代が変わっていくのにも対応していくのです。
営業部で27歳の馬締光也を推薦されて、出会う。
整理したがる性格や言語への興味と執着など、才能を見いだす下りも面白い。
「辞書は、言葉の海を渡る船だ」
もっともふさわしい言葉で、正確に、誰かに届けるために。
「海を渡るにふさわしい船を編む」
荒木と松本に託された馬締は?
お気楽な西岡と、馬締の迷コンビ。
移動する西岡の内心の思いに、ぐっと来たり。
馬締の下宿先のタケおばあさんとの気楽な暮らしや、その孫娘で女板前の香具矢との恋。これが不器用でほのぼの。
さらに年月が過ぎて、新しい編集者・岸辺みどりの登場。
製紙会社の宮本と、辞書にピッタリの~薄くて、めくりやすい!紙を研究し続けることに。
向いていないようでも、何かしら、役立つ道はある。
脇役もそれぞれに異なる存在感があり、意外な恋愛模様も。
どことなくおかしみがあり、とぼけた雰囲気が漂います。
所々ぷっと吹き出してしまう細部の書き込みに注意。
思い出しても、にまにま。
元気が出ますよ~さすが、しをんちゃん☆ -
分からない言葉はスマホですぐに調べられるこの時代の中で、わざわざ辞書を持ち出したくなる気持ちを与えてくれる本。
辞書作りなんて、無縁も無縁。でも何か一つに情熱をかけて夢中になれるっていうことが、何ものにも代え難い幸せってことはよくよく分かる。
辞書についてはなんとも思ったことがなかったが、こんなに生涯をかけて取り組んでる人がいる作品なんだということに気づき、すごく興味が湧いた。
舟を「編む」という表現も素敵。知ってる言葉が増えると、それだけわかる気持ちも増える。本を読んだり人と話したり、知見を広げる中でいろいろな言葉に触れていきたい。我々が使うことができる言葉を、これからも大切にしたい。 -
ストーリーが綺麗でとても読みやすかったです。
読むと辞書の見方が変わります。
完成までの途方もない時間の中にも様々な人生が存在し、始まりそして終わる。この作品は深い。 -
非常に良かった!
こんな語彙力しか持ち合わせていない自分が不甲斐ない。
今のこの気持ちを明確に表せる力があったらいいのに! -
映像化された作品です。
やっぱ面白かったです。 -
辞書編纂物語。
登場人物全員が柔らかく魅力的。激しいアップダウンのある話ではないので、ゆったりとした、温かな気持ちになる。
ひとつのことに全力で取り組む静かに熱いまじめくんたちがかっこいい。 -
最近、電子辞書を買った。
なにせ紙の辞書の国語辞典と英和辞典と古語辞典を学校に持っていくなんて重くてムキムキマッチョさんになってまいますわ…
その点電子辞書は軽くて調べるのも楽で、とても便利。
そんな時に出会ったのがこの本。
はじめ見た時は、大衆小説の単行本な割には装幀がシンプルで驚いたが、読んでいくうちにこの装幀にも意味があったのだと知って納得。(表紙の船の帆に書いてある「玄」の意味がやっとわかった)
三浦さんが編み出す美しい言葉達や文章表現も印象的。
この物語を通して、私がこれまで敬遠していた紙の辞書のあの重さは、彼らの言葉への尽きぬ愛や辞書づくりの執念の重さだったのだと実感した。
自分の部屋の本棚の隅に追いやられた辞書達がなんだか寂しそうに思えた。