舟を編む

著者 :
  • 光文社
4.17
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感想 : 4343
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  • Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334927769

感想・レビュー・書評

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  • 2012年本屋大賞受賞作
    映画、アニメ化済
    2024年NHKBSでドラマ化

    「辞書は、言葉の海を渡る舟だ」

    初読作者なのだけど、Wikipedia著者作風欄に併せてみると、
    1つの仕事や物事に真剣に取り組む人たちを描く作品、にあたるのかな
    辞書編纂の、言葉や言語学、紙質や印刷についての色々なくだりがすき。
    私たちの世代は誰もが子ども時代に紙の辞書に触れているから、分かる分かる、って部分があるけど、これからの子たちは最初から電子辞書だったりするのかも。そうなるなら少し残念な気がする。
    作品と関係ないけど、お気に入りのほぼ日手帳の紙質も手帳にしては薄く手触りが良くて辞書的だよね、でも筆記具によっては裏写りしやすいしな、とか関連付けられるのが楽しい

    最後まで軽快でテンポが良く、登場人物も魅力的にキャラ立ちしていてとても読みやすかった

    読了後に装丁を見直すとこまでが読後感

    (図書本)

  • どの登場人物も愛しく思える。
    ありがちなイベントが多い気もするが、辞書を作るという題材を初めて読んだためそこまで気にならなかった。
    何かに熱中している人に魅力を感じるのはとても共感。

  • この本は、2017年2月に読みました。
    だいぶたっていますが・・・
    辞書作りはこんなに繊細な作業なのか
    言葉を選ぶことにこんなに迷いながら
    作るとは・・・・「編む」という題名は、言葉
    を編んでいく、という意味なのか、と思いました。

    この本を読むまで、言葉というものを
    そんなに深く考えたことはありません
    でした。私は、古いようですが「ら抜き
    言葉」を嫌ってしまいます。ですが、最近ではアナウンサーがふつうに使っているのです。やはり私は古いのでしょうか?息子が中学生の頃、「斜めってる」と
    いう言葉を口にしました。思わず私は、
    「斜めになっている」だよ。といったことがあります。ところが、一緒に生活して
    いるとは恐ろしいもので、私まで「斜めってる」と、言ってしまったことがあります。それ以来言語には気を付けているつもりです。日本語は、本当に奥深さを
    感じます。「やばい」という言葉、これは、どうしよう、まずいことになった
    という意味だったはずです。それが今では、凄い、素敵、可愛いということに
    使われています。辞書にはどのように記されているのでしょうか。

    細かいことがらを、三浦しをんさんは
    やはりすごいと思います。

    話は違いますが、三浦しをんさんの
    「風が強く吹いている」お薦めします。
    駅伝などやったことがなかった、弱小チームのお話です。
    読んだ方、多いとは思いますがまだの
    方は是非、夢中になる1冊です。

  • とにかく辞書制作への熱意が凄い。一冊の辞書をこの世に生み出す為、誰もが魂を削って取り組んでいる。その姿勢に圧倒されると共に、誇らしく思えた。普段知れないニッチな世界を知る事が出来たのも良かった。自分も今の仕事にこんな情熱を持てているだろうかと、改めて考えさせられた。

  • 流石の本屋大賞受賞作でした。
    壮大な言葉の海に漕ぎ出す大渡海と言う辞書を作る為に。
    『舟を編む』納得の題名です。

    馬締のラブレターは笑い転げてしまいました。
    怒涛の語彙力は時に人を渦巻き難破するものだと。笑

    15年に渡る航海のラストは涙有りしんみり心に響きました。

    言葉の海が大好きな理由を再認識しました。
    これからも色々な読書と言う航海に辞典と一緒に旅立ちたい。

    • Manideさん
      まーさん、こんにちは。

      これは良い作品ですよね。
      私も好きな作品です。

      自分とは全く縁のない世界でありながら、笑いもあって、感動があって...
      まーさん、こんにちは。

      これは良い作品ですよね。
      私も好きな作品です。

      自分とは全く縁のない世界でありながら、笑いもあって、感動があって、いいな〜と感じたのを思い出しました(^^)

      それでも⭐︎4という厳しさに、「ほんと、厳しいな〜」と、感じてます(笑)
      2023/04/13
    • まーさん。1733348番目の読書家さん
      Manideさん。
      コメントありがとうございます!
      返信遅くなり申し訳ありませんです。

      とても興味深い作品で、思わず辞書を本棚に戻しました...
      Manideさん。
      コメントありがとうございます!
      返信遅くなり申し訳ありませんです。

      とても興味深い作品で、思わず辞書を本棚に戻しました。辞書と言う海は広すぎるて私なら直ぐに難破してしまいます。笑

      ☆4の基準は面白い感動した人に薦めたい!って本です。
      私の中では☆5の作品はプラス何度も再読してしまう本です。
      ☆5に出会いたいですーー。
      2023/04/21
    • Manideさん
      まーさん、おはようございます。

      返信遅いなんて、とんでもないです。
      勝手にコメントしてしまっているだけなので、
      全然、お気になさらずに(^...
      まーさん、おはようございます。

      返信遅いなんて、とんでもないです。
      勝手にコメントしてしまっているだけなので、
      全然、お気になさらずに(^^)

      まーさんのホシ5は注目ですよね(^^)(^^)
      2023/04/23
  • 妻の推薦本を1年間積読してしまった。辞典「大渡海」の完成に向けて、奇抜な青年、編者の松本先生、それを支える編集部が血反吐を吐く思いで作成する。完成まで相当な年月を費やし、即ち彼らの人生を賭けて1語1語を紡いでいく。その1語1語の蓄積が「大渡海」となる。製紙業社の宮本「辞書は頑固だからこそ、頼りがいがあるし、ちょっと敬愛もある」。この何十万単語を統一した規格で生成することで、この「頑固さ」が醸成されるのであろう。最近、簡単にグーグル先生に単語を教えてもらっているが、単語への敬意が足りなかった、反省!

  • NHKのドラマを観て、読んでみました「舟を編む」。ドラマでは女性編集者が主人公ですが、原作は新規の辞書(広辞苑のような)を世に出すまでの十数年間を、複数の編集者それぞれに焦点を当てていく章立てで構成されています。
    辞書を作ると聞くと地味な印象ですが、内容的には基本コミカルで、なるほど辞書作りとはそんなことまでやるのかとためになった感も得つつ、サクサクと読み進めることができます。ぐっと感動的なシーンも程よく散りばめられているので、あぁ、いいもの読んだなという満足感が高いです。
    作家さんのエッセイも読みたくなりました。

  • タイトルで、時代劇の話かと思って、積読期間が長くなってしまった。一冊の辞書完成まで15年とは恐れ入った。
    今回は、小説を読みながら追っかけで映画を観た。
    少し「岸辺みどり(黒木華)」が本とのイメージが違ったけど、中々良い味出していた。
    「西岡(オダギリジョー)」の人間味がだいぶカットされていた。辞典購入してみようかと少し思った。

  • 読後感のよい小説に出会えると幸せな気持ちになれます。
    この本はそのうちの一つとなりました。
    読書好きの仲間と分かち合いたい、あなたたちなら共感できるはず、と思える文章が出てくると、嬉しくなれました。
    言葉に対して、誠実に、真摯に、向き合い、発し、受け止めようとする人たちが少なからずいる。その仲間になりたいと、心から願います。
    「たくさんの言葉を、可能なかぎり正確に集めることは、歪みの少ない鏡を手に入れることだ。(略)一緒に鏡を覗きこんで、笑ったり泣いたり怒ったりできる。」p186
    「言葉の持つ力。傷つけるためではなく、だれかを守り、だれかに伝え、だれかとつながりあうための力に自覚的になってから、自分の心を探り、周囲のひとの気持ちや考えを注意深く汲み取ろうとするようになった。」p203
    「死者とつながり、まだ生まれ来ぬものたちとつながるために、ひとは言葉を生みだした。」p258
    ひとと、ことばと、伝えたい思いとが、熟したときに、ひとをひとらしく生きさせてくれるのだと思いました。
    たかが言葉、されど言葉。
    つながり、やすらぎ、温める、そんな使い方をしていきたい。そんな決意もおまけでもらえたお仕事小説。

  • 高校1年の最初の現国の授業は、買ったばかりの国語辞典を持ってきて1時間辞書を読む時間だった。新明解は解釈がおもしろいと言った先生の言葉を今でも覚えてるし、初めて辞書を「読み物」と認識した時間だったと思う。
    馬締さんのように13年もこつこつと情熱を傾けられるものがあったら人生が充実してるんだろうなぁと思うけど、バランス的に共感できたのは製紙会社の皆様かな。辞書の紙も特注で特殊であれほど気合が入っているのは初めて知った。
    再読だったけど、改めて辞書に纏わる知識を知れたし、西岡さんとか岸辺さんへ共感できたし、最後には涙した。
    読んでよかった。

著者プロフィール

1976年東京生まれ。2000年『格闘する者に○』で、デビュー。06年『まほろ駅前多田便利軒』で「直木賞」、12年『舟を編む』で「本屋大賞」、15年『あの家に暮らす四人の女』で「織田作之助賞」、18年『ののはな通信』で「島清恋愛文学賞」19年に「河合隼雄物語賞」、同年『愛なき世界』で「日本植物学会賞特別賞」を受賞する。その他小説に、『風が強く吹いている』『光』『神去なあなあ日常』『きみはポラリス』、エッセイ集に『乙女なげやり』『のっけから失礼します』『好きになってしまいました。』等がある。

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