一匹羊

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 267
感想 : 65
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  • Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334927820

感想・レビュー・書評

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  • 『大地』を読んでいたんですが、図書館の返却期限がギリギリになってきたので浮気しました。

    や~前作の『パパは今日、運動会』も含めて、山本さん、良い!
    最初の方の作品も面白くて「お、良い作家さんだなぁ」って思ってたんですが、ここ数年「何、言いたいか分からない……」って感じでした。
    だけど、この2作で帰ってきましたね。おかえりなさい!

    『一匹羊』は短編集で、どの章も最後がホッコリしたり、前向きになってたり読後感がよろしいです。
    特に「どきどき団」は長い間、夫に従ってきた老いた妻の反抗って話なんですが、勇気を出して意見を言います。
    その妻が何とも可愛い!
    こういうの良いなぁって思わせてくれます。

    で、今回は山本さんが何で良いのかなぁって考えながら、読んでたんですが、この方は表現が上手いなぁと思いました。
    あと、手法としては「何でもない話に違和感のある要素を付け加える」てな感じかと。
    さっきの「どきどき団」だと、老齢夫婦の確執という平凡な要素に、何か知らないけど息子を怒らせているらしいっていう情報が加えられてたり。
    これからどうなるんだろう……って飽きさせませんね。

    何の間の書きましたが、面白かったです!

  • みんな頑張って生きてる
    2013.4.21

  • 小さな希望を感じる8編。

    (狼なんてこわくない)
    16歳の星野麗子は,転校して文通だけしている小篠くんに会いに行くため,
    居酒屋でバイトしてお金をためて,夜行バスで金沢に向かう。
    隣の席の派手なオネーサマのミユキさんは,高校を中退して東京に出てきたが
    ついに金沢に帰るのだという。

    ミユキさんの去りぎわがかっこいい。

  • 一人ひとりになぜか親近感が持てます。話の終わり方が何か物足りなさを感じるのですが、それが自然さ、素朴さを感じてしまいます。この連作、楽しめます。

  • 女子高生、OL、フリーター、主婦…
    パッとしない日常からふとしたことで一歩踏み出す人々の物語。

    どれもそれほど大きな事件があるわけでもないし
    華々しく変化するわけじゃないけれど
    日常から一歩踏み出すのって案外大変だし
    その先の光が見えて読後にジンワリする秀作揃い。
    心地よい余韻。

    【図書館・初読・11/14読了】

  • <内容>OL、女子高生、フリーター、元野球選手、主婦…相手にされなくても。変人に思われても。一歩踏み出すと、素敵な自分が見つかるかもしれない、それぞれの「明日が少し元気になれる」物語。表題作ほか、7編を収録。

著者プロフィール

山本幸久
一九六六年、東京都生まれ。中央大学文学部卒業。編集プロダクション勤務などを経て、二〇〇三年『笑う招き猫』で第十六回小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。ユーモア溢れる筆致と、魅力的な登場人物が読者の共感を呼び、幅広い世代から支持されている。主な著作に『ある日、アヒルバス』『店長がいっぱい』『大江戸あにまる』『花屋さんが言うことには』『人形姫』などがある。

「2023年 『あたしとママのファイトな日常』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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