変若水

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著者 : 吉田恭教
  • 光文社 (2011年10月18日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (417ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334927844

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変若水の感想・レビュー・書評

  • 決して覗いてはならない儀式。小さな山村で岩蔵一族の掟は絶対。だけど富一はひとり儀式を覗きに行き… それから64年。

    向井俊介は、突然死した幼馴染のPCにウィルスメールが送られていた事を知る。幼馴染の死に疑いを持った向井はウィルスメールを送ってきた相手を突き止めるがその友達も突然死していた!ふたりのメールからある病院の告発文章を見つけた向井はどんどん事件に深入りしていく。そしてたどり着いた先はあの雪深い村、岩蔵一族がはびこる変若水村だった。

    決して覗くなと言われたら覗きたくなる気持ちはわかる。あ〜見つかるのかな、どうなるのかな、儀式とはどんなものかなとドキドキハラハラ。
    64年が経ち、富一と向井がふたりで儀式を覗こうとするのが面白い。懲りない人たちだ。

    おどろおどろしい村の雰囲気は好きだし、64年前と現在の人物が交わるのも面白い、向井と富一の関係もいい、事件もよく考えられていると思う。だけど、とにかく長い。もう少し色々削ってスマートにした方いいような。

    主人公の性格がちょっと好きになれなかった。キャバクラ好きな設定とかいるのだろうか。それに厚労省というのをひけらかしたり、仕事を楽と言ったりするのはどうなのだろう。
    だけどデビュー作でここまで書けるのはすごいと思う。機会があったらまた読んでみたい作家さんだ。

  • 第3回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞優秀作 
    著者ご本人から、Twitterでフォローされ、教えていただく♪
    おもしろかったです~!かなり読みでがありましたが、一気読み!
    医療ミステリーちっく、だけどそれだけじゃなくて・・・現実感はあまりありませんが、医療知識もすごいし、存分に楽しませていただきました!
    次回作にも、もちろん期待大です!!

    いやー、知念実希人さんの 『誰がための刃 レゾンデートル』も面白かったし、深木章子さんの『鬼畜の家』もだったのか~!
    これは他の作品も、そのうち読んでみなくちゃですね~!!!

  •  富一さんの悲劇に引き込まれ、すらすら読めてしまった。俊一さんの推理が強引で、そんなに早まっていいのか?おいおいまてよ、と思いつつ・・・ページをめくりました。いろんなものが詰め込まれていて、読了後に力入っているなーと感じました。
    富一さん、影が薄くて少し物足りないとも感じた一冊。

  • 最初の本だから・・・と手に取る
    力入ってます

  • 人に威張れるほどのミステリーマニアでもないのだがこのおどろおどろしいタイトルとプロローグには一目惚れ、「たたりじゃ〜」の再来に胸を膨らませたのだったが…
    結論を先に言うとすごく面白いしシーンの緩急も絶妙で分厚い本を飽きさせずに読ませる筆力もある、が何かが足りないような気がしてならない。医療ミステリーに在りがちなのだがトリックにエピネフリンやダーマボンドを使われても名前すら知らない読み手は「そうなんだ」と納得するしかなく推理もへったくれもないのはマイナスポイント。
    そしてやはり話の中心となるべき因習の雛祭りのタネ明かしがあっさりしすぎなのか最大の手落ちなのだろう。
    そう思うと横溝正史先生は神なんだなと今更ながら思うのでありました

  • まず、エピローグが不気味です。雪深い村で行われる旧家での行事、それを見てしまった少年への折檻、そして話は現代の東京へ飛びます。厚生労働省に勤める向井俊介が幼馴染の急死を謎に思い調べていくうちに、エピローグの村「変若水村(おちみずむら)」という奇妙な村にたどり着きます。ちなみに「変若水とは:飲めば若返るとされる不老不死の水」という意味をもちます。最後はパズルのピースが埋まるように鮮やかに謎は解けていきます。ちょっと横溝正史を思わせるミステリです

  • 第3回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞優秀作。

     厚労省に勤める向井俊介は、幼馴染で女医の玲子といつものように軽口を叩きあって別れた。まさかそれが最後のあいさつになるなんて・・・。駅で倒れた幼馴染はそのまま他界。突然の出来事に信じられなかった俊介だったが、玲子の遺品を整理していた母親から連絡を受け、パソコンを調べることに。彼女の女医友達・広瀬千秋からのウイルスメールのせいでパソコンのデータは壊れてしまっていた。一体なぜ?持前の知識を生かし、破壊されたメールデータを見た俊介は、玲子がある患者の症状が狂牛病ではないかと疑っていたことを知る。もしそうだとすると、大変なことになるし、玲子は殺されたのかもしれない。上司にも報告し、なんとしても真相を暴こうと俊介は元恋人で現在は上司の霧島美咲と事件を追う。

     何十年も前のある閉鎖的な村と、現代の俊介の話がどう繋がるのかどきどきしながら読み進めた。捜査方法がハッキングとか違法すぎる気がしたのと、あまりにも家系が複雑で理解しきれなかった部分はあるものの(家系図つけてほしい)、キャラ付もしっかりしていたし最後まで楽しめた。

  • 膨大な量の医療知識を絡ませ、スピーディーな展開で読み易いところに作者の筆力を感じました。
    トリックが医療技術という斬新且つ新鮮なものだったのに対し、動機が旧家一族の風習という古めかしいものを絡ませているところが非常に興味深かったです。
    しかし、タイトルである「変若水」と一族がひた隠しにしていた「雛祭りの儀式の謎」が、あまり魅力的でなかったのは残念でした。富一爺さん等の好材料を活かし切れていなかったのも勿体ない気がしました。

  • 仕掛けそのものは凝っているな~という感じ。大したものだと思いました。

    が、いかんせん展開が都合良すぎ。
    主人公のみならず、周囲の人たちの予想やら推測やらが当たりすぎ。
    しかも魅力的な人物がいないので、真相に辿り着いてしまえば、ああそうですかで終わり。

    冒頭がハラハラして、見てはいけない雛祭りってナニ!?と期待し過ぎたようです。
    あのおじいちゃん、完全に出落ち状態。もったいない。

    いらないくだりもたくさんある気がいたします。
    閉ざされた村の、秘密の儀式にもっと展開を絞れば面白い気がするなあ……

  • 島田荘司選のばらのまち福山ミステリー文学新人賞優秀作で、しかも閉ざされた村の怪しい一族の怪しい儀式という題材に惹かれて読みました。
    主人公が推察レベルでしかないことを確信して行動し、その推察がことごとく当たっているという展開と、妙に説明じみた台詞が不自然で気になりました。
    月神神社に向井が足を踏み入れたシーンなどもあっさりしすぎていて、「絶対に覗いてはならない岩蔵一族の雛祭り」という魅力的な設定があまり生かしきれてなかったような気がしました。変若水村の冨一や岩蔵一族のターンは面白かったんですが、序盤の向井のターンがあまり面白いと思えず。題材はすごく好みなのになぁ。

  • もっとおどろおどろしい話かと思ったが、現実的な部分も多々あり、読み応えがあった。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    厚生労働省に勤務する向井俊介は、幼馴染の女医が突然死した真相を追及するうち、ある病院を告発する文書の存在を掴み、島根と広島の県境にある雪深い村にたどり着く。そこは変若水村。ある一族の絶大なる支配のもとに、誰も見てはならないとされる雛祭りが行われる奇妙な村だった。相次ぐ突然死と、変若水村で過去におこった猟奇事件の謎に向井が迫る―。島田荘司選第3回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞優秀作。

  • 地元が舞台ということで「変若水(をちみづ)」読む。医療猟奇因習てんこ盛りで一気読み。特に因習部分は横溝時代よりさらに凶悪になり、久々手に取ったミステリだったが、トータルでなかなか面白かった。がしかし、舞台となる村の位置もだいたいあの辺と判るが、あの辺りだと作中で使われている方言が微妙に違う。あと、渡橋は出雲市駅からR9を西に向かうし、いわんや宍道湖に到達した時点で出雲市ですらない…などと地元読者ならではの間違いが気になってしまったのがちょっと残念。

  • 第三回福山ミステリー優秀作。
    これだけの長編を一気に読ませてしまう作者の筆力は只者ではない。これが本当に新人の作品なのかと思ったほどだ。何よりもプロローグが見事で、瞬く間に物語世界に引き込まれてしまった。
    奇病難病。そして医療の専門知識だけでなく、巷に流布するおどろおどろしい話を盛り込んだ展開も秀逸。
    次回作も期待したい!

  • 何となく手に取って読み始めたのだが、意外にも面白く、最後まで飽きることなく一気に読めた。
    山奥の過疎田舎の村に残る因習を絡めた横溝的なおどろおどろしさと、現代医療を駆使した殺人トリック。新旧のモノが入り混じる展開だったが、それが見事なバランスで絡み合い、両方たっぷり楽しめた。
    キャラ設定もイイ。やる気の無い、事なかれ主義の主人公が、幼馴染の女性の変死により一発奮起。厚労省の肩書きとPCマニアの腕を武器に事件の背景を精力的に嗅ぎ回る。主人公の元彼女で且つ上司の位置にあるヒロイン役の女性との会話の応酬も楽しい。村を牛耳る一族のキャラも強烈で、本来なら滅茶苦茶に思えるような行動も、彼らなら、と不思議と腑に落ちてしまう。
    ただ、警察との絡みはあまりに協力的過ぎ?と思ったのが唯一の不満点かな。
    面白い本に出会えて良かった、と思える一冊でした。この作品で新人賞を取ったようですが、著者のこれからの作品を期待したいと思います。

  • ばらのまち福山ミステリー文学新人賞優秀作(3回)

  • 面白かったですが、昔の乱歩賞テイストですね。
    ただ、一族の謎を追ううちに明らかになる部分のグロさなどはよかった。

  • ばらのまち福山ミステリー文学新人賞優秀作ということで読んでみました。
    トリックの斬新さには感心しましたが、ストーリー的には個人的に今一歩といった感じです。

    有能ではあるがやる気のない、厚労省役人の青年が主人公。彼が友人の突然死に疑問を抱き調査を進めていくと、その裏には医療の現場での不正、そして因習の根強く残る村を牛耳るある一族が深く関わっていた・・・という話。

    医師が事件性はないと判断したにも関わらず、なんとか方法はないかと事件性を探る主人公の執念はすごい。
    私に医療の知識はさっぱりないので判断できないのですが、この作品に書かれていた殺害方法が実際可能なら、医療の知識を持つ人が本気になったら完全犯罪とか案外たやすく出来てしまうものなのかもしれない、とぞっとする思いを抱きました。
    トリックが医療技術という最新のものであったのとは逆に、動機の面には旧家の一族の因習という古めかしいものを絡めてきたところが面白いです。しかし、タイトルの『変若水』とそれにまつわる一族の秘儀の謎が、思ったよりも魅力的ではなかったところが少し残念。プロローグが恐ろしく引き込まれただけに、もっとおどろおどろしいものを期待しすぎてたのかもしれません。

  • 医療現場の現実・苦悩。
    それを扱う様々な人間関係。
    とにかく最新医療が犯罪に使われ、しかも巧みにカモフラージュさせるとはある意味とても恐ろしいことだ。
    村の因習より性質が悪いような気がする。

    厚労省のある意味役人が主人公。
    そして古い村の因縁に挑んでいくミステリーだが、普通国(権力側)が正義で、村が悪側という少し変わった趣。
    ただし、ハッキングや個人情報を除くのは仕事とはいえ、市民側としてはなんともやりきれない気持ちだ。
    実際の話、起こっているような気がする。

  • いろいろ出て来る医療関係の言葉はちょっと知らなさすぎ、の、
    医療ミステリーでしたが、面白く読んだ。
    探偵役の主人公がさくさくと周りに協力を頼み、
    警察まで頼っていくのが面白く感じれた。
    古い因習の残る村での秘祭、
    そういうのに登場する探偵は真相がはっきりしないうちには、
    周りに頼らないので、ほら、殺されたじゃん、的なイメージが、
    ついつい。
    そういうのも、大好物ではあるのですがね。

    この作品は新人賞とのことなので、次回作も楽しみですが、
    本業にちょっと驚きました。
    医療関係者かと思えてしまうくらいだったからなあ。

  • (No.11-87) ミステリです。

    『主人公は厚生労働省健康局疾病対策課・向井俊介、独身。平凡に生きていければ良いと、出世など望まず適当に仕事をこなしながら過ごす毎日。家族ぐるみの付き合いで幼なじみの佐山玲子とはお互い恋愛感情はなく、俊介はしっかり者の玲子を姉のように思い頼っている。
    たまたま出勤時に出会い途中まで一緒だった玲子と新宿駅で別れてすぐ、「女性が倒れた」という声が。俊介が駆けつけるとやはり玲子だった。近くにいた小田桐という女医が名乗り出て手当てをしてくれ、救急車に俊介と一緒に乗ってくれた。しかし病院についてまもなく玲子は息を引きとった。
    葬儀の後、俊介は玲子の母からパソコンのことを相談された。住所録などを調べようと思い操作しているうちに動かなくなってしまったので見てもらいたいと。
    どうやらウイルスメールを送りつけられたせいだった。このパソコンに入っている娘の思い出を見ることが出来なくなった両親のことを思って、俊介は怒りがこみ上げてきた。送りつけてきたのは誰なのか突き止めて仕返ししてやる!調べ始めた俊介は、重大な告発文を見つけてしまう。もしかして玲子は殺されたのではないのか?』

    東京での出来事と僻地の村での出来事がどう繋がるのか、早く知りたくてどんどん読み進めました。
    主人公の俊介は魅力があるんだかないんだかよく分からない人物です。ちゃらちゃらしているようですが、一応自分自身の考えは持っているようで、やってやる!と思ったことは、結構頑張ってしまう人でした。私は熱血漢よりこういう人のほうが好きです。

    ちょっと不満だったのはあの病気に感染した原因。私は以前あの病気についての本を読みました。少しその本の内容と違うようだったので、かなり無理やりで苦しい感じでした。ストーリー的にこれでなくちゃいけないというほどのことではないと思うんですが。まあ厚生労働省が興味を持ち、その後距離を置いても大丈夫だと思う理由には適当だったかもです。

    警察が関係してきてから、ちょっと面白みが減ってしまった気がします。警察が俊介に親切過ぎでしょう。というか頼り過ぎ?民間人にこんなに関係させちゃって良いのでしょうか。まあ俊介を外してしまっては読者を放り出すことになるから、仕方ないのかもしれませんが。

    新人作家さんとしてはかなりなレベルだと思います。面白かったのでこの人のことは覚えておかなくちゃ。

  • 福山ミステリー大賞受賞作。山奥の閉鎖的な村の有力者一族を巡る謎の儀式、相次ぐ不審死、謎の疾病、と気になる要素が盛りだくさん。かなり現代的で目新しい殺人トリックと、おどろおどろとした古さを感じさせる村の因縁のバランスも見事。岩蔵一族、いろんな意味で凄すぎて怖い……。
    展開もスピーディかつスリリングで、息をつく間もなく一気読みです。ホラーじみた雰囲気があったり医療サスペンスの読み心地もあったり、でも芯は完全に本格ミステリ。面白かったー。

  • 成り行きで厚生労働省に入った向井俊介はもちろん出世には興味なく、定時であがることを常としている。
    しかし幼馴染の女医・佐山玲子が通勤途中に突然死してしまい、玲子のPCからある病院を告発する内容のメールを発見する。
    玲子の死に不審を抱いた俊介は厚生労働省を巻き込み真相を探ることに。
    そしてたどり着いた、島根と広島の県境にある雪深い村・変若水(をちみづ)村。
    そこはある一族の絶大なる支配のもとに、誰も見てはならないとされる雛祭りが行われる奇妙な村だった。

    第3回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞優秀作受賞作品、これでラスト。
    ほんと第3回は豊作だったんですね~。4作も出版されるなんて。
    そして、この作品がこれまでの福ミスの中で一番の好みでした。

    横溝作品を彷彿とさせる古い因習の残る村の様子。
    カルい俊介と元カノで上司の霧島美咲のやりとりも楽しい、捜査・推理の様子。
    これらが交互に展開され、一体どう繋がってくるのかとわくわくしながら読みました。
    そしてふたつが繋がった後の、真相の波状攻撃。
    ああ、好きだ。

    というかまず、プロローグでノックアウトされましたから。
    この鬼婆ぁっぷりは・・・。
    間違いなくこれまで読んだ鬼婆のなかでもトップクラスの糞婆。
    そんでもって、この装丁に決めた方に逆の意味で拍手だわ。

    殺人方法も驚き。
    御大が選評でベタ褒めしてたのが納得でした。
    これだけの知識なので医療関係者だと思っていましたが、著者紹介の欄を見てこれまた驚き。
    ・・・一本釣りの漁師さん!?
    異色の経歴にもやられました。
    とにかく、次回作を心待ちにいたしております。早いとこお願いしますね。

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変若水の作品紹介

厚生労働省に勤務する向井俊介は、幼馴染の女医が突然死した真相を追及するうち、ある病院を告発する文書の存在を掴み、島根と広島の県境にある雪深い村にたどり着く。そこは変若水村。ある一族の絶大なる支配のもとに、誰も見てはならないとされる雛祭りが行われる奇妙な村だった。相次ぐ突然死と、変若水村で過去におこった猟奇事件の謎に向井が迫る-。島田荘司選第3回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞優秀作。

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