変若水

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (417ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334927844

感想・レビュー・書評

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  • 第三回福山ミステリー優秀作。
    これだけの長編を一気に読ませてしまう作者の筆力は只者ではない。これが本当に新人の作品なのかと思ったほどだ。何よりもプロローグが見事で、瞬く間に物語世界に引き込まれてしまった。
    奇病難病。そして医療の専門知識だけでなく、巷に流布するおどろおどろしい話を盛り込んだ展開も秀逸。
    次回作も期待したい!

  • 一気読みした。

  • 成り行きで厚生労働省に入った向井俊介はもちろん出世には興味なく、定時であがることを常としている。
    しかし幼馴染の女医・佐山玲子が通勤途中に突然死してしまい、玲子のPCからある病院を告発する内容のメールを発見する。
    玲子の死に不審を抱いた俊介は厚生労働省を巻き込み真相を探ることに。
    そしてたどり着いた、島根と広島の県境にある雪深い村・変若水(をちみづ)村。
    そこはある一族の絶大なる支配のもとに、誰も見てはならないとされる雛祭りが行われる奇妙な村だった。

    第3回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞優秀作受賞作品、これでラスト。
    ほんと第3回は豊作だったんですね~。4作も出版されるなんて。
    そして、この作品がこれまでの福ミスの中で一番の好みでした。

    横溝作品を彷彿とさせる古い因習の残る村の様子。
    カルい俊介と元カノで上司の霧島美咲のやりとりも楽しい、捜査・推理の様子。
    これらが交互に展開され、一体どう繋がってくるのかとわくわくしながら読みました。
    そしてふたつが繋がった後の、真相の波状攻撃。
    ああ、好きだ。

    というかまず、プロローグでノックアウトされましたから。
    この鬼婆ぁっぷりは・・・。
    間違いなくこれまで読んだ鬼婆のなかでもトップクラスの糞婆。
    そんでもって、この装丁に決めた方に逆の意味で拍手だわ。

    殺人方法も驚き。
    御大が選評でベタ褒めしてたのが納得でした。
    これだけの知識なので医療関係者だと思っていましたが、著者紹介の欄を見てこれまた驚き。
    ・・・一本釣りの漁師さん!?
    異色の経歴にもやられました。
    とにかく、次回作を心待ちにいたしております。早いとこお願いしますね。

著者プロフィール

佐賀県生まれ。島根県在住。2011年『変若水(をちみづ)』(光文社)島田荘司選第3回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞優秀作に選ばれデビュー。主な著作に『凶血公安調査官 霧坂美紅』(KADOKAWA)『凶眼の魔女』(実業之日本社)『化身の哭く森』(講談社)『背律』(原書房)『堕天使の秤』(光文社)『四面の阿修羅』(南雲堂)

「2023年 『龍のはらわた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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