変若水

著者 :
  • 光文社
3.45
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本棚登録 : 129
感想 : 35
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  • Amazon.co.jp ・本 (417ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334927844

作品紹介・あらすじ

厚生労働省に勤務する向井俊介は、幼馴染の女医が突然死した真相を追及するうち、ある病院を告発する文書の存在を掴み、島根と広島の県境にある雪深い村にたどり着く。そこは変若水村。ある一族の絶大なる支配のもとに、誰も見てはならないとされる雛祭りが行われる奇妙な村だった。相次ぐ突然死と、変若水村で過去におこった猟奇事件の謎に向井が迫る-。島田荘司選第3回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞優秀作。

感想・レビュー・書評

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  • 因習村ミステリ×医療ミステリ。
    その割には端麗な印象を残す小説だった。

  • 決して覗いてはならない儀式。小さな山村で岩蔵一族の掟は絶対。だけど富一はひとり儀式を覗きに行き… それから64年。

    向井俊介は、突然死した幼馴染のPCにウィルスメールが送られていた事を知る。幼馴染の死に疑いを持った向井はウィルスメールを送ってきた相手を突き止めるがその友達も突然死していた!ふたりのメールからある病院の告発文章を見つけた向井はどんどん事件に深入りしていく。そしてたどり着いた先はあの雪深い村、岩蔵一族がはびこる変若水村だった。

    決して覗くなと言われたら覗きたくなる気持ちはわかる。あ〜見つかるのかな、どうなるのかな、儀式とはどんなものかなとドキドキハラハラ。
    64年が経ち、富一と向井がふたりで儀式を覗こうとするのが面白い。懲りない人たちだ。

    おどろおどろしい村の雰囲気は好きだし、64年前と現在の人物が交わるのも面白い、向井と富一の関係もいい、事件もよく考えられていると思う。だけど、とにかく長い。もう少し色々削ってスマートにした方いいような。

    主人公の性格がちょっと好きになれなかった。キャバクラ好きな設定とかいるのだろうか。それに厚労省というのをひけらかしたり、仕事を楽と言ったりするのはどうなのだろう。
    だけどデビュー作でここまで書けるのはすごいと思う。機会があったらまた読んでみたい作家さんだ。

  • 読書友達のIさんが
    「この本、好きそう…」とすすめてくれた本

    やる気ナシナシの厚労省職員向井俊介。
    幼なじみ・玲子が通勤途中、目の前で突然死んだ。
    突然死と診断されるが、玲子のパソコンの中身がウィルスメールに感染されたことがきっかけで俊介は玲子がある事件に巻き込まれていることを知り…。

    プロローグの文章から、私の好きなオカルト系か!?
    タイトルから、水が呪われてるのか?
    と思い読み進むと…
    殺人事件だったわ…。

    作家の吉田恭教さん、医療の知識すごいな~
    などと感心しつつ
    古い慣習の人肉食事件だったらドキドキしたんだけどな~。

  • 著者初読み。
    ブログで紹介されていて、気になって読んでみた医療ミステリー。
    「変若水」と言うタイトルと、プロローグからちょっとオカルト的な内容かと思いきや、仕事やる気ゼロの厚労省職員が謎を解いていくと言う専門用語も多い医療ミステリー。
    主人公・俊介の性格が軽く、女性の容姿に拘った描き方や、重い話なのに重みが感じられないなど、結構突っ込みどころも満載。内容と登場人物のアンバランスさが500ページ近くある大作なのに、さらっと読める利点もある。
    事件の真相は俊介より先に分かってしまうけれど、これがデビュー作で、しかもシリーズが続くとなれば、今後の挽回に期待したい作品。
    でも、この人の本、なかなか置いてあるところがない…それが一番の難点…

  • 評価は4.

    内容(BOOKデーターベース)
    厚生労働省に勤務する向井俊介は、幼馴染の女医が突然死した真相を追及するうち、ある病院を告発する文書の存在を掴み、島根と広島の県境にある雪深い村にたどり着く。そこは変若水村。ある一族の絶大なる支配のもとに、誰も見てはならないとされる雛祭りが行われる奇妙な村だった。相次ぐ突然死と、変若水村で過去におこった猟奇事件の謎に向井が迫る―。島田荘司選第3回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞優秀作。

    小説に出てくる厚労省職員はほぼ悪役?こちらは少しボケッとした主役。ミステリーとしては軽く、人の偶然も重なりすぎで少し話を広げすぎか?しかし、シリーズ物らしいのでまずはまぁまぁ。

  • 第3回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞優秀作 
    著者ご本人から、Twitterでフォローされ、教えていただく♪
    おもしろかったです~!かなり読みでがありましたが、一気読み!
    医療ミステリーちっく、だけどそれだけじゃなくて・・・現実感はあまりありませんが、医療知識もすごいし、存分に楽しませていただきました!
    次回作にも、もちろん期待大です!!

    いやー、知念実希人さんの 『誰がための刃 レゾンデートル』も面白かったし、深木章子さんの『鬼畜の家』もだったのか~!
    これは他の作品も、そのうち読んでみなくちゃですね~!!!

  • もっとおどろおどろしい話かと思ったが、現実的な部分も多々あり、読み応えがあった。

  • このようなミステリーものは 堅苦しい文章が多いが 女性も出てくるのもあり 読みやすい

  •  デビュー作なんで、文字が多くてすっきりしない話です。

     不老不死の為に人肉を食べていたのかと思っちゃいました。全く違った。

     おどろおどろしいタイトルですが、普通のミステリーですね。シリーズになってるので、話がこなれていくのを期待します。でも、この主人公はなんか好きになれない。

  • 7月-4。3.5点。
    厚労省職員の主人公。幼馴染みの女性医師が突然死亡。
    悲しみの中、他殺ではないかと疑いが。同時期に幼馴染みの友人医師も死亡。調べていくうちに、田舎の村の存在が。

    恐ろしい母娘、一族。デビュー作だが、なかなかの作品。
    次作にも期待。

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著者プロフィール

佐賀県生まれ。島根県在住。2011年『変若水(をちみづ)』(光文社)島田荘司選第3回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞優秀作に選ばれデビュー。主な著作に『凶血公安調査官 霧坂美紅』(KADOKAWA)『凶眼の魔女』(実業之日本社)『化身の哭く森』(講談社)『背律』(原書房)『堕天使の秤』(光文社)『四面の阿修羅』(南雲堂)

「2023年 『龍のはらわた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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