スイングアウト・ブラザース

著者 :
  • 光文社
3.06
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本棚登録 : 519
感想 : 120
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334928001

作品紹介・あらすじ

ほぼ同時に彼女に振られて失意のどん底にある三人は、大学時代の同級生。あこがれていた先輩・河島美紗子と再会し、彼女がはじめた男性向けエステの第一期特待生になった。見た目だけでなく内面も磨き上げ、目指すはずばり、モテ男。空振り三人組は美紗子が揃えた腕利き講師たちが用意する課題の数々をクリアし、見事モテ男になれるのか。

感想・レビュー・書評

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  • あっという間に読了。
    最近の本の中で一番さらさら読めました。

    石田衣良さんの本には
    シューカツ、コンカツ?がありますが
    それに並ぶような、友だち同士目標に向けて頑張ろう!
    みたいなストーリー。
    こちらは冴えない独身男子がいい男を目指すと言った内容。

    行動を起こさせてくれるような本は好きなので
    この本のエステに通おう、ナンパをしてみよう、いい服を新調しよう、本屋に通ってみよう、といった指示と行動の内容が好みでした!!!

    私もこれをきっかけに
    より自分磨きに勤しもうと思いました。
    あとお金を惜しんでちゃだめだな!とも思いました。
    そして私もこんなキラキラな人たちに指導されてみたい笑


    男性の方が自分磨きをしないとか、
    日本人の未婚率が年々高くなっているとか、
    ほんとそうだよなあと考えさせられる社会?問題も多くて面白かったです。

  • 30代男3人組が彼女をつくるべく頑張るストーリー。
    高校生がそのまま大きくなったような感じ。笑える箇所もちりばめられています。
    モテナイ男という感じですが、案外、世の男性はこんな感じのなのかな。
    モテモテ男なんて、そうそういるわけじゃない。自分に自信がある男もそうそういないと思う。
    案外、この3人は一般的かもしれない。
    女だって同様。
    人間てだから面白いのかもしれない。

  • 同じ時期に彼女に振られた30代の男3人。男性向けエステの第一期特待生になった彼らはそこで外見に気を使うこと、それでいてファッションに気を使いすぎないこと、相手の気持ちを理解することなどを学んでいきます。
    男同士の漫才のような掛け合いが面白い。3人ともタイプは違うけれど、それぞれに好感が持てます。

  • こうやって頑張る男性は好ましく思う。
    私も頑張ろっと。

  • 男性向けエステの腕利き講師たちによって、身体と心をグリグリと鍛え上げられる仲良し地味男三人組!。そそんな彼らが段々気づいていくこととは??
    ある意味、女性目線で溜飲が下がる^_^;お話と言えるかも、でございました。

    ほぼ同時に彼女に手ひどく振られてしまった、大学同期の三人組男性たち。
    気はいい人たちみたいだし、この不景気の時代に、ゲーム会社のブログラマー、信用金庫の顧客係、清涼飲料水メーカーの営業職、と正職にも就いている。
    そして、何より三人の気の置けない仲の良さが楽しそうだなぁ、彼らのお気に入りの焼鳥屋さんも美味しそうだなぁ、と思えたのですが・・・。


    彼らの学生時代の憧れの先輩・美紗子姫が外見を磨くだけではなく、知性と教養に、女性への接し方まで学べる男性向けエステサロンの開業準備中、ということで、三人を特待生に。
    そこで学ぶあれこれが、これまでの男性の常識(=それが女性の常識でもあったところがポイントだと思うのですが)を覆すもので、うん、そっか、そうだよね、と軽いタッチながら、面白く読みました。

    美紗子曰く、
    「女性はいつも誰かに美しさを比べられて、魅力や欠点を探される・・」

    うん、そう言われてみれば、確かに私も、一応は無意識に外見に気を配って、自分にあった服を選んだり、お化粧したり、お肌のお手入れをしたりだなぁ。特に若いころ、というか、10代のころなんて、自分の外見のことだけでどんなに悲しい思いをしたか、なんて思い出したりね。

    男はそんな戦場(*^_^*)には足を踏み入れず、ただ、外野として女性の外見を見比べていればいい、っていうのはどうよ?という方向になってくると、うん、そうかも・・と。
    そして、マッサージによって気持ちよくなる過程において、セックスの際の女性の気持ちを慮る、なんて講義まであったり、女性との会話とかきっかけとかの講義もユニークなもので面白かった。(*^_^*)


    三人組がそれぞれ、好感を持てる男たちではあっただけに、その後のエステ体験で、そうだよね、ここは確かにまずかったと思うよ、と読者として知らされ、そして、段々に気持ちの根本&スキルとしていいものを身につけていく過程は、大人の「成長物語」として楽しめました。

  • 時事ネタ、キーワードなどを取り込んで物語に仕上げることが非常に巧みであると感じてます。このときは、きっとMen'sエステがそのキーワードだったのでしょう。TOPICとNEWSを巧みに取り入れるI.W.G.P.が軽妙な中小編の連なりであるのと同じように軽妙にMen'sエステが語られます。それをうまくまぶしてお話は軽妙に進みます。自分磨きがとか説教臭くもなく、とは言え、その時では先端的なキーワードを一般に落とし込まれており、時代背景とともにふむふむと味わえました。クルーズ船のお見合いってありましたね。

  • テンポのいい展開はさすが。とは言えなかなかページが進まなかったのは、ストーリー自体が好みじゃなかったからかな。特にナンパトレーニングの部分では即打ちという表現に対して一人くらい嫌悪感持つ人物がいてくれたら感情移入できたのかも。

  • 婚活・恋活、女性目線のものは多いけど、男性目線のものは初めて。
    世の男性たちに是非読んでもらいたい。
    女性にとっても参考になると思う。

  • 「ほんと、最近、カクサカクサと騒ぎすぎなんだよな。いったい日本にいつ平等な時代があったっていうんだよ。金でも恋でも仕事でも」 (P58)
    「だからいったでしょう。教養には完成なんてないって。でも、そこに至る方法はある。今日みたいに五千円もって、月に二回書店をのぞく。それを二年三年と続けたら、自然にそれなりに教養のある人になるの。それも今回みたいにすこし背伸びして、女の子に見せてはずかしくない、教養が身につきそうな本を、無理して選び続けていけばね」 (P119)

  •  30過ぎの大学時代の腐れ縁3人組が、同時に彼女に振られるが、
    サークルの先輩の経営するエステで「素敵な男性養成講座」一期生と
    していろいろな訓練を受ける。
     マッサージ、書店での本購買、服を買う練習、ナンパの練習、
    初対面女性との一対一の会話、等。
     背伸びをしない、相手に共感する、自分に自信を持つ、そんな事が
    重要だという雰囲気。
    魚崎さんの告別式参列で富山への往復の電車内で読む。

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。成蹊大学卒業。代理店勤務、フリーのコピーライターなどを経て97年「池袋ウエストゲートパーク」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。2003年『4TEEN フォーティーン』で直木賞、06年『眠れぬ真珠』で島清恋愛文学賞、13年 『北斗 ある殺人者の回心』で中央公論文芸賞を受賞。他著書多数。

「2022年 『心心 東京の星、上海の月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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