東雲(しののめ)の途(みち)

  • 352人登録
  • 3.84評価
    • (29)
    • (76)
    • (43)
    • (5)
    • (0)
  • 68レビュー
  • 光文社 (2012年2月18日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334928049

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

東雲(しののめ)の途(みち)の感想・レビュー・書評

  •  全体を通して、これまでと違いとても爽やかな感触で、起こる事件や旅先での様子もとてもスムーズに進みます。読み応えが少なくて、全体に物足りないという印象でした。

     遠野屋清之介が主人公のシリーズなので、これで終わりではないかと思いながら読んでいたけど、清之介の最後の言葉に思わず小躍り。
     そう、この作で終わったら心残りばかりです、進次郎の戦も是非みたいよね。やはり次作は、進次郎が中心の話になりそう。。。。とは言っても、本当に次作があれば、ですが。

  • L 弥勒の月シリーズ4

    最初シリーズ一作目から同心木暮信次郎を中心とした話と思い読み進めると足元救われるので注意。三作目まで結果的に遠野屋清之介の清弥名時代の己の過去、しがらみに関わる話で、この作品は同心木暮信次郎の推理云々ではなく遠野屋がいかに過去から脱却するかがメインということに重きを置いて読み進めないと四作目で足元掬われる。信次郎はただの脇。いかに殺人マシンの清弥が敏腕商人に生まれ変わるのか、の話。
    それにしても生国に入ってからの遠野屋、あまりにとんとん拍子で拍子抜け。いままで散々遠野屋をいたぶっておきながらそんなことでチャラにするのとはいささか急ぎすぎた感もあり。

    信次郎と信次郎の手下伊佐次、遠野屋の絶妙なやり取りが秀逸なだけにここでシリーズを終えるのは惜しい。弥勒の月シリーズではなく新たなシリーズモノとしてスタートしてほしいところ。

  • 信次郎と清之介のシリーズ第4弾です。
    今回は、清之介が故郷に向かいます。
    刀を捨てた清之介が、捨てたままで生きられるのか…。

    因縁の二人ですが、親分・伊佐治が上手く二人を繋げてくれます。
    柔らかい物腰、きっぱりと信次郎を諌める親分が頼もしいです。

    明け方の空の色、まさに刻々と変わる空の描写や故郷の風景に使っている言葉の数々がとっても素敵でした。

  • 大好きな「弥勒」シリーズの四作目。ここにきて大きく話が動いて驚きの展開が。


    同心木暮信次郎、商人遠野屋清之介、そして2人の間で煩悶する伊佐治親分。

    これまでに見たこともない人間的歪み、というか、親分曰く「欠落」を抱える同心・木暮。彼の、人の心を逆なでする言動の奥には深い闇があり、その彼を描写するあさのさんの筆の今回も冴えること!

    また、優れた商人として穏やかな佇まいを見せる遠野屋も、奥知れぬ闇を背景にし、この2人が巡り合ってしまったのは偶然なのか、お互いに求め合ってのことなのか。

    今作では、親分の目線から物語が語られることが多く、不穏な2人だけではなく、真っ当な好人物に見えた親分がこの負の2人になぜ惹かれるのか、伊佐治自身の驚きは読者の驚きでもあったから、とても面白く読んだ。
    そして、ごくごく当たり前の生活を送りたいと願う伊佐治のおかみさん・おふじから見た親分の日々。うん、そうだよねと、日常の中でふっと感じる陰の部分の怖ろしさの予感がぞくっとした冷たさで感じられた。

    伊佐治の息子の嫁・おけいが言う、「遠野屋の旦那と木暮様は、根っこのところが同じじゃないか」という指摘を聞いた時のおふじの動揺を示すページがとてもいい。

    引用すると・・・

     なぜか喉がひりつくほどに渇く。
     水瓶か柄杓で一杯、水をすくう。(中略)その貴重な水を柄杓から喉にじかに流し込んだ。
     渇きはいささかも癒されない。
     「聞かせてごらんよ」
     はすっぱな娘さながらに、手の甲で口元を拭い、おけいを促す。

    ほんの脇役であるはずのおけいやおふじの向日的な面が急に闇に対峙してしまう怖ろしさ。
    あさのさん、上手いよ~~~!

    また、
    「うちの旦那だけは何もかも掴み所がござんせんよ。」
    「確かに底の深いお方ではありますね。」
    「深いんじゃなくて、曲がってんですよ」
    なんていう、伊佐治と遠野屋の軽口めいた会話も、それまでの重いあれこれがあるだけに妙に心に沁みたりして。


    ただ、後半、遠野屋と伊佐治が旅に出るため、木暮との絡みがなくなってしまうのが残念だった。3人がいるからこそお互いの化学反応で進む探索があるわけで、それがそのまま人間を描いてもいたのだから。

    そっか、そうだったのか、という全てが明らかにされた遠野屋清之介の生い立ち。
    彼の殺陣の場面はこれも今まで読んだことのないような独特な怖ろしさ、面白さなのだけど、
    弥勒シリーズはこれで終わりなのだろうか。

    木暮がそれでは置き去りではないか・・・と、あの歪みと欠落の甚だしい男のことを私は好きだったんだなぁ、と気づいたという。

    これは、シリーズの最初から読まないといけません。
    このドキドキはそうじゃないと治まらないと思うから。

  • 弥勒シリーズ4作目。遠野屋の過去の自分と向合う姿勢にこのシリーズの新しい展開を見た。紅花を商うことで大店にのし上がっていくのも楽しみ。信次郎もこれから変わるのだろうか?このままの小暮信次郎でいてほしいのだが。

  • 新作待ってました!
    出だしからピリピリ緊張した空気漂ってて、これだよ!!って興奮してたんだけど意外とあっさり終わっちゃった。
    でも信次郎は相変わらずだったので満足。
    次はいつかしら?

  • 旅立ってからラストまでちょっと慌ただしかったかな

  • 弥勒シリーズ4弾。瑠璃を持った若侍が殺された。それが遠野屋清之介へと繋がっていく。過去を断ち切り、商人として生きていく為にその事件を会見することになる。
    清之介の過去を信次郎と伊佐治も知ることとなる今作。清之介の商人として生きる覚悟がかっこいい。

  • 弥勒シリーズ四冊目。
    底知れぬ過去を秘めていた小間物問屋遠野屋清之介、相変わらずドSっぽい同心の木暮信次郎、人の好い老練な岡っ引の伊佐治。
    水死体はご禁制の瑠璃を体内に隠し持っていて、更にその遺体の出所が清之介の故郷だと知れたところから物語は始まります。
    清之介が清之介となる前の過去は重く、ここで思い切って清算しなければならない状況に。ようやく全てを告白した清之介の過去に常に面白さを求める信次郎は笑い、人のいい伊佐治はその過去の重さに酔いつぶれるほど。
    清之介、伊佐治と二人で清之介の故郷へ旅をして瑠璃の謎に立ち向かったのですが、ここで江戸を離れることのできない信次郎の登場が減り、物足りないことに気が付いたのでした。やはり三人そろってのバランスかなと思いました。

  • 生国の藩の政にまで首を突っ込んでしまった清之介。
    随分と話が広がってしまう事…

  • 『弥勒』シリーズ第4弾。斬殺された死体の腹から、貴重な瑠璃の原鉱が見つかった。日本で産出されるはずのない瑠璃は、遠野屋清之介の生国から運ばれてきたらしい。遠野屋の過去が秘められた西国へ、遠野屋と伊佐次は旅に出る。

  • 【弥勒シリーズ4作目】静かに物語が進んでいく様子がとても面白かった。このシリーズは毎回違う雰囲気で書かれていて本当に面白い。今後どうなっていくのか楽しみ。

  • 「弥勒の月」「夜叉桜」「木練柿」に続くシリーズ第4弾!それを知らずにこの小説から読み始めてしまった。
    後悔。
     
    小間物問屋遠野屋清之介、同心木暮信次郎、そして、梅屋の主人であり、岡っ引きの伊佐治が織り成す生きる喜び、苦しみ、楽しみ、哀しみを描いたこのシリーズはとても引き込まれるものがあった。

    各キャラクターの立ち位置がしっかりとしており、心に闇を抱えるが超人的な強さを誇る冷静沈着な清之介、人に有らざるような雰囲気と物事を見透かす力を持つ信次郎、平凡でありながら、物事に真摯に向き合い、温かい人柄で愛される伊佐冶、いずれも素晴らしい活躍を見せ、それがこの小説を飽きないものにしていると感じた。

  • 弥勒シリーズ4作目。
    遠野屋清之介が、同心木暮信次郎と岡っ引きの伊佐治に、「腹を据えて」過去をカミングアウト。
    信次郎は「15ね。ふふ、粋な元服の儀じゃねえか。さすがだな」と笑い、親分は酔いつぶれるまで飲まずにはいられなくなる。2人の人柄が出ていて、たまらない!

    逃げるのではなく、決別するために生国へ向かう清之介(と、なぜか親分も同行)
    剣ではなく、商人の知恵と交渉術と(財力と)で、問題を解決するストーリーが素晴らしかった。
    清之介を引き込もうとする暗殺集団にすら、生きる道を示す展開。ほれぼれしました。
    人間、居場所と仕事があれば、まっとうに生きていけるんだと感じました。

  • 江戸の橋に男の水死体が引っかかって発見された。
    町人風のいで立ちながら実は侍であろうと推測した頭脳明晰な同心、信次郎。遺体は腹の中に布袋を隠し持っており、その中には瑠璃が入っていた。
    この瑠璃が意味するものはなんなのか?

    己の過去と向き合うために、二度と戻るつもりのなかった生国に帰ることにした元暗殺者の顔をもつ小間物問屋主人の遠野屋。信次郎に仕える老獪な岡っ引きの伊佐治は遠野屋の旅の連れとなり、西国の藩が抱える問題へと向き合う。
    弥勒シリーズの四作目だが、一作目の「弥勒の月」からまさかこんなに物語が膨らむとは思いもしなかった。

    遠野屋主人が商人としての生を全うできるのか、伊佐治ではないけれど目が離せず、このシリーズの続きが気になる。

  • 安心して読める。あぁー面白かった。

  • 小間物問屋遠野屋清之介、同心木暮信次郎、そして、二人が引き寄せる事件を「人っていうのはおもしれえ」と眺める岡っ引きの伊佐治。突出した個性を持つ三人が織りなす江戸の巷の闇の物語。川から引き揚げられた侍の屍体には謎の瑠璃石が隠されていた。江戸で起きた無残な事件が清之介をかつて捨てた故郷へと誘う。

  • 遠野屋さんのターン。
    うむうむ、商人として故郷を支えるというのは、そういうことだねえ。

  • 同心木暮信次郎と商人遠野屋清之介の弥勒シリーズ第4作
    身元不明の遺体から木暮信次郎が探り出した瑠璃の原鉱を持って、遠野屋清之介が生国へ旅立つ。
    瑠璃の原鉱は果たして存在するのか?というのが物語のテーマ
    このシリーズの見所のひとつは木暮信次郎そのものの描写
    それがちょっと少ないのは残念
    その分、影の濃い遠野屋清之介の行動がうまく埋め合わせてくれるが
    最後まで面白く読めた

    書き出しの緊張感あふれる描写がいい
    この物語のすべてを予感させる
    作者の実力は半端ではない、とあらためて思う

  • 前作を読んで随分たっていたが総集編みたいにこれまでの話をからめた内容ですごく読みやすかった。後半少し物足りなさも。

  • 面白かった~。故郷に帰ってからの展開を期待していたけど、案外あっけなく終わったのが、少し残念。久しぶりに残りのページ数が少なくなるのが、寂しく思えた作品でした。

  • 思わせ振りなおふじさんだったから、てっきり伊佐治さんが死んじゃうのかと…。

    段々と信次郎がかわいくみえてくる。不思議。

  • 読みやすい

    以前からの問題が解決するのかな〜と思ってたら
    肩すかしだった

    むしろ、進次郎の謎が深まる方向だなぁ
    遠野屋視点が多いせいか
    遠野屋が達観してきたなぁと

  • 弥勒シリーズ、これで完結かな。

    もう心に闇を抱えていない遠野屋は、あまり面白くないだろうから、続編は出ないんだろうな。

全68件中 1 - 25件を表示

東雲(しののめ)の途(みち)に関連する談話室の質問

東雲(しののめ)の途(みち)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

東雲(しののめ)の途(みち)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

東雲(しののめ)の途(みち)を本棚に「積読」で登録しているひと

東雲(しののめ)の途(みち)の作品紹介

「断ち切れ、断ち切れ、過去の一切を断ち切って生きろ」宿命に抗う男たちの悲痛な叫び。同心木暮信次郎、商人遠野屋清之介。屍体に隠された瑠璃石が、因縁の男二人を突き動かす!あさのあつこが放つ時代小説に目眩がする。

東雲(しののめ)の途(みち)の文庫

ツイートする