晦日の月 六尺文治捕物控

著者 :
  • 光文社
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334928148

作品紹介・あらすじ

名うての十手持ちだった父親は、大悪党を追って行方しれず。父・辰三親分の留守をまもる文治が、お加代には頼りなくって仕方がない。母親とともに一膳飯屋を守り立てながら、ついつい、御用の向きにも、父親の行方捜しにも口を出す。ところが、どちらも一筋縄ではいきそうにない…。親分の留守は、知恵者の看板娘がまもる。その看板娘は、巨漢の子分がまもる。人情の擦れ違いで起こった哀しい事件が、若い二人を大人にしてゆく。時代小説注目の新鋭が情感豊かに描く、傑作捕物帖。

感想・レビュー・書評

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  • 江戸一番とうたわれた御用聞き〈先手の辰三〉が、行方知れずに。子分の文治は、なんとかその代わりを務めようと、奮闘する。
    偉大な親分と比べられ、ちっとも期待されてない文治。最初は哀愁漂うものの、懸命な姿、人情味のある対応が好ましい。成長も感じられる。
    思い込みや袖の下で動く、他の親分に比べても、清々しい。
    相棒になるはずのお加代は、好きになれない。浅はかなのに、口と態度が悪く、ときにはいらっとくることも。
    辰三親分の件があいまいなのも、すっきりせずもやもや。シリーズっぽい終わり方だったので、のちのち明らかにしていく構成なのかもしれませんが。

  • 堀江町の辰三親分は、評判の岡っ引きだったが、すでに半年行方不明になっている。
    男だったらきっと岡っ引きになっていたであろう一人娘の、お加代葉チャキチャキの江戸っ子。母親のお仙は、美貌の一膳飯屋。

    親分が帰ってくるまでは、、、と、辰三に拾われ育てられた捨て子の文治は、六尺もある大きな体に似合わず、気が弱い。

    そんな文治に力を貸して、次々と事件を解決する。

    そんな折、遠く品川で辰三を見たという人が。。。

  • 行方不明の親分のかわりに岡っ引きを務める文治。

    面白いんだけど、ヒロインが「気が強い」というよりわがままに見えて、若干いらっとくる…。

  • えっ、これで終りなの??
    とゆー未消化感あり、な最終話。
    結局、この人だれ?
    とーちゃんの姿がちらっとでただけで、ひっじょーになんじゃそりゃ、な感じ。

    本編は、意外と人の情が重い。
    特に、幼なじみ三人のすれ違いっぷりは半端なかった。
    捕物帳、というよりは、時代もの、とゆー印象。

    まあ、結局は文治と加代ちゃんがいっしょになるんだろう。

  • 今一つ捕物帖としてはあっさり。

    一巻完結して欲しかったかな…

  • 江戸を舞台にした捕り物小説。主人公の文治は六尺を超える大男で、行方不明の「千手の辰三」親分の縄張りを守っている。辰三の女房お仙は、一膳飯屋「たつみ」の女将、一人娘のお加代が店を手伝っている。
    短編6話から構成された江戸人情物捕り物控。文治とお加代の掛け合いも面白く、楽しく読み進めることができる上質な時代小説。初めて読んだ作者の小説だが、将来が楽しみな作家のひとり。

  • 世話になった親分の跡を頼みこんで継ぐ、六尺文治。連作短編集。
    捕物話としては物足りない。お加代の周りも悲惨になって驚き…。しかも完結してないとか…。

  • L 六尺文治捕物控

    岡っ引きの娘、お加代がメインだったら途中で読むのをやめていたに違いない、ほどおキャンすぎ。もっとこうしっとり感があっても。途中から手下だった文治が引っ張り始めてやっと面白くなった。あ!この話は六尺文治捕物控じゃないか!メインは文治だったか…影うすいけど。
    最後の章、文治もお加代もほぼ出てこない、あの人とあの人の絡み…と憶測させてオシマイ。シリーズ化狙いなのね。だとしたら早く出して欲しいところ。

    宇江佐作品の捕物と比べるとなにかが物足りないような…。

  • 名うての十手持ちだった父親は、大悪党を追って行方しれず。父・辰三親分の留守をまもる文治が、お加代には頼りなくって仕方がない。母親とともに一膳飯屋を守り立てながら、ついつい、御用の向きにも、父親の行方捜しにも口を出す。ところが、どちらも一筋縄ではいきそうにない…。親分の留守は、知恵者の看板娘がまもる。その看板娘は、巨漢の子分がまもる。人情の擦れ違いで起こった哀しい事件が、若い二人を大人にしてゆく。時代小説注目の新鋭が情感豊かに描く、傑作捕物帖(「BOOK」データベースより)

    登場人物たちが生き生きと魅力的に描かれていて、彼らのやり取りを眺めているだけでも楽しいかもしれません。
    父親である十手持ちの行方を捜すことがメインなのですが、それに付随して起こる事件もなかなか読ませてくれますよ。
    どうやらシリーズ化しそうな感じですね。
    続きが楽しみな捕物帖シリーズが、一つ増えました♪

  • えっ!?
    完結しないの!!??

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著者プロフィール

早稲田大学教育学部(講談社文庫初期の傑作『古典落語』を編んだ興津要のゼミ)卒業。横浜在住。2007年、第2回小説NON短編時代小説賞で「寝姿指南」が最終候補になり、08年、「素見」で小説宝石新人賞を受賞。若き町医者を描いた初長編『刀圭』と、受賞作を含む短編集『ひやかし』が好評を集める。祥伝社文庫既刊に『江戸の茶碗』『酒が仇と思えども』。著書に「着物始末暦」「大江戸少女カゲキ団」シリーズ、『うき世櫛』『御徒の女』『神奈川宿 雷屋』などがある。

「2022年 『吉原と外』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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