婚外恋愛に似たもの

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著者 : 宮木あや子
  • 光文社 (2012年10月18日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334928520

婚外恋愛に似たものの感想・レビュー・書評

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  • タイトルの「婚外恋愛」、そして表紙の美しい女性から、てっきり不倫ものかと思い違いをしていた。よくよく表紙を見てみると、女性が持つうちわは「愛して」とどぎつい蛍光色の文字が入った…某アイドル事務所のコンサートでよく見かけるようなものではないか。
    「愛した人は、2.5次元」
    男性アイドルグループ「スノーホワイツ」にのめりこむ、35歳の5人の女性達を描いた連作短編集。激しさや滑稽さや哀しさを絡めながら、上流~中流~下流に属する5人の生き様が「疑似恋愛」を通して浮かび上がってくる。同じ35歳とはいえ、「スノーホワイツ」のファンという共通点がなければつながることもなかったであろう5人が交流を深めていく展開は、微妙にかみ合わない会話も含め、何だかんだ互いをけなし合いつつもほどよい距離感の関係性がよくって、こういう女の友情もいいなと思えた。
    のめりこむというほどではないけど、やはり自分も某事務所のアイドルに憧れながら生きてきたので、「疑似恋愛」に縋る気持ちが多少はわかる。子供がいてもいなくても、旦那がいてもいなくても、お金があってもなくても、それぞれの立場で七転八倒。今回もまた宮木さんらしく色んな意味で「容赦なく」って「ぶっ飛び」まくりだけど、そんな彼女の作風が大好きだ。根底に愛を感じるからね。
    あちこちにちりばめられた小ネタもツボで、「中流」奥さまの夫が脱サラして上梓した「火に油を注ぐ技術」「火のないところに煙を立たせたい人のための本」とか(笑)実在したら読んでみたいわ。

  •  明示されてはいないけど、いわゆるジャニオタ小説といっても過言ではないと思う。同じグループを応援する女5人の連作短編集。
     家柄や財力、ルックスに家族関係、全部人それぞれだけど、持つ者持たざる者みんながどこか満たされない思いを抱えている。そんな彼女たちを支えるアイドルの存在は大きいよなぁ。とはいえアイドルは決して性欲の対象ではなくデトックスであるということに大いに共感した。儘ならないことだらけの日常を一瞬でも忘れさせてくれる眩しいアイドルに夢中になりながら、日々と折り合いをつけて生きていこう、というか生きていくしかない彼女たちにリアリティーを感じる。
     あと、コンサート終わりの彼女たちの顔が度々「なんとなく白っぽくなった」と描写されていたのが上手いと思った。人の熱気と高揚感とでファンデーションがうっすら浮いて白くなるの、ものすごく分かる。

  • 作者はよく理解をしているジャニオタとよばれる人たちの心理を。
    と思ったのが、大きい。
    作中に登場する彼女たちのようにジャニーズを好きになると、社会が広がることはある。今はSNSなどがあるから尚のこと(実体験なので、よく分かる)。本当に今までだったら知り合えないタイプの人に会える。
    その観点をうまく女同士の値踏みに似た観察劇に変えているところが作者の凄いところだと思う。

  • 女にとってのアイドルはデトックス

    この言葉がとても印象的でした。
    私もあるアイドルのファンですが、この物語に人ごととは思えないくらいどっぷり共感してしまい、読み終わったあと静かに「マズイな。」とつぶやいてしまいました。

    好きなものは好き、それでいいとは思います。でも、現実と夢の境界線はしっかり見極めておかなければ、一生現実と真正面から向き合うことはできない気がしました。

    感想がマイナスなことばかりですが、ひとつ良かった点として、女の友情が晴れ晴れしく、ヲタクで繋がっていられる関係性の肯定が随所に散りばめられていたところをあげておきます。
    同じアイドルグループのファンでなければ出会うことのなかった友人が私にも大勢います。そういった奇跡の出会いはこれからも大切にしていきたいとおもいました。

  • ジャニーズ事務所がモデルの男性アイドル「スノーホワイツ」を追っかけている35歳ほぼ既婚女性5人のお話。

    正直、結婚できている時点で、結婚できていない人よりはマシなのでは、とおもった。

    わたしはいつも3番目の位置でいいから、みらきゅん担のおねえさんになりたい。もしくはチカちゃん担の血筋からすごいおねえさん。

  • これは、題材はアイドルに向けた愛情だとされてますが
    本当に描きたいものは違うと思います。

    アイドルを他の何かに置き換えても、成立するお話だからです。

    生活に余裕のある上から三人は、不満があってもその美しさや
    能力・お金で、まだ自分に夢を見せることができます。

    でも、あとのふたりは…いつかやっと維持している夢の繭までも
    破り、破壊されてしまうかもしれません。

    婚外恋愛なんてショッキングなタイトルをつけられているから
    何事かと思いますが、ここに出てくる女たちは、現実を生き抜くために
    命をかけて現実から遮断された世界を持っているだけです。

    実際に不倫を勧めてみたら、全員がおそらく拒否するでしょう。
    現実の自分に、更に足かせになるだけの、傷しか作らないと
    わかっているから。

    小説ではこのあとを描いていませんが、読者の現実は続きます。

    益子さんと片岡さん…生き抜いて欲しい。
    ひとりで生きるのは痛ましいこともあるし、いまさらもう遅いっていう
    こともいっぱいあるけど、彼女たちにはせめて、間に合って欲しい。

    自分の未来が怖くなりました。

  • 外見も収入も持っているものは全て違うアラサー女性5人の共通点は同じ男性アイドルグループのファンということ。
    アイドルに熱を出しててもかわいいですまされる10代じゃない。仕事や家族、生き方がそれぞれにあるなかで、アイドルにはまっているそれぞれの物語。欲しいものが全て手に入るわけではない。そのなかで何を諦め何を得るために動くのか。

  • 上から3番目の女、桜井 こどもがいない
    下から3番目の女、益子 不細工で馬鹿な息子あり
    常に一番、隅谷 経営者
    真ん中が定位置、山田 凡庸な容姿の娘あり。夫の稼ぎで優雅にくらす専業主婦
    常に底辺、片岡 BL小説家

    女性のヒエラルキーの中でそれぞれ違った位置にいる5人が、アイドルグループの大ファンという共通点で繋がる。

    アイドルにハマる様子や、コンサートのわくわくドキドキ、私も経験があるがものすごくうまく描写されていた。言葉で伝えるのが難しい、、とおもっていたがまさに書いてある表現がぴったり!

    ストレートだが、それゆえスカッとする笑
    女性の話ばかりだが、ネチネチした感じがないのが好印象。下ネタ要素も多々あるけれど、馬鹿馬鹿しくて笑える

    私は山田にちかいのかな〜、というか、そうであってほしいなー
    宮川さんはどんなひとなんだろう
    こんなに異なる立場の五人の心情をどれもうまくかけるなんて!
    山田と姑のやりとりは最高に気持ちよかった〜♡

  • 図書館で借りたもの。

    「ジャニーズ」ならぬ「ディセンバーズ」の「スノーホワイツ」という男性アイドルグループにハマった35歳の既婚女性たちの連作短編集。
    各章のタイトルは寒かったけど、内容は面白かった。
    ジャニヲタあるあるなのも多くて(笑)
    自分が好きなグループが人気になって、嬉しいけど寂しい気持ちとかね。
    「校閲ガール」もそうだったけど、言葉遣いが悪すぎるところが、ちょっと気になる。。

  • 何においても上から三番目の人生を送ってきた桜井。TV局に勤める夫への愛情も冷めた彼女は35にしてディセンバーズのデビュー前アイドルグループ「スノーホワイツ」神田みらいに夢中。二十歳でデキ婚、15のヤンキー息子をもつ益子は千葉から東京までパートに行くスーパーでコンサートの当選を受けた時、落選した桜井と出合い声をかけるー

    ◆常に一番だった隅谷雅、凡庸ながら商社勤めの夫が小説家になってた山田、デブでブスな腐女子片岡、そんな濃い面々がアイドル追っかけて繋がるのが面白いww

    アイドル追っかけも腐女子に偏見ないつもりだけど、理解はできても共感ができない。飲み仲間で、嵐追っかけてチケット取れれば北海道でも大阪でも行く姉さんと、韓流追っかけて韓国まで行く腐女子な友達がいるけど多分私はそんなに熱くなるほど好きなアイドルとかいないからなんだろうな-。でも、三番目の女「桜井」の、金も美貌もあるけど子供いないことを姑に言われる閉塞感、不良息子に手を焼く庶民益子の3人に対するクソセレブ発言、なんでも一番だけど自由には生きられないのを周りに理解されない雅、夫との価値観の相違に悩みつつ娘の苛めを心配しながらも強くなった娘に喜ぶ山田、あまりのコンプレックスにヒモみたいな夫にたかられてた片岡の一歩、なんか野良ルームでの凄い回収に拍手だよ-。なにしろ山田娘の姑へのナイスプレーがいい(笑)

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容姿も、仕事も、家族も、生い立ちも、社会における立ち位置もバラバラの5人の女。彼女らの共通項は、35歳。夫あり。そして男性アイドルユニット「スノーホワイツ」の熱狂的ファンであること。彼女たちの愛は、夫ではなくステージで輝く若く美しい「恋人」に遍く注がれる。哀れでも、歪んでいても、これはまぎれも無く、恋。だからこんなに愛おしい-。"最凶恋愛小説"。

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