大崎梢リクエスト! 本屋さんのアンソロジー

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (341ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334928650

感想・レビュー・書評

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  • 本屋縛りのアンソロジーいろいろ。

    ・面白かった編
    「ロバのサイン会」
    ロバ目線のお話。思わず唸る上手さがあるわけじゃない。むしろ普通ーの緩くて優しい話なんだけど、疲れ果てた山田ちゃんの辛さにウサウマくんの優しさが沁みる。作者の他作を探してみたら、まんま表題作で同じのあったので読んでみようと思う。

    ・面白くなかった編
    「ショップToショップ」
    キャラがぼんやりしたまま種明かしをされてもへぇそうなんですかーとしか思えずすまん。もしかしてスピンオフで元ネタが分かる人には面白かったのかもしれないが。しかし万引きってもう悪質窃盗とかに名称を変えて手を出す人間がいなくなるほどの重犯罪指定(逮捕は慎重に)すればいいのにとこういうの見てると思う。

    総評
    小規模チェーン店のサラリーマン書店員さん多め。その分親しみやすい、想像しやすい感あり。「暴れん坊本屋さん」みたいなゲラゲラ笑える話も欲しかったが、あれはマンガだから面白いのかもとも思う。しかし店員さんって客のことよく見てるな~、どの架を見てるかだけで頭の中が漏れてるのかもなーと思うとちょっと警戒してしまう気もする作りだった。

  • 元書店員で、働いていた店の経験をもとにした短編集でデビューした大崎梢氏のリクエスト“本屋さん(新刊書店)”。そのテーマに応え、9名の作者の作品がまとめられた本書。リクエストした本人の作品も楽しめます。

  • 本屋を舞台に繰り広げられる「ちょっと良い話」

    『本と謎の日々』有栖川有栖
    『国会図書館のボルト』坂木司
    『夫のお弁当箱に石をつめた奥さんの話』門井慶喜
    『モブ君』乾ルカ
    『ロバのサイン会』吉野万理子
    『彼女のいたカフェ』誉田哲也
    『ショップtoショップ』大崎梢
    『7冊で海を越えられる』似鳥鶏
    『なつかしいひと』宮下奈都
    『空の上、空の下』飛鳥井千砂

  • 好きな作家さんも読んでみたい作家さんもてんこ盛りのお得な本屋にまつわる短編集。昔書いたのの寄せ集めではないのでしっかり楽しめます。大好きな坂木司の作品が小学校図書館に微妙にダメラインだった。残念。毛とか乳とか言葉だけだけど。
    「本と謎の日々」有栖川有栖
    店長が名探偵の小話。大崎梢っぽくて、わざと?と思ってしまった。
    「国家図書館のボルト」坂木司
    ある特徴を持ったしょぼい本屋を愛する僕と同士たちが、その本屋を苦しめる悪に立ち向かう
    「夫のお弁当箱に石をつめた奥さんの話」門井慶喜
    タイトルNo.1!失言した旦那さんが奥さんからお弁当を使ってメッセージ受け取る本謎解き。
    「モブ君」乾ルカ
    ある本Aを愛する書店員と全く本を買わずに立ち読みするぱっとしない客モブ君と書店員の心の動き。
    「ロバのサイン会」吉野万理子
    バラエティーロケ番組で有名になったロバ目線の話。とある本屋イベントでの話と後日談。すごく面白かった。吉野万理子短編集とかで小学校高学年用に入れて出してほしい。
    「彼女のいたカフェ」誉田哲也
    主人公も女子で、本屋カフェに来る憧れのお客様への気持ちとその後
    「ショップ to ショップ」大崎梢
    いい感じの高校生男子二人が書店の謎を解く。普通に面白いけど、キャラクター的に読み切りではもったいないというか、読み切りなんだから、キャラよりお話際立たせて欲しかったかな。
    「7冊で海を越えられる」似鳥鶏
    本屋での謎解き。タイトルと内容がリンクしていて良い。ラブ要素もあって(店長の召使い、既にいるし)楽しかった。あ、この話も微妙に小学校ダメラインあり。ベッドきしむとか。
    「なつかしいひと」宮下奈都
    ほんわりと切なくなって、良かった。他のお話とテイスト違うところも良い。娘は最初に正体がなんとなくわかるのが嫌だと言っていたが、これはむしろそれにより序盤から、じわじわと悲しみが優しく広がるところが良い話だと思う。
    「空の上、空の下」飛鳥井千砂
    不本意にも空港の書店に配属された女の子の話。最初は普通に嫌な店員だったけど、もちろんそのままではなく、面白かった。このお話好きな人多そう。

  • 本好きとして共感できる部分、本に関する色んな事件やどの話も魅力が溢れる登場人物などが面白く続きがあったら読んでみたいと思えた。7冊で海を超えられる、国会図書館のボルトがお気に入り。

  • 読書好き、本好きならぜひ一度は読んでもらいたい。
    あー、わかるなぁと共感できる部分も多いし、本屋さんに行きたくなります!

    アンソロジーなのでそれぞれ作家さんの書いた短編が載っていますが、私は最終話の飛鳥井千砂さんの『空の上、空の下』がいちばん好きでした。
    あとは、最初の有栖川有栖さんの『本と謎の日々』も好きでした!

  • 本屋さんっていいなあ。図書委員は経験あるけど本屋さんで働いたことはないです。それが心残り。町の本屋さんもめっきり減ってしまってそれも寂しい。

  • 有栖川有栖『本と謎の日々』
    書店員の出会う日常のミステリー。

    坂木司『国会図書館のボルト』
    万引きする主婦集団、怖い。

    門井慶喜『夫のお弁当箱に石をつめた奥さんの話』
    書店員さんと会話する機会は殆どないけど、凄い人がたくさんいるんだなぁと思えた話。

    乾ルカ『モブ君』
    何故この設定?
    と思いながら読んだけど、やっぱりこの設定だからこその結末だと感じられた。
    悪くはない、かな。

    吉野真理子『ロバのサイン会』
    主人公がロバ。
    ほんわかと暖かい物語。

    誉田哲也『彼女のいたカフェ』
    あまり知らないけど、ある意味誉田哲也らしい作品なのだと思う。
    ・・・後書きによると、「彼女」らしい。
    姫川玲子が出てくるのが大崎梢が解説を書いた『ガール・ミーツ・ガール』?

    大崎梢『ショップtoショップ』
    謎解き。
    人生きっと退屈しないんだろうな。

    似鳥鶏『7冊で海を越えられる』
    これも謎解き。
    店長は品がないけどこういう暗号は嫌いじゃない。

    宮下奈津『なつかしいひと』
    中村さん、そうなんだろうと思ってたけど、やっぱりそうだった。
    心に染みる物語。

    飛鳥井千砂『空の上、空の下』
    やっぱり好きだなぁ。
    途中ハラハラしたけど、最後はほっこり。

    このシリーズは後書きまで含めて全部面白い。

  • 『願わくば、本と本屋さんが、いつまでも親しき友でありますように。』
    読書家としても知られる大崎梢が、今いちばん読みたいテーマを、いちばん読みたい作家たちに「お願い」して、夢のようなアンソロジーを作りました。ーーーーー



    『本屋』をテーマにしたアンソロジー。坂木司さんが好きなのでシリーズ買い。書店をテーマにしているので日常系ミステリになっていてサラッと読めた。それぞれも小気味良いテンポで終わるので、少しずつ読んでいくのも面白いと思う。
    『夫のお弁当箱に石をつめた奥さんの話』『ロバのサイン会』『ショップtoショップ』が面白かった。本屋がテーマでも物語を語るのは人(と動物)であるのが面白い。いや、『本屋さん』がテーマで、それはつまり書店員、ということだったのかな? 本屋さん、書店員さんのご苦労も伺える内容だった。ツイッターで有名な書店員さんのツイを拝見しているので尚のこと思う所もあった。万引き、ダメ、ゼッタイ。万引きというか窃盗罪なので、本当にやめてほしいと、イチ読書好きとしては思ってしまう。最近はネットで色々すませてしまいがちだけれど、またふらりと本屋に寄って行きたい。

  • 実は有栖川有栖の、学生・作家アリス作品以外の小説読むの初めて!日常ミステリだた!書店でのお勤めを経験されたこともあり、かなりリアリティが感じられた。
    他の作品もなかなか面白かった!

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著者プロフィール

大崎梢
東京都生まれ。書店勤務を経て、二〇〇六年『配達あかずきん』でデビュー。主な著書に『片耳うさぎ』『夏のくじら』『スノーフレーク』『プリティが多すぎる』『クローバー・レイン』『めぐりんと私。』『バスクル新宿』など。また編著書に『大崎梢リクエスト! 本屋さんのアンソロジー』がある。

「2022年 『ここだけのお金の使いかた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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