ハピネス

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著者 : 桐野夏生
  • 光文社 (2013年2月7日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334928698

ハピネスの感想・レビュー・書評

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  • 桐野さんには意外な都心のベイエリアのお洒落なタワーマンションに住む母親たちを描いたママ友ストーリー。
    春樹の新作を読み終わって次に手に取った作品だからか、最初は内容の俗っぽさになんだかな・・・、と思いつつ読み始めた。
    ところがあっという間に引き込まれ、気付けば一気読み。
    またもや寝不足だ。

    内容はありがちと言えなくもないが、セレブママへの羨望と嫉妬、夫との不仲、不倫、お受験とてんこ盛り。
    ママ友同士の微妙な空気感や駆け引きなどは角田光代の描く世界の方がよりリアルで繊細で、桐野さんのこの作品はもっとストレートでやや楽観的な気もしなくもない。
    しかし、主人公の有紗がどんな状況下にあっても自分の子供に対する愛情がゆるぎないところがとても好ましいと思った。
    新潟に帰省する場面、夫と決着を付ける場面、色んな場面で涙涙。
    彼女の真の強さに胸を打たれ、変わって行こうとする姿を心から応援したくなった。

    ただ、最後の最後でリーダー的存在だったいぶママの扱い方にどうも納得できず。みうママもそうだけど。
    みんながハッピーって訳にはいかないか。

    それにしてもよくVeryはこの作品連載させたな。
    Veryの目指す主婦像へあきらかなアンチテーゼじゃないかな。
    編集としてはこれでOKだったのだろうか。
    最近は小島慶子のエッセイが評判を呼んでるらしいからこれもまたありなのかもしれないけど。
    まあ、最後の最後まで有紗がセレブの象徴であるタワーマンションを手放さない選択肢がVeryらしいって言えばそうだけど。
    だって、家賃23万だよ、23万!
    このあたり全く共感できず(笑)

  • 暇とお金を持て余している、幼い子供を持つママ友たちのくだらない日常のお話。
    彼女達は服装・出身校・住んでいる場所等々、あらゆる事で格付けをし、
    マウンティングをして喜んでいる。
    裕福かもしれないが、下品な事極まりない。

    主人公・有紗は消極的で他人を羨んでばかり。
    夫に捨てられかかっているのに、タワマンの暮らしにしがみつき、
    夫や夫の実家の仕送りに頼って生活する、プライドなき人間。
    作者は、そんな有紗が自分の力で生きて行く決意をするまでの成長を
    描きたかったんだと思うんだけど....うーん....。

    突然アメリカでの浮気を告白された後、
    やっぱり元のサヤに戻りたいから、アメリカに来てほしいという夫に、
    「今ここであなたについて行くと、何だかこれまでのあたしが可哀想過ぎて
    やりきれない気がする」
    と言って断るのだが、この理由が今ひとつ腑に落ちない。
    「もうしばらく離れて暮らし、頭を冷やして本当にあなたが必要なのかよく考えたい」
    なら解るんだけどな。
    最後に美雨ママがいぶパパと続いていた事を、嘘をついていた理由もよく解らないし、
    お金と地位のあるいぶパパが家庭や子供を捨て、美雨ママに走るのはちょっと不自然。
    全体的に「うーん」な作品だった。
    登場人物の中に本当に「ハピネス」な人いるんですかね?

  • 見栄をはるために嘘をつく。
    自分を守るために嘘をつく。
    子どもをごまかす嘘をつく。
    結局それって自分に返ってくるんですね。

    うまくいかないと全てにイライラ。
    言わなくてもいいことを言ってしまう。

    タイトルの「ハピネス」をつかむためにハピネスを装う。

    疲れるけどそうしないとコミュニティの中で
    生きていけない世の中なんですよね。
    みんなそんなに強くないんです。
    、、、、そんなことを感じる作品でした。

    主人公である花菜ママの発言が読んでて痛々しい。
    なんですぐにイライラして電話口で攻撃的になるのか。なぜ本当のことを言えず見栄をはるのか。
    たぶんそれは自分の辛い過去への反省からくる疑心暗鬼であり、本当に強くならないといけないのに、ついつい自分を飾ってしまうところの自分自身に対する苛立ちなのかなと。
    余計なことを考えてしまう。不安な先々を思ってしまう。
    それって誰にでもある(と思う)ネガティブな部分なのかなと思います。

  • 久々に読んだ桐野さんの本。
    久しぶりに読んだら、やっぱり上手いな・・・と思いました。
    大した衝撃的な事もない話なのに、気が付けば既に1/3くらい読んでいた。
    読まされてたという感じです。

    主人公はタワーマンションに住む主婦。
    彼女には親しくしているママ友が4人いる。
    内3人は彼女の隣のタワーマンションに住む主婦3人で、もう一人は別のマンションに住む主婦。
    隣のタワーマンションは主人公の住む賃貸マンションよりグレードの高いマンションで、3人のママ友は生活水準が高いのが住まいだけでなく、着るもの、その他から分かる。
    別のマンションに住む主婦はその3人とは毛色が違い、セレブではないが、容姿が美しい。
    主人公はセレブなママ友3人に何となくひけ目や距離を感じている。
    そして、美人だけど率直すぎるもう1人のママ友も少し苦手に思っている。
    さらに、主人公が他の女性たちにひけ目を感じているのには別の理由がある。
    それは現在アメリカにいる夫との夫婦生活が破たんをきたしているということ。
    その原因となったのは彼女が夫に自分の過去を隠していた事が明るみになったからでー。

    主人公の宙ぶらりんな生活状況がタワーマンションの一室ー宙に浮いた空間に住むということに象徴されていて、あまり多く言葉を用いなくても、何となく不安定だし、不安だというのが伝わってくる設定になっています。
    それも上手だと思いました。
    ただ個人的には、何故か面白い・・・と思いつつ読んでいたのは冒頭に書いた1/3くらいまでででした。
    それはこの不安定な状況で何が起こるか分からない・・・という期待感があったからだと思います。
    読んでないページが薄くなる毎に結末が見えてきて、さほどでもない・・・という感想になってしまいました。

    美人なママ友が土屋アンナ似になっていますが、言動が似ているので、ホントにモデルにして書いたのかな・・・という気がしました。
    読んでいると、土屋アンナにしか思えなくなってきた。
    キャラが立ってるな~と感心しました。

  • 有紗は憧れていた東京湾岸にそびえ立つ
    タワーマンションに3歳の娘と暮らしている。
    同じタワマンでも分譲と賃貸で
    うまれる微妙な格差。
    ママ友同士の間でもそれは現れていて…
    気を遣う気づまりな関係、見栄。
    皆には海外勤務に出ていると言っている夫は
    実際は離婚に同意するまで
    連絡をとってくれない。そんな中…

    私自身、子供がいないので
    感情移入しようもないというか
    「うわぁぁ…子育てって大変…」としか…
    実際に子供がいてママ友付き合いに悩む人には
    あるある!ってなるんでしょうか…

    それでもつい先が気になって読み切れましたが…
    桐野夏生なので絶対最悪な感じかと思ったのですが
    まさかハッピーエンドとは…
    ただ、なんていうか主人公の有紗自体が
    被害妄想で独りよがりというか
    常識がなくて苦手で付き合いたくはないな~
    と思ってしまいました…

  • あ〜、しんどい。でも程度の差こそあれ、これがママ社会の現実かも。見栄を張ること、つまらないと思うこと、でもママ社会ではそれが1番大事なことだったりする。

    いぶママ、有紗、美雨ママたちの気持ちが中途半端に分かるだけに読んでて本当しんどかった。幸せの形なんて人の数だけあって当然。なのに、雑誌の影響か、○○でないとダメっみたいになってみんなママたちは焦らされ…。

    最後に有紗が女性として強く自立してくれて安心した。

  • 女の本音が露わにされてて
    感情移入していまい始めのほうは沈んだ気分になってしまった
    しかし最後はほっこり あったか家族がみえて良かった

  • 結婚は打算から始まり、見栄の衣をまとった。憧れのタワーマンションに暮らす若い母親。おしゃれなママたちのグループに入るが、隠していることがいくつもあった。 (「BOOK」データベースより)

    どうなることかと思ったけど、なるほど、そうか。なかなか面白かったです。きっと☆4くらいの評価かなと思いながら読んでいたけど、このどろどろさ加減がとても心地よくて(笑)最後まで一気読みしたので(久しぶり(*^_^*))☆5にしました。経験ある「○○ちゃんママ~♪」時代を思い出しながら・・・。

  • ありがちな話しなのに、ずっと衝撃を受けながら読みました。

    東京ベイエリアのタワーマンションを舞台にママ友の、うわべの付き合いと取り繕う外見、実際との虚偽。こんな狭ーーい社会が現実にあるのだと思います。特にこうしたよそ者が集まるところでは。元々個人が合って結婚し、子供が産まれることで社会がガラッと変わる専業主婦。もちろん子供に世界が展開するのは悪いことではないけれど、同時に自己が変な方向に行ってしまうのはイタイと思います。これは現実なのかもしれませんが、そんなのつまらない人生だなと思わなくもなく・・・。

    出てくる女性達を、あぁくだらないと思いながらも、そうした人生もある事への衝撃を受けながらあっと云う間に読み終えました。桐野夏生さんの書籍テーマは重たいけれど、社会の問題を直視している上に読みやすいです。同世代のだいたいが歩む道に深く入り込めました。確かに同級生が集まると、この本の登場人物の様なお悩み話し全開です。それでもその場から逃げない友たちはえらいんだな、なんて感じました。そして浮気したり育児放棄を簡単にしてしまう男性登場人物には、オィッと突っ込みたくなったりもしました。憂鬱過ぎて読んでいると具合が悪くなった私。こんなに影響してくる本は久しぶりです。

    30~40代のママを意識しているファッション雑誌【VERY】に連載されていましたが、(なぜか購読中w)本来この雑誌を読む人たちにとても興味がわくテーマだと改めて思いました。

  • 桐野夏生さんの本なのに、『ハピネス』なのだもの!
    ある意味期待するよね。(笑
     ■ ■ ■ ■ ■ 
    なんかね、主人公にはいらいらしちゃうんだけどさ、
    あたしみたくマイルールで生きてる人間でも
    やっぱり共感できるとこもあるんだ。
    こどもに手抜きご飯を食べさせたときの罪悪感や
    「だらしない」と思われたくない!って気持ちや
    ほんのちょっとした見栄とか ね。

    いつもはなかったことにしてる、女の暗かったり愚かだったりなとこを
    つい自認してしまう、桐野作品。
     ■ ■ ■ ■ ■ 
    『爪と目』のレビューで、ゾワゾワするお話は好みじゃないと書いたのね。
    この本もそういう部分はあるのになぁ。
    でも、ついつい読み耽ってしまうのは
    自分では「なかった」ことにしてるダークな部分を前面にだした主人公が、
    最終的に開き直りとすら言える決断をして生きていく女のひととして描かれてるからなのかも。
    男のひとにはもてない種類の強さをもって。
     ■ ■ ■ ■ ■ 
    この本のラストでも主人公は多分に強くなるんだよ。
    それが存外に爽やかなラストで
    つい「桐野作品なのに!」って言ってしまったり。(笑。

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