私の嫌いな探偵

著者 :
  • 光文社
3.24
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本棚登録 : 810
感想 : 83
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  • Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334928759

作品紹介・あらすじ

うら若き美貌のビルオーナー、二宮朱美。二十代半ばにして、ビルの最上階に住まい、家賃収入で優雅に日々を送っている…はずが、なぜか、気がつけば奇妙なトラブルに振り回されてばかり。それもこれも、階下に入居している「鵜飼杜夫探偵事務所」がいけないのだ!今日もまた、探偵事務所を根底から揺るがす大事件が巻き起こる。

感想・レビュー・書評

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  • 図書館でたまたま見つけ、確かドラマになっていたような気がして読んでみた。
    なんとなくトリックなどの設定に無理があるような気が。
    世界観も少し、理解ができなかった感じ。

  • 烏賊川市シリーズ、短編集。
    「死に至る全力疾走の謎」「探偵が撮ってしまった画」
    「烏賊神家の一族の殺人」「死者は溜め息を漏らさない」
    「二〇四号室は燃えているか?」
    の5編収録。

    また短編集かぁ。長編読みたいな・・・。

    今回の鵜飼の相棒は、戸村くんではなく朱美さん。
    鵜飼に家賃を払わせるために何とかして仕事を遂行させようとする、朱美さんの努力が涙を誘ったり誘わなかったり。

    いつも通りのユーモアとトリック。
    マンネリというよりも、これはもうお家芸ではあるマイカ。
    というわけで一番気に入ったのは「烏賊神家」ではあるマイカ。
    そして「死者」の溜め息の正体は本当に気色悪いのではあるマイカ。
    楽しませていただきました。

  • トリックに凝っているわけでもなくスルスルなんとなく読めちゃう。
    中高生向きかなぁ。

  • ビルの壁に全速力で走ってぶつかった男の真意は? 雪の足跡に秘められたものとは? 消えた他殺死体の謎、墜落死した死体の口から出てきたエクトプラズムの謎、などなど、それに挑むは烏賊川市の名物探偵鵜飼杜夫だった!
    このシリーズは魅力的な謎の提示と、それを論理的に解き明かすミステリ的手法をベタなギャグとスラップスティックな展開で彩るところにあると思っています。今作もそのノリなのですが、如何せんここのところの大量生産のツケか謎の解明部分が思い切り過ぎというか大雑把というか。ミステリクイズじゃあるまいしというネタを持ってくるとは思いませんでしたよ。今時そのオチか!? てなものを見せる手法は巧いと思うのですけどね。
    でも何のかんの言ってもこのシリーズ好きなんですよ。そろそろ長編読みたいなあ。因みに鵜飼探偵は絶対に大泉洋がいいと思うのですがコレ如何に?

  • 烏賊川市シリーズ。東川さんの作品の中で一番好きなシリーズ。本格的なミステリながら軽く読めてテンポも良いです。短編集なのでサクサクっとした感じ。でもそろそろ、初期の頃のような長編が読みたいです。

  • 烏賊川市シリーズの7作品目にあたる短編集作品。 タイトルは朱美さんの心証だろうか、今作は助手役として戸村君より朱美さんが強調されています。
     トリックとしては今まで以上に論理よりも大胆さが目立つ出来になっているでしょうか、神社の話と204号室の話は特にそれが顕著だと感じます。 短編集なので精巧なロジックよりかは読者を驚かせるマジックのようなストーリーを狙って、推理小説よりかはキャラクターの掛け合いを楽しむライトミステリのような作品に仕上がっています。
     シリーズも大分円熟してきて探偵トリオの掛け合いがとても楽しい。大きな展開はないが息抜きに楽しく読める短編集になっております。

  • シリーズ2作目の短編集。今回のワトソン役は朱美さん。流平は散々な扱い。。。盆蔵山シリーズになりつつある烏賊川市シリーズ。印象に残るのはやはり「烏賊神家の一族の殺人」。まさかあの子がまた出てくるとは。ちょっとした驚き。こういうの好きです。烏賊のトリック?も面白い。

  • ★ああ! はやく名探偵になりたい(p.130)

    ・短編集。今回はずっと朱美と鵜飼のコンビ。

    【第一話】その男は黎明ビルに全力疾走で体当たりし自殺しようとした? そんなアホな!!
    【第二話】浮気調査だったはずが殺人事件に巻き込まれ女子大生にカツアゲされる。
    【第三話】烏賊神神社で発生した殺人事件。巨大なイカ、剣崎マイカが謎を解く!
    【第四話】崖から落ちた男の口からエレクトロプラズマだとかなんとか大型テレビのような名称のものが出てきた。
    【第五話】またしても浮気調査が殺人事件に。消滅した謎の美女の行方は?

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    ■一行目■
     ――つけられている。(交換殺人には)

     それは司法試験を目指して勉学に励む大学生有坂春佳にとって、最悪の朝だった。(ここに死体を捨てないでください)

     烏賊川の市街地を遠く離れた山の中腹。キツネかタヌキ、もしくは潜伏中の犯罪者ぐらいしかいないと思える秘密めいた場所に、ただ一軒、でんと建つ西洋風の豪邸がある。(はやく名探偵になりたい)

     関東地方の海沿いのどこか遠くに確実に存在する街、烏賊川市――(私の嫌いな探偵)

    ■烏賊川市についての枝葉末節■(★は主要語)

    【設定】基本的にはおかしなお気楽キャラたちのおかしなセリフや行動(と地の文)をおもしろがるギャグ小説ですがちゃんとミステリしておりしっちゃかめっちゃかにはならないので安心して心地よく楽しめます。ささいなこともだいたい伏線になっています。基本的には密室殺人がお好みのようです。著者は楽しそうでないシーンは省略する方針のようでストレスもあまりありません。読書の楽しみを得やすい作品と言えます。

    【合言葉】鵜飼探偵事務所の合言葉は「黒猫・三毛猫」と片方が言ったら「招き猫」と返す。定着はしなかったようだ。
    【アイちゃん】花見小路家のペット。マー君の友だちとしてやってきた。物知りなところがある。
    【青山教授】烏賊川市立大学の教授。佐々木教授が自殺したときに呼ばれていたひとり。
    【朱美】→二宮朱美★
    【有坂香織/ありさか・かおり】春佳の姉。精神年齢は低い。中島仏具総務部勤務。死体を見ても軽さを失わないタイプ。
    【有坂春佳/ありさか・はるか】司法試験をめざす大学生。いきなり部屋に入り込んで向かってきた見知らぬ女をうっかり刺し殺してうっかり仙台まで逃げてしまったという、かつての流平と同じくらい悪手を打った女。弁護士は無理そうやなあ。

    【IKA映画社】教育映画をつくる地味~な映画制作会社。地元のテレビ局の系列会社。茂呂耕作が勤めている。ほぼブラック。
    【烏賊神伽墨/いかがみ・かすみ】金蔵と花江の長女。活発そうな髪の短い女性。なぜか関西弁。
    【烏賊神金蔵/いかがみ・きんぞう】烏賊神神社の宮司。
    【烏賊神墨麗/いかがみ・すみれ】金蔵と花江の次女。大人しそうな髪の長い女性。
    【烏賊神花江/いかがみ・はなえ】金蔵の妻。
    【烏賊神真墨/いかがみ・ますみ】金蔵と花江の息子。梶本伊沙子と交際している。
    【烏賊神神社/いかがみじんじゃ】由緒怪しき神社。元は烏賊の大漁祈願のためだったが今は受験生やイカサマ大成功を企む敬虔詐欺師たちから熱い信仰を集めている。宮司と朱美は互いの親友の友人が顔見知りという深い仲。
    【烏賊川斎場】収容人数の多いところが取り柄。要人が死んだときはここを使う。
    【烏賊川市★】シリーズと知らず「猫は何匹」から読みはじめてしまいました。千葉の東、神奈川の西にあるとか。異次元? かつては年に数回海面が盛り上がるほど烏賊がやってきていて烏賊御殿とかあったようだ。烏賊の運搬に使っていた川が現在一級河川の烏賊川だった。探偵鵜飼杜夫やビルオーナー二宮朱美や探偵助手戸村流平たちがいる。烏賊川市警察の砂川警部は日々クラゲを眺めて天気予報をしているくらいヒマ。映画館は一軒もないが
    大学には映画学科がある。《大したことない事件には事欠かないのが烏賊川市なのである。》撃て!p.26。しかし最近では犯罪都市として揶揄されるようになっている。米花町や杯戸町ほどでないとは思うが。近隣に盆蔵山を抱く奥床市などがある。
    【烏賊川市医科大学付属病院】ついその名称を連呼したくなるらしい。
    【烏賊川市署★】砂川や志木がヒマをもてあましている。
    【烏賊川大学】若者の減少に危機感を抱いた市長ががんばって設立した。理系学部はない。まあ、そこそこの大学。最近では映画学科が注目されている。烏賊川市に映画館はないが。
    【烏賊さまの祠】烏賊神神社にある。逆さにの祠と対をなす。
    【和泉/いずみ】刑事。志木の先輩。女性。ショートカット。美人。オートバイの運転はたぶん車を運転する志木並みかと。上司の前では「結構いけてる女刑事」を演じ、後輩の前では「相当いけない女刑事」の本性を剥き出しにする。一人称は「おれ」。
    【猪鹿村】盆蔵山を中心に広がる山村。善通寺家の事件後、鵜飼の名は生きた伝説級となっている。巡査の松岡はのどかで犯罪も滅多に起こらないと言ったがそろそろ犯罪村と言ってもいいのでは?
    【井上カメラ商会】烏賊川市のシャッター商店街にあるカメラ屋。美女を見るとモデルにして撮りたがる。店には高級カメラといっしょに古い八ミリカメラがあった。
    【依頼人】《一説によると、探偵というものは、依頼人を殺されてはじめて半人前なのだそうだ。》猫p.175
    【岩村敬一/いわむら・けいいち】通称なんでも屋の岩村。

    【馬ノ背海岸】烏賊川市の外れにある複雑な海岸線の一帯で観光地化の話もあったが地形が険しすぎてボツ。
    【魚丸武司/うおまる・たけし】漁師。猫をかわいがっていた。
    【鵜飼杜夫★/うかい・もりお】探偵。中肉中背で目立たない顔。ルノー・ルーテシアに乗る。なんか似合わないイメージ。金がないくせに仕事を選り好みする。タウンページに記載されているキャッチコピーは「Welcome trouble」。高いところからよく落っこちる。《なんだ、刑事さんか。ちぇ、敬語で話して損したな》密室の鍵p.160。「猫は」では報酬の金額に逆らえず(朱美に逆らえず)豪徳寺さんちの三毛猫探しに乗り出すことになった。ちなみに猫には好かれやすいタイプのようだ。《まあ、この探偵の行動は、どれをとってもあまり理解しやすいものではない。》猫p.368
    【浮気調査】行方不明のペット探しと双璧をなす、世の探偵事務所を支える案件。鵜飼はできることなら避けたいが朱美のひと睨みで引き受けることになってしまう。

    【映画監督サイコ】彩子が学生の頃監督して撮ったアマチュア映画。問題作として話題になって流平も名前だけは知っていた。内容は、「シャイニング」の映画監督版のような。「カメラを止めるな」のような?
    【栄吉/えいきち】烏賊神金蔵の親友。その友達の博史は錦町のバーの常連。
    【エルザ】野良猫だったが桂木がエサをやったりしているうちに豪徳寺家によく来るようになった。三毛猫だが小柄でミケ子とは似ても似つかない。

    【大崎茜/おおさき・あかね】水沢晋作の浮気相手? かつては水沢家の娘の家庭教師だった。
    【岡部庄三/おかべ・しょうぞう】猪鹿村で果樹園を経営する。北沢庸介が落ちた崖の近くに住んでいる。
    【岡安風菜/おかやす・ふうな】小学生五年生の三つ編み少女。母は恵理子、ブルドッグを飼っている。
    【奥床市立大学】烏賊川市の隣と思われる奥床市にある大学。映画研究会があり水木彩子が所属していた。
    【小山田恭子/おやまだ・きょうこ】幸助の妻。不倫の疑いがある。
    【小山田幸助/おやまだ・こうすけ】依頼人。六十五歳。建設業を営む。釣りが趣味。

    【外注】《無闇な外注は自殺行為! よーく覚えておきなさい》撃て!p.110
    【牡蠣フライサンド】朱美は張り込み中の鵜飼に牡蠣フライサンドを差し入れたが…。「腹を壊すかどうか、食べてみなくちゃ判らないじゃない!」私の嫌いなp.32。その後流平の胃袋を破壊した。
    【崖】《二時間ドラマの探偵役は崖の上で謎を解くことはあっても、けっして崖から落ちることはない。》はやくp.199
    【梶本伊沙子/かじもと・いさこ】烏賊神金蔵と花江の息子、真墨(ますみ)の交際相手。自称二十八歳。
    【桂木】豪徳寺家の使用人。執事であり、料理人であり、庭師でもある便利な男。達磨さんのような丸っこい身体。
    【加藤信夫/かとう・のぶお】交番勤務の警察官。
    【カトレア荘】烏賊川市西のリゾート地にある貸別荘。密会に使われたりする。
    【河内龍太郎】映画監督。「殺戮の館」「戦慄の島」「復讐の村」などB級の巨匠。この著者の他の話でも名前を見かけたことがある。特に「殺戮の館」の題名はよく出てくるかも。映画好きとしてはイヤな予感はしつつ怖いもの見たさの一本。
    【神崎隆二/かんざき・りゅうじ】さくらの花婿候補のひとり。二十五歳。市会議員神崎隆太郎の次男でコネにより現在烏賊川信用金庫勤務。フォードに乗っている。右手の甲に烏賊川市の地図に似た古傷(火傷のあと?)がある。鳥ノ岬の飛魚亭で射殺された。

    【北沢真弓/きたざわ・まゆみ】庸介の事故死が納得できず殺されたのではないかと鵜飼に調査を依頼した。
    【北沢庸介/きたざわ・ようすけ】烏賊川市役所職員。二十七歳。買ったばかりの愛車、赤いボルボを乗り回していた晩、盆蔵山の崖から落ちて死亡。
    【木戸慶介/きど・けいすけ】高校教師。丸吉酒店のお得意さん。酔っぱらい関係でなんらかの被害に遭ったらしい。
    【恭子/きょうこ】朱美の親友。友達の千秋が錦町でバーをやってる。
    【教養猫】烏賊川市大教養部の喫茶室の周辺で暮らす数匹の猫のこと。
    【キンゾー/金蔵】松金正蔵。通称「金蔵」。鵜飼の知り合いのホームレス。鵜飼を「兄貴」と呼ぶ。烏賊川の西幸橋の下の段ボールハウスで暮らしている。何の誇張もなく頭がいいらしい。登場した次の巻で拳銃で撃たれ死亡。

    【クレセント荘】猪鹿村にあるペンション。山田慶子さんによると不穏な動きがあるらしい。本格的なログハウス仕様。玄関のドアは一枚板。
    【桑田一樹/くわた・かずき】流平の同級生で映画好き。ビデオ屋「アトム」でバイトしている。「殺戮の館」は駄作だと言う。紺野由紀の最後の恋人。

    【剣崎京史郎/けんざき・きょうしろう】豪徳寺家の居候。招き猫狂。暮らしている土蔵の中には招き猫がぎっしり。異常によくしゃべるが会話という言葉のキャッチボールはほぼできない。
    【剣崎マイカ/けんさき・まいか】巨大なイカのバケモノ。性別は女子で年齢は十七歳。趣味はスキューバダイビング。特技はタップダンス。か細く透明感のある美少女声。声優をあてるなら花澤香菜さんか!? 語尾は「~ではあるマイカ」。鵜飼よりシャープな名探偵だった。中の人はどうやら吉岡酒店の沙耶香のようだ。えっ? 丸吉酒店じゃなかったっけ? まあいいけど。
    【健太/けんた】小山田幸助の孫。

    【豪徳寺真一】豊蔵の長男。前の妻との間にできた子ども。二十八歳。
    【豪徳寺豊蔵/ごうとくじ・とよぞう】回転寿司チェーン「招き寿司」の創業社長。無類の猫好き(というより招き猫狂)で自宅の玄関に人間サイズの招き猫が二体置いてある。経営する回転寿司店にもある。豪徳寺さんやもんね。養子なのでもしかして豪徳寺という名前が欲しくて昌代と結婚した? また自宅にビニールハウスがある。いかつい顔に紳士らしい服装と物腰。十条寺十三の知人。自宅のビニールハウスで殺人事件があった十年後鵜飼に猫探しを依頼してきた。その後ビニールハウスで死体となって発見された。
    【豪徳寺真紀/まき】豊蔵の娘。十九歳の美人女子大生。豪徳寺豊蔵の殺された夜ビニールハウスに呼び出されうかつにも誘いに乗って捕らわれ豊蔵殺害現場を見てしまった。と証言している。
    【豪徳寺昌代】豊蔵の奥さん。三十代に見えるが四十三歳。
    【豪徳寺美樹夫/みきお】豊蔵の次男。二十二歳。映画好きで矢島達也とときどき映画鑑賞会をやってる。
    【小松】花見小路家の運転手。
    【小松綾香/こまつ・あやか】烏賊川市立大学の学生。佐々木教授が自殺したときに呼ばれていたひとり。学内では「准教授殺し」の異名を持つキャンディボイスの可愛い系キラキラ女子大生。
    【権藤一雄/ごんどう・かずお】源次郎の長男。折り合いが悪くいつも取っ組み合いの喧嘩をしている。出奔中。
    【権藤源次郎/ごんどう・げんじろう】水木彩子の別荘のご近所さん。建築業「権藤ホーム」を営んでいるらしい。悪徳リフォーム業者。
    【権藤英雄/ごんどう・ひでお】源次郎の息子。折り合いが悪く取っ組み合いの喧嘩をしていた。
    【コントラバスケース】死体を運ぶのに最適ないれもの。
    【紺野由紀/こんの・ゆき】流平の学生のときの彼女。流平がIKA映画社に内定したとき失望して別れ話を切り出した。

    【西園寺絵理/さいおんじ・えり】西園寺家のお嬢さま。十九歳。
    【西園寺和彦/さいおんじ・かずひこ】庄三の長男。日焼けサロンに通っているように見えるタイプ。
    【西園寺家】烏賊川市有数の和菓子店「雀屋」の創業家。太平洋をのぞむ崖の傍らに邸宅、通称「雀のお宿」を持つ。
    【西園寺圭介/さいおんじ・けいすけ】庄三の次男。流平の大学時代同じ映画サークルに所属していた。
    【西園寺庄三/さいおんじ・しょうぞう】雀屋前社長、現名誉会長。車椅子を使っている。
    【西園寺輝夫/さいおんじ・てるお】花代の夫。雀屋の現社長。絵理の実父。
    【西園寺花代/さいおんじ・はなよ】庄三の長女、絵理の継母。
    【西園寺昌代/さいおんじ・まさよ】庄三の妻。故人。大柄だった。晩年は車椅子を使っていた。
    【彩子/さいこ】水樹彩子(みずき・さいこ)。ゴージャスな美女。さくらの友人。女優。映画研究会時代は監督経験もあり。愛車はBMW。「サイコ」とはまた意味深な名前で。
    【逆さまの祠】烏賊神神社にある。開き戸に逆さになった烏賊が描かれており、中には逆さまの像(烏賊の像?)が祀られている。烏賊さまの祠と対をなす。
    【さくら】→十乗寺さくら★
    【佐々木教授】烏賊川市立大学教授。自宅で自殺した。そのとき文学部の青山教授、森准教授、学生の小松綾香が呼ばれていた。
    【佐野/さの】十乗寺家の執事兼ボディーガード。流平は十乗寺家のオッドジョッブと思った。

    【志木★/しき】刑事。烏賊川市署の自称ホープ。同乗すると命を大事にしたくなるような運転技術の持ち主。昔はワルでブイブイ言わせてた。どんな罪状であれ、犯人逮捕に喜びを感じる。《僕は、拳銃を撃ちたくて撃ちたくてたまらない、どこにでもいる目立たない普通の刑事です。》撃て!p.239
    【執事】名前こそよく聞くが実際に出会ったものはあまりいないという希少な職種だがいるところにはいる。
    【シメサバと赤唐辛子のホットサンド】朱美が張り込み中の鵜飼のために陣中見舞いとして作ったお弁当。とても生臭い。
    【収支】《殺人にだって収支という概念はあるだろうに》撃て!p.251
    【十乗寺家の屋敷】馬ノ背海岸の鳥ノ岬にある。重厚ではなく軽快で開放的。
    【十乗寺さくら★】お嬢さま。高校生くらいに見えるが二十歳。ちょっと天然系のふしぎタイプ。三人の花婿候補を持つ。なぜか流平に惚れる。《このお嬢様は冗談をいうタイプではない。存在そのものが冗談みたいな――》撃て!p.275。『現代用語の基礎知識・最新版』や『烏賊川市近郊職業別電話帳』やフランスパンを武器に使う。《つまり《重いもの》さえこちらの手で握っておけば、あとは安心して付き合えるというわけだ。》交換殺人p.83
    【十乗寺十一/じゅうじょうじ・じゅういち】さくらの父。十三の息子。十乗寺食品の社長。
    【十乗寺十三/じゅうじょうじ・じゅうぞう】七十歳、物心ついてから六十年、いまだ自分の名前がいいにくい。十乗寺食品の会長。かつて自らの屋敷を舞台にした拳銃乱射事件の謎を鵜飼に解決してもらった。
    【十乗寺道子】十一の妻。さくらの母。
    【白波荘】茂呂耕作が住んでいたボロアパート。もう維持管理する気もないようで建物を壊さなければかなり部屋の改造をしてもOK。ちなみにオーナーは二宮朱美。
    【白熊郡猪鹿村】烏賊川市に隣接する山村。人口一千七百人。畑作と酪農と林業。盆蔵山(ぼんくらやま)がシンボル。
    【真実】《そもそも掛け値なしの真実など世の中にそうはない。》撃て!p.94

    【鈴木のマー坊】荷台がちょっと大きめでわりとカッコいい車でした。昔はよく見かけてたけど。吉岡宗助の愛車。
    【雀屋】老舗和菓子店。「すずめ饅頭」は烏賊川市土産の定番。かの「ひよこ饅頭」によく似ているので東京では売りにくい。ぼくら的には「ひよこ」は福岡土産なんやけどいまは東京土産の定番らしい。福岡の人はそれでええのか? とも思いますが。
    【砂川★/すながわ】烏賊川市署の自称エースで警部。素直ではなく右を向けと言えば左を向く扱いにくい性格。アホっぽいがたまにシャープなところも見せる。和泉いわく《あの人はな、やる気がなくて優秀なんだ》交換殺人p.166。特技は運河を流れるクラゲを見て天気予報できること。ミステリ好きだが探偵は嫌い。《モテる男にはとりあえず反感を覚えるのが砂川警部の特徴的なメンタリティーであることを、志木はよく理解していた。》密室の鍵p.162。「猫」の十年前は刑事。彼が高林警部にしたアドバイスのせいで? 事件は迷宮入りした。
    【スルメ】本名はサクラスルメオー。十乗寺さくらの飼い犬。ゴールデンレトリバー。

    【善通寺咲子/ぜんつうじ・さきこ】鵜飼の依頼人。春彦の妻。冷めたあと二回レンジでチンするとさらに美味しくなる料理をつくる。
    【善通寺春彦/ぜんつうじ・はるひこ】画家。咲子の夫。紳士っぽいが芸術家のオーラはいっさいない。父親の善彦(よしひこ)も画家でそちらは教科書にも載っている超メジャー。最近浮気がアヤシイ。

    【逮捕】犯人逮捕の基本、それは《形》だ!(撃て!p.10)
    【高島美香/たかしま・みか】中原圭介の友人。
    【高田朝子/たかだ・あさこ】西園寺家に長年勤めている住込の家政婦。
    【高梨孝太郎/たかなし・こうたろう】女が落ちてきた事件の目撃者。
    【高林】凄腕警部。今は現場からは離れているようだ。
    【滝沢美穂/たきざわ・みほ】烏賊神神社で巫女さんをやってる女子大生。
    【田島吾郎/たじま・ごろう】弁護士。小山田幸助の妻、恭子の不倫相手だったらしい。
    【橘英二/たちばな・えいじ】直之の弟。全体に丸い。クレセント荘名物の本格フレンチを提供するシェフ。
    【橘孝太郎/たちばな・こうたろう】十年前ペンション「クレセント荘」をつくった。雪次郎の兄。
    【橘静枝/たちばな・しずえ】ペンション「クレセント荘」の人。
    【橘直之/たちばな・なおゆき】ペンション「クレセント荘」の人。長身、痩せぎみ、銀縁メガネが知的。
    【橘雪次郎/たちばな・ゆきじろう】ペンション「クレセント荘」のオーナー。橘兄弟のおじ。
    【辰巳千昭/たつみ・ちあき】千葉聡美の恋人だが浮気を疑われている。塩辛町にあるお洒落なバー「満塁策」を経営している。聡美の恋人自慢が納得できるほどの美男子。墨谷町の独身向けワンルーム二階建て集合住宅墨谷アパートで暮らす。
    【田所誠太郎/たどころ・せいたろう】依頼人。
    【田野上秀樹/たのうえ・ひでき】さくらの花婿候補のひとり。二十七歳。烏賊川市立大学経済学部教授で次期学長候補の田野上秀彦の三男。現在烏賊川市立大学経済学部講師。赤いフォルクスワーゲンに乗る。
    【探偵】《探偵は事件の渦中にいるうちは眠くならないんだ。》p.261
    【探偵の秘密主義】《空振りに終わったときに赤っ恥を掻きたくないから、いまはまだ何もいいたくないだけだよ》はやくp.133

    【千葉聡美/ちば・さとみ】依頼人。二十九歳。すべての推理を外した鵜飼を目の当たりにしても依頼した豪傑。恋人の辰巳千昭の浮気を疑っている。ただの事務員だが背が高くモデル並みのプロポーションを誇る。

    【椿ビル】オンボロ雑居ビル。岩村敬一が暮らしていた。オーナーの老人はなかなか楽しい。

    【寺崎亮太/てらさき・りょうた】ペンション「クレセント荘」の客。サラリーマンふうだが卓球の腕前はなかなか。
    【田園】豪徳寺真一の行きつけのバー。友人の田代俊之がマスター。

    【盗聴】《盗み聞きは変質者の趣味。盗聴は私立探偵のお仕事だ。》交換殺人p.61。盗聴器には盗聴特許許可局が認知すると丸Tマークが入るらしい。
    【遠山真里子/とおやま・まりこ】善通寺春彦の遠縁の娘。就職活動のため善通寺家に下宿している。関西弁。レギュラーの品揃えのため欲しい人材。車の車庫入れは苦手。善通寺春彦の浮気相手かもと夫人は考えている。鵜飼は彼女がアッケラカンと関西弁をしゃべるので浮気相手ではないと断じた。大雑把すぎる性格。
    【戸村流平★/とむら・りゅうへい】鵜飼杜夫探偵事務所の探偵助手(弟子)。また、鵜飼は流平の姉の元夫らしいので元義兄(赤の他人ともいう)。事務所のキャッチコピー「Welcome trouble」は流平が考えた。烏賊川市大映画学科中退。かつてホームシアターを舞台にした密室殺人事件に巻き込まれ鵜飼に救われ弟子入りした。ミステリ映画は好きだが原作は読まない。両親は夢を諦めさせるために大学に入れたようだ。しかし探偵助手にもなってほしくはなかっただろう。烏賊川市でもっともアロハシャツが似合う男かもしれない。虎キチ。酔っぱらうと何を言い出すかわからない恐ろしい男。《不思議なことだが、戸村流平という青年ほど、他人に期待感を抱かせない人物はいない。彼に期待するくらいなら、道端のノラ猫に道を聞くほうがマシだと、本気でそう思える。》私の嫌いなp.77
    【友子】佐野の妻。十乗寺家の料理はすべて彼女がまかなっている。
    【豊橋昇/とよはし・のぼる】ビジネスマンっぽい出で立ちでクレセント荘に来た客。ペンションの人たちとは軋轢があるもよう。烏賊川リゾート開発渉外担当課長課長。
    【鳥ノ岬】馬ノ背海岸にある。鳥のように嘴状に突き出している部分がある。そこには十乗寺家の離れ(飛魚亭)が建っている。本当は屋敷を建てたかったらしいが嘴の強度の問題で不可能だった。

    【内出血密室】凶器によって即死や動けないわけでない場合被害者自身が密室を作ってしまうことということのようだ。
    【中原圭介/なかはら・けいすけ】黎明ビルに全力疾走で体当たりした男。駅裏のバー「四打数四安打」のバーテンダー。美香「この人は他人の建物から恨まれるような人じゃありません!」私の嫌いなp.20
    【中本俊樹/なかもと・としき】盆蔵山の猪鹿村に住む猪鹿中学校二年生。当然中二病患者。崖から落っこちてきた男(後に北沢庸介とわかる)の口からエレクトロプラズマだとかなんとか大型テレビのような名称のものが出てきたのを目撃した。
    【中谷SV8】昔の8ミリカメラ。さくらが買おうとしている。
    【中山章二/なかやま・しょうじ】四十一歳独身。金属パイプ等を加工する町工場経営者。腕はいい。酒癖はわるくあるときチンピラ二人を殴り倒したら被害届を出されてしまった。偶然、拳銃密造をしていた。

    【二宮朱美★/にのみや・あけみ】黎明ビルのオーナー。修羅場をくぐった根っからの大家。四階に住む。客観的に美女。基本的に世話焼き。愛車は黒のベンツ。家賃滞納しがちな鵜飼は朱美に頭が上がらない。嫌味はちょっと言ったりするが。意外なことに鵜飼とは互いに憎からず思っているフシがある(「猫は」あたりでは)。戦闘能力は高い。女性の年齢を読むのが特技。「密室の鍵」では白波荘のオーナーだった(白波荘は後になくなった)がその時点ではまだ鵜飼たちと知り合いではなく故障中のオートバイの整備(破壊?)にせいをだしていた若い女だった。《ただいじり回しているのが楽しいからいいの。》密室の鍵p.151。同アパートの住人茂呂とも知り合いだった。死体を見ていちおう悲鳴を上げた。
    【ニャーネルニャンダース】「招き寿司」の入り口に置かれている招き猫の人形。ほぼ人間サイズ。地元の子どもたちは「ニャーネルニャンダース」と呼ぶ。

    【猫】ミユキには漁師がエサをやっていた。教養猫は大学教養学部の喫茶室におり猫舌は壊れている。黎明猫は黎明ビルの近くに最近来た。ニャーネルニャンダースは招き寿司チェーンと豪徳寺さんちの玄関を飾っている。猫のお面の誰かは豪徳寺豊蔵を殺した。ミケ子は豪徳寺豊蔵の死体のあったビニールハウスにいた(かもしれない)。剣崎京四郎が暮らしている豪徳寺家の土蔵には招き猫がぎっしり。エルザは桂木がエサをやってるうちに豪徳寺家によく来るようになった。十年前矢島医院に怪我で死にかけた三毛猫が来て洋一郎が手当てして生き延び「マオ」と名付けられた。

    【ハイツ駅裏】黎明ビルとは駐車場を挟んだワンルームマンション。同じく五階建てで同じくオンボロビル。
    【恥】相手に恥をかかせるのは紳士のおこなうことではないらしい。流平はそれを「勝利の方程式」だと思っていたが。
    【恥ずかしいこと】たとえば夜中にこっそり本格ミステリを書いたりすること。
    【花見小路楓/はなみこうじ・かえで】ご近所でも評判の美人お嬢さま。大学生。
    【花見小路一馬/はなみこうじ・かずま】教師。鵜飼の高校時代の恩師。花見小路学園の学園長を代々勤めてきた家柄。
    【馬場鉄男/ばば・てつお】短い金髪をツンツン立てた馬鹿っぽい大柄な青年。廃品回収業者「リサイクルの馬場」の社長にして唯一の社員。有坂香織のせいでひどい目にあう。
    【原田】刺された女性をひきかけたがなんとか回避したものの女性はすぐ死んだので結果的に第一発見者になった銀行員。淡々と説明的に説明する。
    【張り込み】探偵たちは張り込みをする。《変質者の覗き行為ではない。れっきとした探偵の張り込みだ。やっていることは同じであるが、根底にある目的意識が多少はマシなのである。》はやくp.131

    【ビールケース】黄色のあれ。流平はなぜか詳しい。横五十センチ、縦四十センチ、高さ三十センチ。長方形に十個並べるといい感じのベッドになる。
    【ビニールハウス】豪徳寺さんちの庭にある蒲鉾型のビニールハウス。農家のものよりは小ぶりな感じだがけっこう大きい。頑丈な作りで少し揺すったくらいではびくともしない。すりガラスのように半透明なビニールが張られており中はほぼ見えない。特に何も栽培されていない。なんのために庭に建てたのだろう。よからぬことに使うのが目的? 殺人事件の被害者と思われる死体が二度発見された。単純なつくりなのでトリックには使いやすそう。
    【ひまわり荘】盆蔵山の別荘地にある水木彩子のセカンドハウス。山小屋ふう。

    【藤枝喜一郎/ふじえだ・きいちろう】烏賊川市有数の資産家。世間からのマイナス評価が誉め称える声より圧倒的に高い。邸宅の地下には自慢のオーディオルームがあり笑話のムード歌謡を聴くのが趣味。
    【藤枝修作/ふじえだ・しゅうさく】喜一郎の甥。二十六歳。某建設会社勤務三年目のエリート。深いドロドロした関係の女性弁護士から喜一郎が遺言状の書き換えを考えているらしいと聞き憧れの密室殺人を企む。
    【藤原不動産】丸吉酒店の近所にある不動産屋。藤原源治と英輔の親子が経営している。

    【ベン】小山田幸助か健太の飼い犬。柴犬。
    【ベンツ】朱美の愛車は黒いベンツ。

    【星野敬太郎/ほしの・けいたろう】康子の息子。三ツ星運送社員。母に似ず短絡的。
    【星野康子/ほしの・やすこ】三ツ星運送社長。けっこう知的。
    【盆蔵山】奥床市にある山。環境がよく別荘地などがある。
    【本陣殺人事件】ATG製作の映画。ミステリ映画ブームの火付け役かとこの小説(密室の鍵貸します)では書いてあった。原作横溝正史。ぼく的にはけっこう好きです。

    【マー君】花見小路家のペット。とある事件によりアイデンティティが崩壊するような目にあう。
    【マー君の母】名前はモモ。ビーグル。愛玩犬でなく狩猟犬として飼われている。
    【牧田裕二/まきた・ゆうじ】戸村流平の大学時代の友人。
    【升村光二郎/ますむら・こうじろう】さくらの花婿候補のひとり。二十六歳。居酒屋チェーン「升むら」を経営する升村家の次男。商才はあるが長男もそうなので立場は微妙。黄色いポルシェに乗る。
    【松岡】猪鹿村のお巡りさん。鵜飼を伝説の名探偵だと思っている。
    【松金正蔵/まつかね・しょうぞう】→金蔵
    【招き寿司】豪徳寺豊蔵さんが創業し経営している回転寿司チェーン。
    【丸吉酒店/まるよししゅてん】夢見台にある酒屋。吉岡沙耶香は娘と思われる。

    【ミケ子】豪徳寺さんちの三毛猫。可愛げがなく大きい。脱走したミケ子をなぜ豊蔵さんは金に糸目もつけず探すのか。家族にもさわらせず猫部屋に「保管」していたようだし。その辺になにかありそうだとは思う。財宝の隠し場所がどっかに描かれてるとか。それはま、冗談ですけど。
    【三毛猫】この話(猫は何匹)には多くの三毛猫が登場する。招き猫も登場するが招き猫が三毛猫なのかどうかはよく知らない。三毛猫は遺伝子かなにかのせいで基本的にメスなのだとはよく知られていることだがオス三毛猫もまれに誕生するらしい。その場合の価値がどれくらいになるのかも知らないけど豪徳寺豊蔵さんが金に糸目をつけず探しているのはそのせいかもしれない?
    【水樹彩子/みずき・さいこ】→彩子
    【水沢晋作/みずさわ・しんさく】妻の優子から浮気を疑われている。
    【水沢優子/みずさわ・ゆうこ】依頼人。夫の浮気調査。その後殺人事件に遭遇するが、このシリーズの登場人物たちの常として、絶対にしてはいけない最悪の行動を取ってしまう。
    【水沼/みずぬま】善通寺春彦が訪れた別荘の表札にそう書かれていた。
    【ミステリ作家】午前三時に散歩しているときあるものを見た人の職業。《なんだミステリ作家か。それじゃ深夜の散歩も無理ないな》猫p.114。そういや『深夜の散歩』という福永武彦、中村眞一郎、丸谷才一著のミステリエッセイ集を持ってます。
    【水原沙希/みずはら・さき】辰巳の知人。千葉聡美といい勝負の抜群のスタイル。塾の講師。
    【溝口勇作/みぞぐち・ゆうさく】
    【密室】いろんなタイプがある。尾行者がすぐ後ろを走っている時速四十キロの車の荷台での殺人事件も密室だ。
    【三ツ星運送】引っ越し屋。社長は星野康子、息子の星野敬太郎。社員は五人。
    【南田智明/みなみだ・ともあき】顎髭男。ペンション「クレセント荘」の客。ログビルダー。
    【三ツ俣町】烏賊川市の外れ、猪鹿村との境にある。
    【ミニクーパー】猪鹿村の山田慶子さんの愛車と思われる。
    【ミユキ】魚丸が三毛猫につけた名前。別れた女房の面影を見て。

    【名探偵】鵜飼の異名。「名物探偵」略して名探偵。

    【森准教授】烏賊川市立大学文学部准教授。佐々木教授が自殺したとき呼ばれていたひとり。
    【茂呂耕作/もろ・こうさく】流平の映画学科地代の三年先輩。二十五歳。ボロアパート「白波荘」で暮らしている。改築ほぼ自由なので茂呂は一室を完全防音に改造しホームシアターとして使うためにあえてこのアパートで暮らしている。聴く音楽はエアロスミスか藤あや子。志木刑事の高校時代の友人。

    【矢島達也】洋一郎の息子。父の死んだ十年後、三十一歳のときには豪徳寺家の主治医になっている。豪徳寺真紀に気があるようにも見える。傷を見たら縫いたくなる。
    【矢島弓子/やじま・ゆみこ】洋一郎の妻。車椅子を使っているいう設定にわざわざしてるってことは視点の低さになにかあるのかもしれない?
    【矢島洋一郎/やじま・よういちろう】開業医。豪徳寺家の主治医。十年前豪徳寺家のビニールハウスで腹部を刺されて殺された。死亡時四十八歳。妻の弓子と二人暮らし。息子の達也は某有名大学の医学部の学生で東京暮らしだったが、十年後には豪徳寺家の主治医になっている。
    【安木理絵/やすき・りえ】豪徳寺豊蔵が殺された夜恋人とともに招き猫を目撃した一人。どうやら画像として記憶を保持できる能力を持っているようだ。
    【山田慶子/やまだ・けいこ】有坂春佳がうっかり殺してしまったかもしれない見知らぬ女性。
    【山村良二/やまむら・りょうじ】剣崎京四郎の麻雀仲間。

    【雪】《烏賊川市の場合、事件と無関係に雪が降ることは滅多にない。》私の嫌いなp.54
    【夢見台】住宅街である幸町(さいわいちょう)にあるかつてはブイブイ言わせたが今はいろいろ老朽化して寂れている住宅地。

    【吉岡】ペンション「クレセント荘」に来た巡査。
    【吉岡沙耶香/よしおか・さやか】丸吉酒店の看板娘「さかやのさやかちゃん」。高校生くらいでツインテール。とある理由から声優さんをあてるなら花澤香菜さん。
    【吉岡宗助/よしおか・そうすけ】椿ビルに暮らすプロのカメラマン。岩村敬一の呑み友だち。愛車は鈴木のマー坊。

    【流平】→戸村流平★

    【ルノー・ルーテシア】鵜飼の愛車で精一杯の見栄。《見かけは国産のハッチバックと大して変わらないのだが、その実、価格も装備もやはり国産と大して変わらないという、すこぶる個性的なフランス車である。》撃て!p.59

    【黎明猫(仮称)】黎明ビルの駐車場あたりに住み着いた三毛猫。名前は特にないが体形からデブと呼ばれたことあり。
    【黎明ビル★】二宮朱美がオーナーで彼女自身四階に住んでいる。鵜飼杜夫の探偵事務所が三階にある。歓楽街の外れにある。
    【連続殺人】《実際、連続殺人を描くミステリに人間ドラマが本当に必要なのだろうか、という疑問は以前から流平のなかにあった。》密室の鍵p.67

  • 「死に至る全力疾走の謎」
    不可思議な事ばかり。
    計画は完璧で準備も万端だったのだろうが、予行演習は流石に出来なかったのだろうな。

    「探偵が撮ってしまった画」
    写ってしまった人物。
    気付いた時点で警察に行くなりしていれば、無駄に命を落とすこともなく居れたのにな。

    「鳥賊神家の一族の殺人」
    消えた死体が現れる。
    まるで見てきたかのように語られた推理であるが、何故あそこまで詳しく言えたのだろ。

    「死者は溜め息を漏らさない」
    口から出てきた光は。
    いくら子供とはいえ、目の前で事故が起きて誰かが倒れていたら通報ぐらいしないのか。

    「二○四号室は燃えているか?」
    依頼した本当の目的。
    黙っていれば関与したことはバレなかったろうに、何故自ら全てを話し始めたのだろう。

  • シリーズものとは知らず。
    ミステリーだけど深刻にならず、ポップでくすりとするような表現だった。

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著者プロフィール

1968年広島県生まれ。岡山大学法学部卒業後、2002年、光文社カッパノベルスの新人発掘プロジェクト「KAPPA‐ONE」にて『密室の鍵貸します』が有栖川有栖氏に推薦されデビュー。11年『謎解きはディナーのあとで』が第8回本屋大賞第1位に輝き、大ヒットシリーズとなる。「烏賊川市」シリーズ、『館島』、『もう誘拐なんてしない』、「探偵少女アリサの事件簿」シリーズなど著書多数。

「2023年 『谷根千ミステリ散歩 中途半端な逆さま問題』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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