彼女の家計簿

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著者 : 原田ひ香
  • 光文社 (2014年1月18日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334929251

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彼女の家計簿の感想・レビュー・書評

  • 働く女性たちへの応援歌と言ったらいささか言い過ぎだろうか。
    古い家計簿から始まった女性達の物語は思いもしない方向へ展開していった。
    シングルマザーの里里、NPO法人代表の晴美、そして家計簿を記した加寿。
    彼女たちの必死に生きる姿、働く姿、それぞれに物語がある。
    苦悩を抱え見て必死にもがきながら、それでも前に進んでいく姿にジーンとくる。
    一人として男性に依存している女性が出て来ない潔さもまた良い(笑)

    ミステリーかと思わせる展開にもグッと引き込まれ複雑な構成にも破たんがない。
    よどみのない滑らかな文章はまたすごい作家が出てきたなという印象を持った。
    ただ、謎の多い祖母と軋轢のある母親というと角田さんの「私のなかの彼女」が頭に浮かんだ。角田さんに比べるとどうしても浅い。
    もうちょっと母親との確執を掘り下げて欲しかった。
    でも一般受けするのはリズムがあってぐいぐい読ませるこちらの作品かもしれない。
    好みの問題かな。

    いずれにせよ、大変面白く読めた。
    さっそく以前の作品も図書館に予約しました。楽しみ♪

  • なんか…すごく良かった…。
    もう終盤の方は涙ぼろぼろでした。感動というのとちょっと違うんだけど、時代を超えた女達の生き様にぐっとくるものがありました。

    ちょうど今の自分の年頃が里里と重なって、私にも戦争の時代を生きてきた祖父・祖母もいるので自然と話に入っていけました。

    家計簿のちょっとしたメモから垣間見える加寿の生活。喜びや悲しみ、希望や不安が伝わってきて、会った事もない祖母との血の繋がりを感じることができた里里。シングルマザーという社会的弱者でありながら強く生きようと必死な姿は勇気をもらえます。

    自立支援団体の代表をしている三浦晴美もまた、女であるという性で傷ついた過去がある女性。その傷に呑みこまれないように必死に気を張って生きている姿にも心打たれました。

    決して女だけが弱い立場という訳ではないですが、女ってやっぱり甘えたいし、守ってもらいたい訳ですよ。

    晴美が昔つきあっていた永田義道と再会して、過去に囚われたままなのは自分だけなんだと、はっと目が覚めるところは切なかったけど良かったです。

    久しぶりに短時間であっという間に読み終えた作品でした。

  • プライベートとの折り合いなどで罪悪感を抱えながらも「頑張って働く女性」が話題になるこの頃。最近だけの話という印象が強いが、いつの時代も女性は働いてきたのだと再認識させられた一冊。
    今も昔もいろいろ折り合いをつけながら、罪悪感を抱えながら女性は働いてきたのだ。「だから、私も頑張ろう」とは感じさせず、「女は結局、こういう生き物なのだろう」とニュートラルな気持ちにさせてくれた。本書は、「頑張らなきゃ」という気持ちに客観性を与えてくれた。

  • 図書館でぱっと目について借りる。

    シングルマザーの里里。
    戦時中を生きた里里の祖母と思しき加寿。
    加寿が全面的に援助した女性向けNPO団体の
    代表の美晴。

    里里は祖母は男と心中したと教えられて成長し
    母はそれが原因なのか娘に対しては無関心で
    愛情のかけらもない態度を示す。

    里里は祖母のことなどまったく知らなかったが
    美晴がNPO団体の荷物の中で見つけた加寿の
    家計簿を里里に送ることで物語が始まる。

    謎を追いながら物語が進むのと
    戦時中の家計簿というその当時の様子を
    垣間見られる内容と現代における女性たちの
    いろいろな悩みや問題をうまく絡めてあって
    あっというまの読めてしまった。
    そしてとても面白かった。

    里里の母親との確執も少しだけとけかけ、
    里里のシングルマザーとしての暮らしにも
    美晴という頼れる友人ができて安定してきて、
    美晴も過去の重い事実を乗り越えて一歩進もうとする。
    とても前向きで明るい物語だった。
    またこの作者の新刊が出たら読んでみたいと思った。

    新しい作家さんの本だと流行り物やおいしそうな
    ご飯風景などを適当におりまぜて軽いみんなすきそうな
    話を作りましたーって感じの本も多い中、とっても
    重厚で作りこまれた話でとてもよかった。

  • すごく面白かったという訳ではないけど、読み進めていくうちに先が知りたくなる気持ちが強くなり、一気読みした。
    疎遠だった祖母、祖父、母の子供の頃を知ることができて良かったね。
    みんなそこまで悪い人じゃなくて良かったね。
    シングルマザーになる人の気持ちは理解できないけど、里里さんも啓ちゃんも仕事だけでなく心が安定した生活ができるようになればいいな、と思った。

  • 戦中戦後の家計簿を巡る女性の生き方を描いた物語。
    義母の面倒を良くみつつ銃後の守りを務めた、良妻賢母を思わせる家計簿をつけた人。
    幼子を残し一人で男と駆け落ちをし、最低と言わしめた主人公の祖母。
    風俗や水商売を経験した女性の転職を支援するNPOに多大な協力をしてきた定食屋の女性。
    彼女らの関係はいかに?

    そして、女手一つで子供を育てる主人公と、NPO法人運営に全力傾注するもう一人の主人公、彼女らの生き様はいかに。

    女性の社会進出云々と言われて、一体何十年たつのか?今や女性が働かずして日本は立ちいかないという状況なのに、いまだその就職や転職が不利な事実。まだまだ閉塞だらけの社会状況を踏まえた上で読むと、いたたまれなくなる部分もある。でも作者の筆が、たくましく生きてきた、そして生きている女性をしっかり描けていて、「やっぱおかんはスゲーなぁ」と感心しきり。

    強いわ、女は、やっぱ

  • 20160903
    時代を行ったり来たりの文章だったけど、読みやすかった。
    ひととひとがつながっていくのって、こういうことだよなぁと思った。

  • 面白かったわけではないのに「母親ウエスタン」を読んでから原田ひ香を忘れられない。この人の書く母親像のなんとも言えない歪みがクセになる。今回は、戦時中の家計簿を通じて、3世代に渡る女性の生きづらさとたくましさが表現してされていた。家計簿の内容も面白かった。

  • 原田ひ香さん5作品目にチャレンジでしたが、これまで読んだ作品の雰囲気や本作の装丁からいって勝手にほのぼの系のお話かと思っていたら、全然違っていて完全なある意味、ミステリーにも近い作風で驚かされました。4人の女性が時を超えて絡み合うクロニクルで、女性が働きながら子供を育てていく大変さがリアルに伝わる描写は圧巻でした。登場人物それぞれにどこか陰のあるキャラがまた魅力的で、ついつい気になり引き込まれてしまいます。シングルマザーの主人公「里里」があらゆる人物とかかわっていく中で変化していく様は微笑ましかったです。

  • 過去と現在が順番に。

  • シングルマザーで必死に生きる主人公のもとに、自分の祖母が若いころ書いたと思われる数冊の家計簿が郵送されてくる。祖母はどんな人だったのか、探りながら自分自身の生き方も模索していくお話し。

  • 原田ひ香5冊目。はずれなし!

  • 母親との確執があり、シングルマザーの里里(りり)。
    過去に忘れられない出来事があり、今は女性を援助するNPOの代表者、晴美。
    里里の祖母であり、NPOの土地を提供してくれた加寿。
    その繋がりから、発見された加寿の家計簿を里里の実家に送り、母親から回送された家計簿を読む里里。里里は母親から祖母は心中したと聞かされていた・・・。

    現代に生きる、自立した女性の生き方を模索する彼女たちのまえに、戦前戦後を生きた、祖母の人生の謎が明かされていきます。
    それぞれの人生が繋がっていき、加寿の家計簿に書かれたことが、親子の関係をすこしだけ前へ進めます。
    物語を紡ぐことが巧みで、すっかり読まされました。女性たちがいきいきと描かれていて、好感が持てました。

  •  複数の物語が進行するが、うまく処理されている。
     できれば、加寿さんの店を舞台にした物語を読んでみたいとも願う。

  •  たくさん本を読んでいると、余計な事ばかり気になってしまう。
     例えば、苦手な物語のパターンに似ているか、など。

     タイトルの通り「彼女の家計簿」をヒロインがてにするところから始まる物語なのだが、エピローグまで読むと、何というか、女つえー。たくましいってなる。心配していた人情モノでは無く、女性が社会の中で生きるというメッセージ性の強い作品だった。

  • 以下覚え書き。

    読みかけ。図書館の期限が来たため返却。また読みたい。

  • いろんな世代の女性の、どうにか自立しようとして生きていく姿に、すごく共感できる小説だった。なにか後悔する出来事があって頑張れるのかもしれない。NPOの代表をしている清美さんが、自分はそんな聖人ではない、過去に女性を殺したことがある、という話。「共犯」の男は、今はねずみ講みたいな仕事をしている。その罪に向き合う強さをもてなかったのだと思う。それは意思が弱いと同時に、支えてくれる人を、清美さんのような前NPO代表のような人をもてなかったからなのだろうと思う。人に支えられて生きているけど、それは自分自身で良く考えて反省しんがら行動することで成立する。

  • 送りつけられてきた祖母の家計簿からひととなり、人生をたどっていく。丁寧に書かれた作品と言う印象。

  • 残された家計簿で、時代を行き来する物語。

  • シングマザーの親子と NPO法人の代表が、残されていた家計簿で繋がる、奇跡のような話。みんなが幸せになる予感がして本当に良かった。それにしても、女性の自立は難しい。

  • 全体的に良かった。

  • 母親と関係の悪いシングルマザーの主人公。母親から突然送られてきた祖母の家計簿を読むことにより、家族を捨てて失踪したと聞かされてきた祖母の真実の姿を探る。

  • 母子家庭で実家にも帰ることができずに一人でやりくりする矢先の会社の倒産。

    そんな里里のもとに、母朋子から送られてきたのは、祖母加寿が戦中戦後につけていた家計簿だった。

    祖母の加寿は、祖父と母を捨てて心中したとしか知らなかったはずの経緯が
    家計簿によって明らかになり
    誰よりも自分に冷たく接してきた母、朋子にも真実によって救われる出来事。

    先祖のことっていうのは知らないことが多いかもね。
    母っていう存在の大きさは計り知れないね。
    この人の話っていうのはいい意味でちょっと一癖ある感じのやつなんだね!)^o^(

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