- Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334929343
感想・レビュー・書評
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ホラーとミステリがうまく融合されていて、すごく好みな感じでした。
両方の要素がある場合、京極堂シリーズのように、怪奇現象のように見えて実はちゃんとカラクリがありました、という作品が結構多い。でも、この作品では、怪奇現象が起こる「原因」についてはミステリ的手法で解き明かすけど、怪奇現象そのものは依然としてそこにある。
例えば、トイレに花子さんが出たとして、花子さんが死んでしまってトイレに出るようになった経緯は科学的、理論的に証明されるけど、花子さん自身は幽霊として確かに存在している的な。
怪奇現象については、スリッパが勝手に進むとか、ガソリンが減るといつの間にか給油されているとか、派手じゃないけど「何それ!?」と興味をそそられるものが多いです。ラストはホラーとしてのオチもついていて、なかなか怖い。最後の話だけはちょっとほっこりする内容でした。
連作短編になっていて、どの話でも「小泉」が登場人物から相談を受けて謎を解き明かします。各話の主人公たちは何らかの罪を犯している人が多く、それが怪奇現象の引き金になっているのですが、小泉に相談する前に自分の胸に聞いてみたらどうなんだ。心当たりありすぎでしょ!
中には展開が読めてしまった話もありましたが、全体的にはミステリとしても、ホラーとしても楽しめると思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
石持浅海らしかった。上手く数字が組み込まれててどの短編も楽しめたけど、テーマの都合上か似てしまっているので若干単調に感じる。
一歩ずつ進む、がいちばん好き。ナナカマドはラストが納得いかない…。
三階に止まるは何故これに収録されなかったんだろう? -
静かにぞわりとさせられるような、不気味な短編集。
最後の話のおかげで後味も良い。 -
石持浅海の、怪奇系ロジカルミステリ。連作短編集。
非科学的な現象に対し、その発生理由をロジカルに解き明かしていく、という作品集。
結構面白かった。
フーダニットやハウダニットが丸ごと削がれているのはさすがに少し寂しく、ミステリとしては評価しがたい。
しかし、人外のなにかが、人間味溢れる理由でささやかに生活に入り込んでいく感じは、温かいエンターテイメントとして読み応えがある。
作品が、1-2-4-5-7-9と進んでいくのも、遊び心があって好き。
「ナナカマド」はどこの雑誌で既読だった。一番好きなのは「五ヶ月前から」だろうか。
3- -
2015.5.12
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うひょー!星新一?じゃあないけど同じ読後感。久しぶりだなあ、この感じ。小泉さんいいですね。
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ホラーだと何でもありになってしまうからなー。
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超常現象と論理という相反するものが見事に組み合わされている。