- Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334929558
感想・レビュー・書評
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面白いマンガを読むような興奮があった。
アスペルガー症候群の斎木先輩が素敵。
4人のイケメンでドラマになりそうだし、この4人であと数冊書けるんじゃないかという気がする。
30前後とはいえ、今どきのこれくらいの男って、少年のようでもあり、大人のしがらみとも無縁ではなく、でもまだ夢を見る余地もないわけではなく、物語にしやすいのかも。『まほろ駅』とかもそうだし。
一気に話題になって消費されて終わるかもしれないけど、ほんものの作家なら残る。これからが楽しみ。 -
4人の男が何度か旅行する連作短編集。こういう、情けないところも不器用なところもあるけれど、普通に優しくて、だからこそちゃんと気を遣う男の人いる気がする。いろいろあってもみんな生きていくんだな。支えあうとかそんなんじゃなく、たまにすれ違うぐらいの関係もいいよね。
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仲良くもなく友だちでもないアラサー男性4人が一緒に旅行することになり、それが縁で関係が続いていく。
仕事も価値観も抱える問題も四者四様。近すぎず遠すぎずな絶妙な距離感で、なんたかんだでバランスが取れているような気がしないでもない。
所々での斎木の言動がたまらなくツボ。
これからも4人で色々な所を旅してほしい。 -
タイトル通り、友達というほど近くもなく、敬語を使い合うよな関係の4人が旅をする話。それぞれが主役の話が4本。みんなそれぞれ色々抱えてるんだなぁ。
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表紙絵は文庫よりこっちが好み
1話いちわ結構ベビーで完全に解決してないけど、
そのくらいでもいいかと思える -
やっぱ斎木さん、めんどくさい。
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表題のとおり、敬語で旅をするという友達といえるのかどうかも微妙な関係性の4人のアラサー男性にまつわる4つの話を集めた小説。それぞれの話で主役が切り替わり、なんらかの形で「旅」が絡んでくる。
こういう自分と同年代の人物に焦点を当て、その人生を掘り下げるような形式の小説は結構好きなのだが、この小説については、悪くはないのだが、そこまではまるというところまでは至らなかった。4話の中では、仕事と束縛系彼女に押しつぶされそうになっていた中杉幸彦が「敬語メンバー」との鳥取への旅で再生する「即戦クンの低空飛行」が一番面白かったかな。
4人の中では、発達障害の人の特性がよく表現されていると評判の斎木匡が特にキャラが立っていて、各話でも重要な役回りを演じていた。ただ、身近にこういう人がいると、だいぶ扱いづらいだろうなと思ってしまった。 -
2、30代の4人の男性を中心にした連作短編集。
一作のタイトルが「犯人はヤス」だったので、絶対ミステリーだと思って読んだら違った…別にヤス犯人じゃなかったし…タイトルずるくないか…。
オチがついて一件落着全て円満、なんてことは実際の日常にはないわけで、どれもはっきりとはしていない結末も、確かにそうだなと思う。
フィクションでは万事解決でスッキリしたい気持ちもやっぱりあるけど…。
大して近い仲でもない相手を気遣う場面が良くて、まさにちょうどそういう状況だったので、しなくてもいいかなぁお節介かなぁと迷っていた返信をしてみたら思いの外、相手を励ませたようだった。
読書もタイミングってあるよねぇ! -
「俺は低い場所ばかりをゆらゆらしている、ガス欠間近の飛行機のような生活を送っていたのかもしれない。高いところから見える世界の美しさなんて、すっかり忘れていた。狭い範囲の障害物ばかりが目に入り、墜落しないことだけを考えていた。」(158 ページ)
出会って間もない、
さまざまな個性と事情を抱える四人の男子。
敬語が抜けきらない関係の中、
旅を通し、互いを高いところへ連れ出す仲間となっていく。
彼らのように、
ナイーブだけど、強くて優しい友になりたいと思わせる物語り。