神の子 下

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (458ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334929589

感想・レビュー・書評

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  • 薬丸岳さんの本はやっぱり面白い!!

    18歳まで戸籍がなかった博史。
    神から与えられたかのようなその頭脳だけを頼りに、彼が生きるために選んだ道とは…

    ページを繰る手が止められず。
    週末に上下巻を一気読みでした。

    • あいさん
      こんばんは(^-^)/

      神の子、いいですよね〜♪
      私は図書館で借りて読んだのですが、町田くんを好きになってしまい、文庫化されてすぐ...
      こんばんは(^-^)/

      神の子、いいですよね〜♪
      私は図書館で借りて読んだのですが、町田くんを好きになってしまい、文庫化されてすぐ文庫本を買いました(笑)
      素敵な言葉もたくさんでしたね♪
      2017/01/17
    • azu-azumyさん
      けいたんさん、こんにちは~♪

      コメントありがとうございます。

      神の子、本当に良いですね!
      家事もそっちのけで一気読みしてしまい...
      けいたんさん、こんにちは~♪

      コメントありがとうございます。

      神の子、本当に良いですね!
      家事もそっちのけで一気読みしてしまいました(笑)
      私も図書館で借りて読みました。
      文庫本を買われたのですね。
      うんうん、その気持ちよ~くわかります。
      手元に置いておきたくなりますよね(*^_^*)
      2017/01/19
  • 『おれは生きるためならどんなことでもする。ただし、それは自分が生きるためだけにすることだ。
    他人のためにそんなことはしない。』
    身元引受人の前原製作所の仕事を手伝いながら大学に通う町田。
    同じ大学の学生のタメイドラッグの御曹司為井・発明家の繁村・晶子・リサらの会社『STN』設立を
    手伝う事になる。
    周囲は賑やかになり町田の感情も変化しているように見えた。
    会社はスキンアイカバーという商品がヒットした事によって、多くの従業員を雇い入れ事務所も移転…
    順調に成長していた。
    しかし、全ての始まりだった殺人事件と、室井が率いる組織は町田を放っておいてはくれなかった…。
    室井とは、本名木崎一郎
    8歳で保護されるまで彼は名前すら覚えていない。
    新しい戸籍が与えられた。どこか町田と似た境遇…。
    木崎の狙いは町田を組織に引き戻す事ではなく、町田が大切にしているものを壊す事にあるのではないか…
    STNの健康被害の問題・前原製作所の家事も、そして稔が施設から連れ去られた事も…。

    犯罪組織を率いる室井とは一体何者なのか?
    何故これ程までに町田に執着するのか?
    徐々に明らかにされていきます。
    もう少し室井について深く知りたかったです。
    壮大な反社会組織を描き出そうとしていて、最後数十頁迄、終わりが想像もできませんでした。
    そして、町田と木崎(室井)の直接対決はどの様になるんだろう?って思っていましたが、
    現在の木崎(室井)の状況に驚き…余りにもあっけなく勝敗がついてしまった。
    変わらなかった木崎(室井)と、信頼し合える仲間を持ちそういう存在が大きな力となりどんな苦境に立たされ
    ても這い上がれると思える様になった町田との違いなのかな。町田の置かれた状況は、とても過酷で絶望的
    に孤独なのですが、周囲の人達と自分の強さや努力によって少しずつ変わっていき、
    少しずつ幸せになってゆくのがとっても良かったです。
    ラストは希望に満ちた終わり方でホッとしました。

  • すごくいい本だった。薬丸さん本当に面白い。
    綺麗すぎる終わり方だったけど、すごくいい気持ちになれる本。
    イヤミス大好きだけど、やっぱり精神衛生上はハッピーエンドの方がいい。こんな殺伐とした時だから、心が温かくなるラストがとても良かった。

    900ページ越えの上下巻で超大作だったけど、あっという間に読了。とにかく次が気になって気になって。その反面、読み終わるのが惜しくて残りのページが少なくなるのが寂しかった。

    ただ、もやもやが3つ。
    ①結局、神の子とは一体何だったのか?
    ②大物政治家も領事館も自由に使える闇のフィクサーって一体どんな活動をしているのか?出てきたのは振り込め詐欺だけだったのでいまいちどんな恐ろしい組織なのかピンとこなかったかな。
    ③木崎が唯一愛した11歳で自殺した少女って誰?ここってさらっと流すとこ?

  • 少しずつだが穏やかな表情を見せる様になった町田の周りで災いが続いて起こる。自分と関わると不幸になると感じた町田は皆と距離を置く。
    災いは全て室井の仕組んだ事なのか、仲間の中に裏切り者はいるのか、STNはどうなるのか、町田くん不足と室井との決着に物足りなさを感じるが下も読み応えあり。

    「あんたもおれもちっとも優れてなどいない」自分の頭脳だけを頼りに生きてきた町田がやっとそこに辿り着いた事が嬉しい。生きていくのに大切なのは心なのだ!それを教えてくれたのは仲間。

    内藤や楓の調査はあんなにうまくいくものだろうか。個人情報があってあんなにぺらぺら教えてくれないと思うのだけど。室井のしたかったこともちょっとよくわからない。
    町田くんが行方不明になっている間何をしていたのか詳しく書いてないのが不満。

  • 本日読了。

    ●2023年3月27日、追記

    読了した著者の作品をメモしておきます。

    ・天使のナイフ 2005年
    ・死命 2012年
    ・友罪 2013年
    ・神の子 2014年

  • ドキドキする展開が続くミステリー。

    最後のたたみ方が急ぎ足すぎているのが残念だったけど、全体的に満足感ある物語でした。

    すべての役者が霞んでしまうほど楓の心に惹かれる物語でした。

  • 緻密な人間関係で盛り上がってきても、いかんせん所々に手抜きかよ…とツッコミたくなる安易な心情や展開が差し込まれるのが冷めてしまう要因。脳細胞の何処かが壊れているとしか思えない凶悪犯が、妙に情にもろいシーンがあったり、都合のいい人物が登場したり。内藤が弁護士に町田の今をペラペラ話すとか、楓にミノル探しのきっかけを与えてしまうとか、ミノル探しの為の楓のSNSの利用法とか、楓1人で日暮時にホームレスの男に着いていき予想通りに襲われる展開とか。常識を疑うほどにありえん。雨宮がミノル探しを継続する理由も、「乗りかかった船」だからなんて、説得力弱っ。
    とは言え、長編をモノともせずあっという間に読み切らせるのは、取り上げる題材が自分にとって興味深いからなんだとは思う。薬丸さんの、罪に対する贖いの落としどころが気になる間は、薬丸ワールドしばらくひたりそうではある。

  • それぞれに違う理由で不幸な生い立ちを持つ登場人物達が、最後は収まるところに収まり、気持ちの良い終わり方を迎えている。上巻で風呂敷をかなり広げているので、下巻でどのようにそれを折り畳んでいくのかと興味深く、読みながら少しずつ判明していくそれぞれの過去に、自然と読むスピードが上がっていった。
    自分の気持ちや利益を最優先にする限り、いくら卓越した能力があっても本当に大切なものは手に入らないよといった内容を長く丁寧に語っている、軽やかな作品だった。

  •  町田に執着する室井。
    その室井も町田と同じような経歴の持ち主で、知能指数の高さを武器に社会を生き抜いて、同じような境遇の知能指数の高い子供を選別して、仲間に加えていた。
     そんな室井は、私たちが知的障害者を差別したりするように、知能指数万能主義で、人を差別しているとしか思えなかった。
     かつては、全く人との交わりを好まなかった町田が、前原家の親娘や、為井達との交わりの中で、相手の事を大切に考えるようになっていった事が嬉しかった。
     みんなが未来に向かって希望の持てる私の大好きなラストで嬉しかった。

  • ポンポンと進んだ上巻。
    下巻を読むにつれ、ラストはハッピーなのかバットなのかドキドキ。
    でもラストの畳み掛けの所が少し弱かった気がする。
    あれ?みたいな。失速感があった。
    それまでが面白かった分のギャップが。
    でも町田にとってはいい終わり方だったから★3にする。

  • 雨宮は組織と縁が切れないのか。姉のことがあるからしょうがないのか?
    町田は人との繋がりに救われているなぁ。
    本人は望んでいないようなのに不思議なことだ。
    自分を信じてくれる人が一人でもいたら、何とかなるのかもしれない。

  • 読んでる間はオモロい。
    層を織りなす人間関係、程よいスピード感と緊張感、謎解き部分もサイコな部分もちりばめられ、ページを繰る手が止まらない…こりゃすげーわ!

    と思ったんだけど、下巻あたりから「ン?」な違和感、後半になるにつれザツさが目立つように思われてきて、「きっとこれも仕掛け、これも何らかのトリックや」と妙な期待を抱いて読み進めていくと…

    裏で糸引いてた人物の正体はそのまんまやわ、ヒロイン1名は使い方の悪いかませ犬やわ…、張った伏線を回収しようとしているのはいいけど、きっちり巻いて回収しないからもつれてしもてるねんなぁ。

    登場人物や架空の団体の設定も玉石混交で、せっかくの魅力的な設定のキャラがテケトーな設定のもんと関わって勿体ないことになっていたりする。
    例えば、裏組織の個性、最後の最後まで輪郭ボヤけすぎ。もっときっちり色つけた方がリズム良かったと思う。不気味さを演出したかったのだろうけど、あれじゃ不気味さすらボヤけてしまってる。

    色んな設定をもっと細かくしておいてから、綿密な筆運びで収束を急がなかったら、とんでもない小説に化けたやろうに。このままでも十分オモロいとはいえ、ちょっと残念。

  • 上巻からの続き。
    主人公の町田の成長も感じ取れる内容ですが、それよりも町田の周辺の人物の物語が中心です。終わりは意外にあっけなかったです。
    町田の圧倒的な頭脳を利用した大逆転劇なんていうのを期待しながら読みましたがそうではありませんでした。
    でも十分読みごたえがあり面白い作品です。

  • 一気に読みましたね。読み応えもありました。
    雨宮姉弟が哀しい。雨宮弟、たとえ悪いことをたくさんした人間だとしても、一番大事に思っていることの報われなさに切なくなりました。
    そして主人公の町田の本当の思い。そしてあの人の思いがけない過去と(何かありそうとは上巻の最後のほうから思ってましたけども)あの人の思いがけない顛末。
    小説なのですが、人の運命と言うことを考えさせられますね。

    最初はちょっとへもい感じで共感できなかった為井君が、最後に向かうにつれてとてもかっこよくなってきました。
    珍しく(?)ほとんどの登場人物にどこかしら共感したり切なさを感じさせられたりした作品でした。

    薬丸さんは「神の子」とは、最初はもちろん町田を想定して書き始められたそうですが、話が進むにしたがって町田だけではなくほかの登場人物たちそれぞれも神の子かもしれないと思いながら書き進めることになった、と言うような話をどこかの雑誌で読みました。

    特殊であるということはたとえ優れていたとしても生きにくいものなのかもしれませんね。

    薬丸さんは、これからもずっと注目し続けている作家さんの一人です。

  • 展開はスピード感もありドキドキ楽しく読んだ。ちょっと終わりは少し緩んだ印象を受けた。人は孤高に生きようともやはり誰か傍にいてほしい生き物なのだと思った。誰かと少しでも関わって生きていくことの必要性を感じた。面白かった。

  • 上巻に続き、とても面白かった。ムロイの組織がどう展開していくのかという点では、物足りなかったけど、町田を取り巻く仲間たちと、その仲間たちに対する町田の心の動きに感動。本当に最後の最後まで引き込まれ一気読みでした。さすが薬丸岳さんです。

  • 盛り上がった前半をどう決着させるのか楽しみに読んだけど、やや物足りない印象。
    風呂敷が広がりすぎたのか、登場人物の掘り下げが足りないので読後の充実感が今一歩。
    柳葉敏郎さんしか思い浮かばないラスボスが、どうしてそんな恐ろしい人間になってしまったのか全く理解できないし、世界を変えると言う話はどこへ行ってしまったのか。
    主人公がいつどこで居候先の女の子と心を通わせたのかわからないし、ヒーハーと叫ぶイメージしか沸かないあの良いキャラがそのあとどうなったのかもわからない。
    落とし所が小説自体の中でわからなくなってしまったような最後を迎える姉と弟や、変人発明家の結婚相手など、そもそも登場する意味があったのか疑問なキャラもチラホラ。

    とはいえ、続きが気になって長さは感じず楽しく読めました。また次の作品にも期待。

    追記。「華原」さんは笑わせにきてるとしか思えない笑

  • 高3 ◎

  • よかったよー。仲間っていいね。最後の方までなかなか展開が読めなくてどうやって終わるんだろうと思っていたけど、いろんなものを回収して無事着地。いろんな苦境があるかもしれないけどこの仲間ならきっと乗り越えられるよ。

  • 上巻の展開の感じからして大きな対峙は避けられないと思っていただけに終盤になってあっさりしていたような。特に雨宮姉弟や夏川、室井の心理は会話や状況で察するように書かれていて、思考や心理は想像していたより深く説明されていなかったので。ともあれおもしろかった!

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著者プロフィール

1969年兵庫県生まれ。2005年『天使のナイフ』で第51回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。2016年、『Aではない君と』で第37回吉川英治文学新人賞を受賞。他の著書に刑事・夏目信人シリーズ『刑事のまなざし』『その鏡は嘘をつく』『刑事の約束』、『悪党』『友罪』『神の子』『ラスト・ナイト』など。

「2023年 『最後の祈り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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