恋する狐

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著者 : 折口真喜子
  • 光文社 (2014年8月19日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334929640

恋する狐の感想・レビュー・書評

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  • 夜が今よりももう少し暗く、分からないことに恐れを抱いていた頃には、人々の周りには多くのもののけ達が居たのかもしれません。

    時代は近世江戸の頃、蕪村をとりまく人々の生活の中に見え隠れするもののけ達。けっしておどろおどろしいものではなく、小さないたずらがかわいくもあり、時にしんみりと切ない。

    蕪村の俳句の世界が短い小噺となり、古典落語の人情話を聞いているようでとても不思議な世界観。前作「踊る猫」の続編ですが、是非「踊る猫」も読んでみたい。

  • 一度だけ本当の恋がありまして
        南天の実が知っております

    冒頭、山崎方代の歌集『こおろぎ』から引用されていた、上記の歌にぐぐっと掴まれてしまいました。

    本書は与謝蕪村とこの世のものではないモノたちとの短い物語を収めた短篇集。
    現代に比べて、この世とこの世でない世界の距離が近く、境界もあいまいであったのだろう…と思わせる描き方がすてきです。
    時間の流れがゆるやかな時代の空気が感じられました。

    9つの短篇のうち、特に好きだったのは美しき妖刀を描いた「鈴虫」と、表題作「恋する狐」です。
    狐に騙されても「わしは運がよかったのかもしれへんな」とご機嫌でいる蕪村がすてき。
    冒頭の南天の歌とも関わる物語であることも、惹きつけられた理由です。

    前作『踊る猫』(こちらも私好みのタイトル!)もあるとのことなので、そちらも読んでみたいです。

  • 表紙がとってもかわいいので、以前から気になっていた。
    なんだかよくわからないものたちがわらわらと。
    しゃばけっぽい感じなのかな、と思ったのだけれど、
    本編に彼らがでてくるわけではない。
    けど、気配はする、そしてちらりと姿をみせたりもする、
    とゆー感じ。
    これは、好き。めっちゃ好き。
    蕪村さんってあの蕪村さん??
    おお、若冲さんってあの、若冲さん??
    っと、有名な人がちょいっとでてくるのがいい。
    とゆーか、多分これは蕪村さんの句がテーマになっているのでしょう。
    とはいうものの、蕪村さんがメイン、という感じでもなく、句の向こうに見えるそれぞれの人たちのそれぞれの物語が、優しくて切なくて、あったかくて。
    どうかすると、ドロリとする展開にもなり得る状況もあったりはするのだけれど、そのへんはうまくかわして軽やかに語られる感じが、好き。
    ああ、そこが俳句っぽいのかな。

    燕のはなしのおたかの母親のキャラクターが、いい。
    絹さんじゃないけど、ほれるわあ。(笑)

    表題のは蓮がよかった。
    うーん、そんな化かしにならあってみたいもの。

    シリーズ化希望。

  • 与謝蕪村の周りで起こる不思議な出来事の短編集。
    妖刀や小鬼と言った物の怪も登場しますが怖くは分く、むしろ穏やかな物語ばかりでした。
    のんびりとした時が流れる本でした。
    燕の子安貝の話と小鬼の話が良かったです。

  • 『踊る猫』に続く、与謝蕪村と物の怪たちの妖異奇譚二作目。
    相変わらず、表紙が可愛すぎる。

    前作に比べ、更に読み易くなった気がするし、文量からも子どもでも充分この不思議な世界に入っていけるだろうな、と思う。
    ちょっと大きくなった子どもと、ゆっくり堪能して欲しい。

    一番のお気に入りは、「鈴虫」という妖刀の話だ。美しい男と、美しい刀が成すラストがなかなか絵になって素敵。

    それから、お盆の迎え火を題材にした「虫鬼灯」もじんわりくる。
    あの世とこの世の狭間は、いつも日常のほんのすぐそこに口を開けている気がして、そういう何気なさを描くのが上手い。

    今作では与謝蕪村の美術に対する考え方や、若冲も出て来て、個人的に満足。

  • 蕪村の周りの、ちょっと不思議で温かい気持ちになれる短編集。
    前回の『踊る猫』と違い今回は蕪村の絵に因んだ物語。

    短編の中で「虫鬼灯」「鵺の居る場所」は切なくて温かさがじわじわ染みて泣けたけど、一番は「箱の中」。
    亡き祖母の部屋の天井裏から出てきた一つの箱。
    おりんが我慢できずに開けてみると…。
    若い頃の祖母が心の中に小さな箱を隠し持ち必死で明るく振る舞う姿に泣けた。その箱の中で小鬼がけらけら笑いながら見守ってくれている…。

    若冲曰く、蕪村の絵は見る側に色々想像させる力があるという。
    蕪村の「伝わる」絵を私も体感したい!
    シリーズ第3弾も是非描いてほしい‼

  • 蕪村の周囲でおこったちょっと不思議な短編集
    妖怪が出て来るのに全く怖くなくむしろほのぼの
    『虫鬼灯』と『箱の中』が好き

  • 字がデカイっ!!
    本をひらいてビックリしたよ

    前作よりも、さらっと読めました
    さらっと不思議話
    さらっと人情

  • 短編集。蕪村が出てくる。可愛い妖怪譚。

  • 雰囲気良し、ちょっと香る切なさ良し。時代の風俗良し。
    たまたま手に取った本なのですが、なかなか私好みで大変嬉しかった。だからAmazonでなくて本屋さんが必要なんですよね。表紙を見て惹かれる体験は大事だ。
    話の流れ上大きなことは起きません。ゆるりゆるりと静かに切ない。だから大きな胸を打つ感じがあまりなかったのが星ひとつ減らした理由です。でも、大好き。
    「蛍舟」よくよく読んだら、平家源氏の話が最初のこの話と最後の「恋する狐」でリンクしてるんですね。昔は蛍もたくさんいたんだろうな。今はぽつりぽつりしかいなくて悲しいですね。私もこんな風に死にたい。
    「いたずら青嵐」この作者さんの芸術に関する思いが伝わってくるようだった。「ほろ酔い又平」とリンクしてるのかな。
    「虫鬼灯」奇しくもお盆が近い。私の可愛いわんこは帰ってきてくれているだろうか。そんなことを考えていた。
    「燕のすみか」こんな父親がいいですね。お母ちゃん激強。私も惚れ惚れしてしまった。
    「鈴虫」結局佐々木さんとは結ばれなかったところが、なんとも切ないような、でもそれで良かったような。過去と現在が入り交じるからちょっと読みにくかった。
    「箱の中」これが一番好きかもしれない。小鬼可愛いな。私の中にも小鬼はいるのでしょう。美峰さん、いい男ですね。おかしな縁談だけど、みんな幸せだ。不思議。
    「鵺の居る場所」これが二番目に好き。みよちゃん、切ない目にあったのに前向きですごく強い。彼女の幸福を祈ってしまう。
    「ほろ酔い又平」切磋琢磨しあう二人の異なる絵描き。いいですね。立場も違うし、描く絵も違うのにお互い認め合ってる。
    「恋する狐」頭悪くて言われるまで敦盛だと気づかなかった。蓮生、なかなか律儀な人ですね。平家物語の敦盛の章をまた読みたくなった。

    レビュー読んで、これが二冊目であることを知った。是非とも前作も読みたい。

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