絶叫

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著者 : 葉真中顕
  • 光文社 (2014年10月16日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (522ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334929732

絶叫の感想・レビュー・書評

  • ラスト凄かった。
    怒涛のように終わった感。

  • ちょうど世代が一緒のせいか、子供のころからの時代背景がすごく分かる!ってなる。
    アパートで孤独死していた鈴木陽子はいったいどんな人生を生きたのか、探るうちに様々な事件が絡んできて…。平凡な名前の女の、平凡ではない物語。

  • 幼少期からどん底の人生を送り続ける女性が、身体を売り、人を殺め、多くのものを棄てた先にあったものとは。
    いわゆるどんでん返し系とは一線を画し、あくまで物語の主軸はブレずに、ついでのように強烈などんでん返しを据えている筆者の実力には唸るばかり。
    しかし、主人公の章があまりによくできているため、ほぼ同じ頻度で書かれる女刑事の人物像が薄く感じられてしまい、バランスが悪いのが唯一の減点ポイント。

  • +++
    平凡な女、鈴木陽子が死んだ。誰にも知られずに何カ月も経って……。
    猫に喰われた死体となって見つかった女は、どんな人生を辿ってきたのだろうか?
    社会から棄てられた女が、凶悪な犯罪に手を染め堕ちていく生き地獄、魂の叫びを描く!
    +++

    まず冒頭に、ひとりの男性が殺害された新聞記事が置かれている。それに続くプロローグで、物語の主人公である鈴木陽子は、多数の猫に食い荒らされて死因すらわからない孤独死状態で発見されるのである。物語は、陽子が幼いころから順を追って、彼女を「あなた」と呼ぶ誰かによって語られる章と、捜査する刑事・奥貫綾乃の視点で語られる章とが交互に繰り返される形で進んでいく。無残な死体となるまでの陽子の生き様は、ほんの少し踏み出す角度がずれていたら、誰もが陥ってしまったかもしれない道筋のように思われ、そのときどきには抗うことができなかっただろうと、絶望的な気分にさせられる。それでも、なんとかならなかったのは、やはり彼女の育った環境と、それを跳ね返せなかった彼女自身の弱さゆえなのだろうか。さまざまな汚れ仕事を経験し、犯罪の片棒を担ぐまでになってしまった彼女だが、彼女を「あなた」と呼ぶ人物に光が当たったとき、驚きに目を瞠るとともに、なぜか少しだけほっとしてしまったのも事実である。読み始めたら目を離せなくなる一冊である。

  • 宮部みゆきの火車に似てる。まあもっとひどいですが。どんどん落ちていく系の話は読んでて重たくなりますが、最後もすっきりせず。一番憎くて、愛しかった母親を自分の手で殺すことで、彼女は救われたのかな?途中からオチが見えてくるのですが、それでも気になって一気に読んでしまいました。結局陽子はどうなるの・・?と思ってたらそうかー!ミス・バイオレットってそういうことかー!皆さんの書き込み見るまで気づかなかった!うーん、さわやかだけど後味の悪い不思議な感じ。

  • 面白かった。途中途中、取材した内容がそなまま説明口調で書かれてたのがちょっと気になったけど。、

  • なるほど・・・絶叫、だわね。
    そして恐ろしいまでの清々しい読後感!?w 
    ひ~!コワコワ~~!!!
    弱肉強食?やっぱ、女はコワいわ~。。。

    なんか、途中から「嫌われ松子の一生」みたいな印象が、ずーっと付きまとってた。

    自分が陽子だったら、どうやって生きたかなぁ・・・?

  • マンションの一室で見つかった女性の遺体。
    死後何ヶ月もたち、飼い猫に食われた白骨の遺体、なぜこうなったのか。

    遺体の身元を洗う刑事と、遺体である「陽子」に呼びかける「私」の視点。
    なぜ二人称?と思ったらそうきたか…
    壮絶だった。

  • 『殺人鬼フジコの衝動』と馳星周の暗黒小説の中間にあるような、つまりは自分にとってとても好きな世界観の作品でした。
    一人の平凡な女が辿る転落人生を、ドス黒く描いています。
    その女の犯罪を暴き、更には女の人生を逆に辿っていく女刑事からの視点を織り混ぜた物語構成は、とても巧みで、それがこの作品を優れたミステリーにしています。
    ドス黒い物語であるのに、読後感がなぜか爽快なのも、女刑事視点からの章があるからと言えます。
    ドス黒い物語が嫌いな人には、勿論お薦めできません。

  • 【図書館本】主人公である鈴木陽子と僕はほぼ同じ世代ということで、物語の時代背景がとても懐かしかった。何故「絶叫」というタイトルなんやろうか。正直、理解出来ていない。(^-^;

  • なんてこった…て言うてもた。

  • オチがすごいぞ

     参ったなぁ。物語そのものは暗くて救いようがないんだけど、どんでん返しの結末と真ん中あたりにつながるオチが素晴らしい。その真ん中あたりの伏線は、読んでいるときに違和感を感じていたからその回収時に驚いたわけだけど、まさかって感じが良いなぁ。なかなかの力作だった。どんでん返しは新鮮とはいえ無いから、あのオチだけで500ページを読み切ったようなものだな。

  • 愛されずに育って、愛されたいと生きた女の悲しくもたくましい物語。

    保険業界の闇とか、結局売春とか
    とことん墜ちていってしまう主人公。
    誰かに必要とされ、認められるって
    人格形成にすごく大きなことなんだな。
    それが欠如すると、人間は生きにくくなって、
    結局こうなっていくしかないのか。
    この女は、生き延びていく力として
    人を殺すことを積み重ねていく。
    そうするしかないのか。
    それでも生きていこうと思うのか。

  • あなたとわたし。本来はあり得ない主観と客観をうまく織り交ぜ、事実と心情を破綻することなく融合させている。でもそれすらもすでに騙されてる。
    あらすじを呼んで、どん底の女が、どん底の最期を迎える話だと全522ページ中の471ページまで信じてた。もしや、これはどんでん系なのか?
    しかしまだ甘い。505ページで彼女の名前を見るまで真相には気づけず。間違いなく読み終わったあと、ページを遡ることになる。

    すべては必然であり、己で選びとれることなんかひとつもない。分岐のない一本の線の上を転がっていくだけ。でもそれを俯瞰して見通すことなんかできない。何もわからない。その事実の本質はつまり自由だということ。「あの時ああしていれば」はない。今と過去は一直線、今と未来も一直線。当たり前と言えば当たり前。ぷちぷちと笑う悟りを開いた金魚の対極にいるのが素敵な選taxi竹野内豊ですね。分かります。

    物語の軸の両端にある綾乃と陽子の視点が、物語の終着であり真実でもある中心に向かって歩み寄ってゆく構成。核心にせまるにつれてその切り替わりが早くなってゆくのも、こちらの焦りや高まりを煽り、ページを捲る指が止まらない。

  • 世の中の大きな出来事を絡めながら時間を進めていく。あの事件の時は何をしていた、のように。自分とほぼ同世代の主人公が歩んだ、哀しい人生。同じ事件を共有したのに。
    母親に愛されなかったことがこの物語の核か。事件を追う女刑事は子を授かりながらもその子を愛することができなかったし。文中「あなた」に語り掛けているのが誰だか気になっていたが、終わりになって初めて理解できた。

  • 平凡な女の転落人生的な内容と並行しながら犯罪が少しづつ暴かれていくーーーといった感じで話は進んでいきます。
    平凡な人生はどんどん悪い方へ墜ちていくで最後で逆転?
    読みやすくて平凡な女の人生の悪いパターンを知った感じでした。

    帯に「ラスト4行目に驚愕」と書いてあったので最後の4行目で大どんでん返しなんだろうと思っていましたが…全く別の意味でした。

    人を殺したあとにあんなふうに表現できる平凡な女の心理に驚愕しました。

  • 話の書きっぷりからして女性の作者だと思っていたが、男性とのことで意外だった。
    絶叫というタイトルは少し大袈裟な感じもするが、現代社会は絶叫をあげたくなるような混沌と悲惨で溢れているということを改めて認識させられる。

  • 今の世の中、少なくとも現代ニッポンにおいて、本当にタチが悪いのは、根深い怨念や憎悪で動く陰惨で邪悪な悪人じゃなくて、薄汚い金銭欲や物欲で、その場限りのラクをしようとする浅ましさに流される奴ら。

  • 3月10日読了。時間がたって、飼い猫に食い散らかされた状態で見つかった女性死体。女性の過去を調べながら驚くべき真相に行き着く女性刑事の話。途中描かれる保険外交員と上司の関係が本当に気持ち悪かった。実際、そうそうないかもしれないけれど、保険のニーズがある程度飽和している中新しい顧客の開拓は大変という言葉で一口で語れないものがあると思う。結末は途中からそうかな…と思ったがこれでもかと描かれる悲惨な境遇に胸つかれながら読み終えた。今時、本当にありそうな悲惨な話だと思った。

  • これが2作目の新人の作家さんでしたがとっても面白かったです!
    (ライターさんやってたり違う名前で児童文学でも賞をとってますが一応新人ということで)
    自分への語りかけ口調と女刑事さん目線とで物語が進むんだけどそのバランスもよかった。自分への語りかけは主人公陽子の一生を追っていくんだけど、年代が同じだから時代背景もよくわかるし感情移入しやすかったというか。
    サクサク読めたし最後もちゃんとしてたしお気に入りの作品です。
    あと札幌も少しだけ出てくるのが嬉しい(笑)
    ぜひデビュー作も読みたい。

  • 圧倒的な筆力。怒涛の展開。畳みかけるような心理描写。予想を上回る結末。ただただ引き込まれるままに、徹夜で一気読み。平凡な女が、ありがちな躓きで坂道を転がり落ちるように社会の底辺に墜ちていく様が、本当に緻密に描かれている。そして、流されるままに転落していた女の、鮮やかな反転。重い内容にもかかわらず、爽快感さえ漂うラストに思わず大喝采。また一冊、驚愕の物語に出会ってしまった。

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