絶叫

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (522ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334929732

感想・レビュー・書評

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  • 誰からも愛されず叫ぶより、誰かを愛し続けていたい。救いの手が見つからず叫ぶより、誰かに手を差し伸べていたい。それでもどうしようない時がある。主人公陽子とは、誰もが抱える自分自身への問いかけに思えた。

  • 初めての作家。最初グロさにやや引いたけど、最終的にはそれも伏線だったと分かった。読み進むほどにハマっていくし、世相を反映してるところも興味深かった。まだ作品数少ないのが残念だけど、面白かった。

  • 作品中に寂しさが漂う作品でした。
    ストーリーは二転三転してとても面白かった。

  • 見事でした。伏線が回収されていくってこういう事か!と気づかされました。
    平凡で地味な女性が最終的には殺人者になっていく過程がとてもリアル。
    自分の人生、どこで間違えたのかを問う場面は、読んでいる側からしても何故こんな事になってしまったんだろう?と思ってしまう。
    元々の自己肯定感の低さに加え、重なる不運が呼んだ結果。
    最後の母親を殺めるシーン、やりきれない気持ちになり涙しました。
    彼女は本当に、別人になれたのだろうか。

  • 一気に読了。
    一人の女性が堕ちていく話
    だと思ったけれど、
    途中からは自ら進んでいくような気さえする。

    どんな状態でも必要とされると
    こんな風になってしまうのだろうか。

    追う女刑事が真相に迫りながらも、
    迫らない。

    この刑事の気持ちが一番わからなかった。

    絶叫はいろんな人の絶叫か。

  • 何故だかわかんないけど、初めの辺りで、見当がついてしまった。
    だから、その後は、その見当が当たっているのかを確かめるために読む作業になってしまった。

  • 「人間って『ここなら大丈夫』って思える、自分の居場所が絶対に必要だと思うんです」
    事件を追う最中一人の女性の放ったこの台詞が胸に染みた。

    「鈴木陽子」の死体現場に立ち会った刑事・綾乃は、事件性のない孤独死と思われた陽子の死が、複雑な事件と絡まっていることに気付いていく。
    事件の謎を追いながら、自分と陽子を重ね合わせる綾乃の半生もまた、同じ女性として遣りきれない。

    幼い頃から平凡でぱっとしない自分を卑下し、必死で自分の「居場所」を探してきた。
    他人から必要とされることに喜びを感じ常に受け身だった陽子は、自分の「居場所」を作ることに目覚めていく。

    ラストの陽子の絶叫が胸を打つ。
    そして何度も繰り返される陽子を呼ぶ声が今でも切なく聴こえてくる。

    ふとした弾みで私もそちら側に転げ落ちるかもしれない…。
    「鈴木陽子」になる可能性は誰もが持っているから。

  • 現代世界で女性であること。望まれない幼児期、冴えない中学生、田舎への絶望、搾取される仕組みと気づけない感覚、性産業…

    そういった世相を捉える社会小説としても良かったけど、そういう裏側を直視させながら(それだけだったら飽きてた)、同時に二つの事件を様々な証言から捉えていってその死の真相がわかる、そのプロットが素晴らしかった。

  • 2017.07.05入荷待ちしてやっと手に入れた中古本!
    さあ、読むぞ
    →メチャメチャ面白かった。久しぶりに入り込めた作品。一気読み

  • 読友さんがオススメされていた本。横取りお先に失礼します!

    厚いけど読みやすい。でも初っ端からなかなか重い内容なので、少しずつ読みました。
    で、衝撃のラストというのが理解できてなくて、ネット検索してしまいました。じわっとぞぞぞ。
    葉真中さんの他の本も気になるけど、結構キツかったので立て続けには読めないな〜。

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著者プロフィール

葉真中顕

1976年東京都生まれ。2013年『ロスト・ケア』で第16回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞しデビュー。2019年『凍てつく太陽』で第21回大藪春彦賞、第72回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞。

「2022年 『ロング・アフタヌーン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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