アルジャジーラ 報道の戦争すべてを敵に回したテレビ局の果てしなき闘い

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制作 : 河野 純治 
  • 光文社 (2005年8月24日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (447ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334961848

アルジャジーラ 報道の戦争すべてを敵に回したテレビ局の果てしなき闘いの感想・レビュー・書評

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  • 無謬のごとく礼讃する本の姿勢に違和感を覚えないこともないが、日本にいてはわからないようなテレビというメディアの可能性を実感した。

  • 天然資源に恵まれた裕福な国とはいえ、湾岸諸国の中でもカタールは
    小国の部類に入る。その小国に誕生したのがアルジャジーラだ。

    シオニストの手先、CIAの手先、テロリストの擁護者、アメリカ政府の傀儡等々、
    アラブ諸国から欧米まで、様々な政府からの非難を浴びながらも、その報道
    姿勢は一貫して変化することはない。

    社の理念である「一つの意見があれば、別の意見がある」を貫き通し、ニュース
    価値があればテロリストと呼ばれる者たちの声明さえ電波に乗せ、アメリカの
    メディアが自主規制したアフガニスタンやイラクでの民間人の被害の様子、
    捕虜になった米兵やその遺体までを報道する。

    検閲報道を当たり前と考えているアラブ諸国からは支局の閉鎖や国交断然の
    憂き目に遭い、アメリカ軍からはアフガニスタンとイラクの支局を攻撃される。

    「言論・報道の自由」を掲げるアメリカが、いかにまがいものかをあぶり出した
    点も秀逸である。

    イスラム世界の反米感情を煽っているとして、アメリカ政府はカタール政府に対し
    てアルジャジーラの報道姿勢の見直しを迫るが、アルジャジーラが圧力に屈しない
    とみると、戦争報道とはまったく関係のない経済担当記者をニューヨーク証券取引所
    から締め出す。

    アメリカ軍に従軍したスタッフはアメリカ人ジャーナリストに機材を破壊され、現場の
    スタッフはアメリカ兵に銃を向けられ、暴行され、逮捕される。

    アメリカ政府は一貫して「テロとの戦いであり、アラブ人を敵視している訳ではない」と
    声明を出してはいる。では、悪名高い「愛国者法」の名の下、多くのアラブ系アメリカ人
    が逮捕されたり、家宅捜索を受けたのは何故なのか?

    「アルジャジーラの報道がアメリカから激しく非難されるのはじつに奇妙なことだ。
    われわれはアメリカから学んだジャーナリズムの原則を実践しているがゆえに、
    そのアメリカ政府から攻撃されているのだから」

    アルジャジーラの報道局長の言葉である。

    クスッと笑える話もあり、アメリカの中東政策の失敗とメディア規制の教科書と
    して◎な良書である。

    日本でもスカイパーフェクTV!でアルジャジーラの放送をしていたが、いつの間にか
    終了していたのは、アメリカ政府への気遣いか。笑。

  • [ 内容 ]
    衛星放送の画面のなかで撃ち殺される少年。
    放送を阻止するため、首都に大停電を起こしたリビア。
    五〇〇ポンド爆弾で吹き飛ばされ、ミサイルを撃ち込まれる支局。
    CIAの手先か、テロリストの宣伝機関か。
    クレームによる各国大使の召還と、国交断絶の嵐。
    それでもアルジャジーラは、姿勢をつらぬいた…。
    「これはテレビ戦争であり、テレビそのものが戦場になっている」この惨劇の真の犠牲者は、ジャーナリズムそのものだ。
    9.11、インティファーダ、タリバン、イスラム過激派、イラク戦争…。
    一つの主張があれば、また別の主張がある。
    我々はすべてを伝える。
    「もっともすぐれた戦争報道はどこかって?アルジャジーラを見てごらん」。

    [ 目次 ]
    砂漠の小さな放送局
    電波の種、中東に蒔かれる
    アラブ世界への衝撃
    反イスラエル闘争の真実
    9・11はメディア戦争だ
    アフガニスタンとタリバン
    アルジャジーラかCNNか
    「現場にいなけりゃ仕事にならん」
    イラク戦争、特派員の殉職
    テロリストに電波を利用させる?
    アラブ人と言論の自由
    英語放送は未来を開く

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • カタールのテレビ局、アルジャジーラについてのノンフィクションドキュメンタリーである。一般的日本人にとって、中東の国々の違いやイスラム教文化というのはわかりづらい。
    アルジャジーラは、報道の規制が厳しい中東にあり、中立的な報道をモットーに、政治的な偏りなく事実を報道しようと努めている。9.11テロの後、アルカイダとつながりがあると疑うアメリカから執拗なイジメをうけ、アラブ人からはアメリカ寄りだと批判をされ、満身創痍で戦っている。犠牲も多く出した。
    中東で今起こっている紛争についても理解を深めることができる。ジャーナリズムとはどうあるべきかという本書の姿勢もさることながら、翻訳も素晴らしい。お勧めしたい本である。

  • カタールのテレビ局「アルジャジーラ」の成り立ちや活動の顛末を、この本が出版された2005年時点までまとめた本。多少は贔屓目線のところもあるとは思いますが、基本的には事実をそのままきちんと伝えているのではないかと判断しました。

    中東メディアが伝統的に「政府の御用機関」として、独裁者も多い国家元首の意向を流すだけのシステムに堕している中、アルジャジーラは社是として「一つの意見があれば、また別の意見がある」を置き、民族によって利害が複雑に絡む中東地域においていかに「両者の意見」を報じようと努力していたかが、読み進むにつれて明らかになります。
    一方、自国が起こした戦争の正当性を担保するために「現場の一般市民目線」の報道が邪魔だった当時のアメリカやイギリスが一斉にアルジャジーラを批判してその活動を制限し、自国内では報道規制を敷いて不都合な事実を隠蔽していたということを知ると、果たしてどちらが「民主的で公正なメディア」なのかが分からなくなったりもします。戦争の正当性を政治家に問う義務を放棄していたとされる欧米のメディア(これにはアメリカに追従した日本のメディアも含まれて然るべきでしょう)の欠陥は、今は正されているのだろうかということも、やはり気になる部分です。

    多くの日本人にとって、いまだに「素晴らしいとされる外国」は「金髪の白人さんがいる国」なのではないでしょうか。人類の祖が生まれたとされるアフリカや、豊潤な文明を築き上げた中東を「憧れの外国」として挙げる人は少ないでしょう。自然、欧米側に肩入れしたバイアスのかかった価値判断をしてしまう危険性があることを常に心に置かなければなりません。
    アルジャジーラは、日本ではまだそれほど知られていない、あるいはまさに「バイアス」のかかった目で判断されているのではないかと思います。事実を見る目、そして物事を多面的に見て判断する目を養うためにも、こうした本に触れておくのは良いことだと思います。

  • 結局、わからなかった。どこかの勢力に利用されているのか、されていないのか、わからなかった。
    だた、これだけいろんな国のトップに報道について、やいのやいの言われた話は聞いたことがない。
    この本が出てから数年たっているのでアルジャジーラの今はアルジャジーラを見て、判断するしかない。(見る環境づくりハードル高い)
    その場合、他のニュースの比較でいいのだろうか?結局、いろんな考えをもった人間の集まりのメディア。いろんな思惑が入ってしまう。どんなメディアもそうだろう、できるだけ加工していない情報や発言を見て、おのおのが自分で好き嫌いで決める、たとえば争いは好きか嫌いか、その気持ちの量が世論、世論は無視できないのかなと思う。

  • アラブの地にアラブ人によるアラブ人のためのニュース放送局が設立されたことはアラブ人の目には飛躍的な進歩に映った。
    アルジャジーラは開局以来、アラブ人の誇りの源泉になる。
    アラビア語の会話では、首長や国王の名前を出すときには、必ず「神の御加護を」という。敬意を添える。
    アルジャジーラがイラク戦争開始時に構築したネットワークは素晴らしい成果を上げて、欧米メディアよりも煎じてニュースを伝えていた。

  • 『アルジャジーラ 報道の戦争 すべてを敵に回したテレビ局の果てしなき闘い 』
    2005.8.30 ヒュー・マイルズ 河野純治 訳  光文社

    1.電波の種、中東に蒔かれる
    2.アラブ世界への衝撃
    3.反イスラエルの真実
    4.9・11はメディア戦争だ
    5.アフガニスタンとタリバン
    6.アルジャジーラかCNNか
    7.「現場にいなけりゃ仕事にならん」
    8.イラク戦争、特派員の殉職
    9.テロリストに電波を利用させる?
    10.アラブ人と言論の自由
    11.英語放送は未来を開く

    ・小国カタールにある小さな放送局・・・カタールは人種のルツボ、中国、インド、アラビア、英語・・各国の文字が並ぶ。
    総人口は61万人程、そのうち40万人がパキスタン・インド・エジプトからの移民労働者
    親米派の国家・・・国内の米軍基地
    ハマド首長と父・ほかのアラブ諸国との対立→カタールの孤立化→「カタールを内外にアピルものはないか」→アルジャジーラ

    BBCから来たジャーナリストも多くいる

    「ビン・ラディンがアルジャジーラに』声明を送りつけてくるのは・・・一般大衆に信頼されているメディアだからこそ。パウエルやホワイトハウスが大統領とアラブの指導者の会談を知らせてくるのは、アルジャジーラに取材されることを望んでいるからさ」
    byアル・ミラジ

    「愛国者法」によるメディア統制→アルジャジーラを非難・・・
    だけど、この行為自体が、アメリカ自身が誇りとする建国の精神に反する!!

    「ニュース価値があると判断した事柄はすべて報道する」という方針→アルカイダの宣伝機関だ!!との非難→CNNが湾岸戦争時フセインの声明を伝えていたはず・・・なのに・・・

    米英軍情報よりも先に、確実なアルジャジーラの情報・・・米軍からの攻撃に遭う
    米英側のメディアは軍事的側面にのみ焦点を当てて報道、大量破壊兵器はどこか、イラク国民にどのように経済的・人道的被害があったのか、全く報道していない。
    米軍のブリーフィングでもアラブ系のメディア人間が呼ばれることはまずない。常にアメリカ人優先
    米5大メディアは愛国精神と徹底した戦争支持の報道・反アルジャジーラ・プロパガンダ

    ヨルダン人職員アイユーブの殉職・・座標を教えていたのに米軍から爆撃
    イラク政府からも様々な攻撃に・・・


    メディアが現実政治の代用品になる・・・テレビで論争させてもあまり当局にとっての害はない。テレビが現実の政治に大きな変化をもたらすことはないからだ。
    国民は政治参加したつもりになれるし、権力者は地位を脅かされることもない。
    エジプトやサウジではアルジャジーラを見て政治意識に人々が目覚めたとしても、彼らが政治に参加できる制度がない。


    fox newsのキャスター、ビル・おライリー「アフガン国民は飢えて死ねばいいのです、以上」

    アラブの若者は今やインターネットで世界とつながっている。
    プロパガンダを見分ける能力もある。パレスチナ、イラクでは倫理的にひどい実態があると考えている

  • ちょっとまだ編集中…

  • 面白い。信念を貫いてるところが良い。

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アルジャジーラ 報道の戦争すべてを敵に回したテレビ局の果てしなき闘いの作品紹介

衛星放送の画面のなかで撃ち殺される少年。放送を阻止するため、首都に大停電を起こしたリビア。五〇〇ポンド爆弾で吹き飛ばされ、ミサイルを撃ち込まれる支局。CIAの手先か、テロリストの宣伝機関か。クレームによる各国大使の召還と、国交断絶の嵐。それでもアルジャジーラは、姿勢をつらぬいた…。「これはテレビ戦争であり、テレビそのものが戦場になっている」この惨劇の真の犠牲者は、ジャーナリズムそのものだ。9.11、インティファーダ、タリバン、イスラム過激派、イラク戦争…。一つの主張があれば、また別の主張がある。我々はすべてを伝える。「もっともすぐれた戦争報道はどこかって?アルジャジーラを見てごらん」。

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