- Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334961886
作品紹介・あらすじ
人間には理屈を超えた"何か"がある。心理学で注目を集める「適応性無意識」とは?全米連続50週ベストセラー、世界34ヵ国で翻訳。
感想・レビュー・書評
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OUTLIERS(THE STORY OF SUCCESS)
天才!成功する人々の法則(マルコム グラッドウェル、勝間和代訳)
天才、生まれながらの天才なんてい無い。
たった一人で成功した者はいない。ビルゲイツやスティーブ・ジョブズも1950年代に生まれて、コンピューターにであって今がある。天才は才能に恵まれて、環境や出会う人に恵まれ、10000万時間の努力ができて初めて天才と呼ばれる人が生まれるのだ。
成功者、天才は歴史と社会、好機と遺産の産物である。
成功した人は自分が努力したからと思ってる人が多いが、努力しても成功出来なかった人は多い、本人の努力はもちろん必要だが、環境、時代背景、周囲の人に、祖先に支えられて初めて成功するものである。
成功者の『努力と個人的資質が全てを決める』という考え方は間違っている。
どんなに個人の能力が高くても環境が悪い時就職氷河期に当たった人達はその後不遇な人生を送ってる人は多い。これが現実だ。
全て本人の努力不足と言う人は傲慢だ。
そしてどんな天才もモーツァルトもビートルズも『1万時間』のスキル習得のための時間は必要であった。生まれてすぐに全て出来たわけではない。この『長期にわたってトレーニングを積める機会』こそが、『並外れた好機』なのである。今の若者にこのチャンスが失われている事が問題なのだ。
どんなにIQが高くても父母が貧しかったり、理解がなくそれを発揮する機会が与えられなければ、成功するチャンスは減るだろう。
我々が出来ることはそのような若者のチャンスを減らさないよう、むしろ増やしていけるようにする事だろう。能力が有っても機会に恵まれない若者を救う『ミスター•チャンス』
(タイガーマスクみたいな)になる事が必要だ。
我が国では今、相対的貧困家庭(年収が全国民平均の年収の中央値の半分に満たない家庭)に生まれる子供は全体の15%もいる。これが母子家庭に限っていえば、なんと60%にも達している。他の国にも貧困家庭に生まれる子供はいるが、主要OECD諸国で唯一税金の再配分後でも貧困率が上がる国となっている。これはおかしい話だ。 -
直感が他のいろいろなものに勝るときや、またその逆についていろいろな事象や実験をもとに書かれている
面白いけど、それだけ、とも言える。
行動経済学の本なんかにはよく書かれてあるけど、人間は選択肢が多いほど決められないということが1番納得した。 -
本書のタイトルと、サブタイトルの「最初の2秒がなんとなく正しい」が表しているとおり、第一印象を科学的に分析した内容。
面白い内容ではあるけど、読み終わってしばらくしたらあまり印象に残っていない。
なんとなく、というのを判断の根拠にした時、基本的にあまり良い印象はないよね。
「なんとなくじゃなくて、はっきりと根拠を!」
と言われそう。
特にビジネスの世界では。
ただその「なんとなく」も、ちゃんと自分の人生で得てきた経験を無意識的にではあるが、バックボーン(作中では輪切りの能力と称してます)にしており、意外と馬鹿にできませんよ、っていう事を色々な事例を交えて紹介してくれている。
ヨーロッパ系アメリカ人とアフリカ系アメリカ人の件は面白い。
確かに、と頷かされます。
しばらくして再読かな。 -
このタイトルに何らかの閃きを感じたり、シンパシーを感じる人には読む価値が無い。何故ならごちゃごちゃと論証しているが、直感が正しいと言うことに対して経験上そうなのだという以上のロジックは出てこないからである。
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最初の2秒の判断が正しい例と、正しくない例と、経験を積むと最初の2秒で正しい判断が出来る例と、経験を積んでも正しい判断が出来ない例と、まあどっちも出てきて、
タイトルの「第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい」は、
第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい(ことも結構ある)
くらいがよいのではという印象でした。
まあ、頼りすぎるのも良くないよね、っていう反論封じなのかも知れません。 -
人はちょっとの情報で本質に近いことを把握する能力がある。それが第一印象であり、理由は分からないが、感じるものがあるということ。そして、それが正解であることも多い。
ただ、消費者調査となると、第一印象だけでは評価できないのに第一印象だけで評価しようとしたり、斬新で違和感を感じていることを拒否反応と捉えたりと、エラーが起こり得る。もっとも、違和感が最初だけの場合もあれば、それがずっと続く場合もある。
第一印象の重要性と、その理解の仕方の難しさが述べられており、ニューコークの事例などは興味深い。私自身、このタイトルに魅かれて、第一印象で買ってしまったのだが、この第一印象は正しかった。 -
2024/02/27読破
一言 ファーストチェス理論
感想 徳間さんのおおすめの本にあり読みましたが、目新しいことはありませんでした。海外での体験記は面白いので、読み物としてはいいかもしれないです。
下記は印象に残った点
p66
前頭葉腹内側部に損傷があると、知識と行動の繋がりが断たれてしまう。
→理性が働いた行動ができない
p142
余計な情報はただ無用なだけではなく、有害でもある。
→人に伝えるときは、過不足ないことが大切。 -
タイトルからはHOW TOか自己探求ものかと思ったが、心理学実験や実際の事件を通して人間の感情や判断力のもとを読み解くというもの。科学ドキュメンタリー番組を見ているような感じで楽しみながら読めた。「謝辞」を読んだ後、カバーの写真に気づいた。なるほど。
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瞬時の判断には、蓄積したデータと経験が必要。プロは無意識に積み重ねた経験を基に判断している。 第一印象は、無意識のステレオタイプや言語化できない部分を最もらしい理由に合わせてしまう傾向があり、判断を間違うことが多分にある。 第1感は存在している。 正しい判断をしていくために、直感的な思考と熟考のスキルを鍛えていきたい。
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前著ティッピングポイント、邦訳「急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則」が面白かったので手に取った。
瞬時に下した判断は、慎重に時間をかけて下した結論と比べて決して見劣りしない。
適応性無意識と言うらしい。脳が瞬時に結論を導き出してくれる。常に専門情報をインプットしておくとそのレベルは上がりそうだ。
但し、第一感の判断を言語化して表現するには訓練を要する。マヨネーズやコーラの各社の微妙な味の差を言語で表現する料理のプロ等の様に常日ごろ自分の興味と情熱をそそぐ何かについて表現する努力が求められる。逆に、素人が無理に言語化しようとすると記憶が捻じ曲がる可能性がある。市場調査では今までに存在しない新商品の体感を素人にヒアリングする時に気を付けたい。消費者は本当にそのモニターしている製品が嫌いなのか、それともまだ慣れていないのか、新商品との未来を想像できなければそもそも評価・表現できないものを、その場のセリフをそのまま間に受けると落とし穴にはまるかもしれない。マーケティングには心の行間を読み取り、プロとしての美意識や判断が必要になりそうだ。
また第一感の弱点は、環境に左右されやすい点。
偏見ですぐに判断が歪んでしまうし、ストレスがあっても判断が狂うし、時間が無さ過ぎても判断を間違えてしまう。
これはハロー効果が一定の効果があることとも解釈できる。
例えばある人に対して第一印象、外観が良い方が信頼感があるように評価したり能力がある様に評価をしてしまう効果のこと。 -
影響力の武器の続編。
ナポレオンの言葉はよくわかります。 -
美術の贋作を見抜いたり離婚しそうな夫婦を見抜くのに綿密な調査や分析がなくても人間の直感で案外当たるものだ.ということを書いた本.事例が豊富.
じゃあ応用する(第一感をいい方向にはたらからせる)子にはどうしたらいい?と考えるが,膨大な経験を積むしかないように見える.ハンターハンターのクラピカの念修行的な.
”どうやら私たちは自分の得意なこと,いつも気にかけていることに関しては,経験と情熱で第一印象の質を高めていけるらしい”
至った第1感に論理的説得力を付与するのが能塚椎野と同様,第1感を身につけること自体も体系を確立することは難しく経験主義,帰納的アプローチを取るしかないみたいだ.
・断片的な情報による直感的な意思決定は実は役に立つ
美術品の真贋判定
あるゲームにおける攻略法への気づき
夫婦の未来を数分の会話で見分ける
医者がシンプルな質問事項である病の有無を判定する
・それとは反対の情報を可能な限り集め整理した情報が前者に劣ることもある.
軍事演習(意思決定システムvs直感司令官)
・情報を集めれば集めるほど良いとは限らない.
・その道のプロでも大衆の反応を読めるとは限らない
ある音楽家のプロデュース
・口では合理的説明な難しい直感的判断が大衆の意思決定を変えうる 感覚転移
マーガリンのプロデュース,味や食感といった製品そのものの質ではなく色や包装に着目し支持を獲得:感覚転移
専門家に不評だった椅子が市場に出て徐々に評価されキャズム超え
“市場調査には問題がある.よくない製品となじみがないだけの製品の違いを捉えられない場合が多いからだ”
→質が悪いことと,馴染みがないことという対比は使えそう.
→革新的テック企業やブロックチェーン・暗号資産業界に対する認知にも説明できそう.
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カード巡り実験結果
認識よりも早く直感的に危機察知
意識的な働き 経験に学び、情報を蓄積し、整理、ら論理的
無意識的働き 手のひらに発汗、時間がかからない
→"適応性無意識"
”輪切り”ー>直感的判断の材料となる.断片的な情報
★”私たちは、判断の質はそれに費やした時間と努力に比例すると信じてきた"
直感的アプローチで正解に気づけない理由
・科学を信じやすい
・こうであってほしいという願望が混じっている
15分の夫婦の会話ー>1秒ごとに夫婦間の感情をスコアリングー>15年後の夫婦を予想できた.
ジョン・ゴットマン
戦争中のモールス信号の傍受
暗号化された信号内容そのものではなく各担当が無意識に出してしまう信号の癖(信号長やリズム)から「誰が」通信しているか割り出し通信兵の数やシフトの推定にまで発展.筆跡鑑定
→OSINTだ.
夫婦の中を見極める顕著なサイン
防衛,はぐらかし,批判,軽蔑. 特に軽蔑.
医療訴訟ー>
医療ミスの有無や診察の質ではなく医師の患者への接し方(声の調子など)によって訴訟の有無が分かれる
プライミング実験ー>事前に見聞きしたことがその後の判断や行動に影響を与えること
・人種を意識させるだけでテストのスコアが低下
・落ち着き,忍耐や我慢を肯定する言葉を浴びることでその後の待つ動作の時間が実際に伸びる.
前頭葉腹内側部を損傷した人に対する実験ー>”輪切り”が働かないー>ある意思決定に些末なメリットでメリットを挙げてノロノロと検討.
(意思決定の筋が悪い人やができない人,ノロノロとした人への悪口に使えそう…)
ー>直感的判断が我々の日常生活を支えている.システム2の思考だけでは良く生きていけない.
ー>婚活イベントのペアをどんどん入れ替えて様々なパートナー候補と喋らせるのも.”瞬時の判断”機能を使うイベント.
”輪切り”の負の側面ー>見た目で人を判断してしまう.
アメリカ第29代大統領ハーディング
P91
“人種や性別といった事柄に対する人の態度には二段階あるということだ.ひとつは意識的な態度,〜,無意識的な態度”
→第一印象を捜査するという月並みな答えしかないが、人は見た目に騙されるという悲しい現実。意識的には平等・公平に人を扱うマインドを持っていたとしても無意識には。
"第一印象は経験と環境から生まれる"
"常にマイノリティと接し、一緒にいてうちとけられるようになり、彼らの文化のよい面に親しむ"
→第1感が働くのを否定せずいい方に作用する経験を積む
「感覚転移」:パッケージ(見た目)が品定めに影響
“客は美味しいアイスクリームには金を出す.チョコチップが大きくなった場合と同じように,丸い容器に入っているほうがきっとおいしいに違いないと消費者は考える”
ききジャムー>専門家と大学生で似たような結果になった.しかし評価の理由を書かせたら大学生側がダメダメに.
ー>プロとアマチュア巻の「自分の考えを知る,表現する能力」の違い
プロの方が第一印象を的確な語彙で再現できる.
表情を作る筋肉と自律神経の動き
→感情があって表情ができるだけでなく、表情が感情を想起する→顔色を読む、マインドリーディング
自閉症患者 人を認識するときにものを認識するときと同じ脳領域が活発になる→人はただのモノ。目線を合わせる意味がわからない -
たぶん、ほとんどの人が知ってた、っていうと思う。
経験則からくる直感の話。
人の表情とか仕草から判別している、もしくはそれまで培った経験と知識を無意識の内にデータベース化して結論を導き出していると。
そういった意味では鍛えることができるし、逆に自閉症の人は人の顔色を読むことができないので難しいというのも興味深かった。 -
読んで外れのない作家のひとりが書いた本作も、興味深い事例が扱われている。
第4章「瞬時の判断力」では、米国史上最強の知的リソースが与えらえた青軍と実績ベースの赤軍によって、どちらが勝つかの予行演習が行われた。その結果は・・軍司令部の思惑とは逆に赤軍が勝ったのだが、実際に本戦に採用されたのは青軍だった。
また、犯人を目撃した人物の記憶は、(自分の)言葉で安易に書き換えられる(特徴を言葉にした瞬間、記憶はその言葉に引きずられ変容する)という事実を、警察や裁判所は知っているのだろうか?
第6章「心を読む力」では、4人の警察官が挙動不審な黒人を41発もの銃弾で射殺した。その原因は、先入観と勘違い、さらには被害者がどもり癖のある黒人だったことも輪をかけた。その後、パトロールは警官の一人乗車が主流になった。
その他にも、マインドリーディングやクラッシック楽団の女性奏者受難の話、専門家の瞬間的違和感による贋作を見破る確率の高さ、ブラインドテストの限界など面白い話題がてんこ盛りです。
全集中でお勧めします。
著者:1963年イギリス生まれ。
カナダ・トロント大学トリニティカレッジ卒。
『ワシントン・ポスト』紙のビジネス、サイエンス担当記者を経て、現在は雑誌『ニューヨーカー』のスタッフライターとして活躍中。邦訳には『天才!』『ニューヨーカー傑作選』ほかがある。
ある製品やメッセージが突然、爆発的に売れたり広まったりする仕組みを膨大な調査とユニークなフレームワークによって解き明かした最初の著書『ティッピング・ポイント』(邦題『急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則』)、人間は、長時間考えてたどり着いた結論よりも、最初の直感やひらめきによって、物事の本質を見抜くという仮説を検証した2冊めの著書『ブリンク』(邦題『第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい』)は、いずれも世界で200万部を超える大ベストセラーになっている。 -
面白かった
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直感は必ずしも正しくないということ、プロの直感は感覚によるものではなく、長年のトレーニングから生まれたものであるという話。
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直感は意外と正しいし、かつ養えるものという話。時間をかけたり、言語化することで正しかったものを間違えてしまうというのは面白い。また、時間がないと「自閉症」になり、情報を処理できずに誤った直感が働くというのは悲しい現実だと思う。話の趣旨は面白いが、文体は若干あきる。
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読み終わるのに時間がかかった本。
結局、何が伝えたいのかがわからない。
第1感が正しいこともあるけれど、
極限状態なると、それも怪しい。
実例を列挙して書いてあるけれども、
アメリカの話でピンと来ない。
アメリカの警察官の実例がいくつも
出てきたけれど、これを読むと、
アメリカには住みたくないと思った。
そんなことが伝えたい本質ではないと
思うのだけど、ただ座っていただけで、
勘違いされて、銃で撃たれるとか、
絶対にイヤだなぁと思った。
この本に書かれた研究、それぞれは、
素晴らしい研究だと思えるのに、
本になったら、その研究の素晴らしさが
薄れてしまっているのが、もったいない。
視覚情報について書いてある部分、
表情が精神に与える影響、
自閉症の人が見ている世界についての
記述が印象に残った。
ただ、伝えたかった本質はなんなのかが、
わからない。
ブクログのレビューをいくつか読んでみたけど、
人それぞれ、書いていることが違うので、
読んだ人も、内容が掴みきれなかったのではないかと
推測する。
良いことが書いてあるのに、印象に残らないのは、
ちょっと残念な感じがする。 -
「最初の2秒」の「なんとなく」という感覚がいかに物事の本質を捉えているか、を実験を通して証明しる。この「なんとなく」の感覚を第1感とし、人は無意識の中で現象を輪切りにして物事を見ていると結論づけている。
面白かったのは、この第1感は超能力でもなんでもなく、その人が繰り返し習得してきた感覚によって得られるものだということ。本文中に登場してきた美術評論家やテニスコーチも、言葉にはできないが「なんとなく」わかるとあるので、あらゆる専門家が専門性において第1感が働くのだと思う。
ただし、人種や性別、相手の容貌によってそれが歪んで働くこともわかった。ディアロ事件が紹介されているが、同様の事件は現在アメリカで絶えず起こっているのではないかと思われる。差別をしているつもりなどなくとも無意識の行動にでるのは、なかなか恐ろしいことだと感じた。 -
結構、直感はあたる。
直感でも外れる事もある。
直感できる経験が必要。
熟考しても直感で判断してもさほど変わらない。
時間がない時は直感を信じるのもあり。
先入観と事実は異なる。
以上から、今後の自分への教訓
感受性を磨くために何事も経験が必要。
時間がなく判断に迫られた場合、間違ってもさほどダメージが大きくない場合などは、直感を信じて判断した方が生産性がある。 -
原書タイトルは「Blink」…瞬き、転じて一瞬、さらに見て見ぬ振りをするの意である。普通なら第六感と呼ぶべきところを、このタイトルにしたのは、なかなかの策士である。題名にとどまらず、かなり濃い内容。これを、一気読み。もっと知りたいと思わせる箇所が多々あった。
導入から面白い。
カードを引く実験。赤はハイリスクハイリターン、青はその逆。被験者は50枚ほどめくったところで赤は危ないと言う仮説に至る。さらに30枚ほどめくることで、その仮説を検証することができる。しかし、被験者の手にストレス測定器(汗の量を測る)を取り付けると、最初の10枚の時点で既に明るカードにストレス反応を示し始めた。なんとなくルールがわかったと意識する(40枚目)はるか以前から、実は危険を回避する行動を取り始めていたこととなる。
このように手持ちの情報を遍く用いることなく一気に結論にいたる脳の動きを「適応性無意識」と呼ぶ。
(トンとツーだけの)モールス信号にも「筆跡」が出てしまい、その通信士が所属する舞台の所在地や通信頻度による戦況分析ができてしまう。
夫婦の会話15分を1分ごとに「輪切り」にすることで90%の確率で15年後を「予言」できる。
終盤、表情を作ることで、それに類した感情が喚起されるという。著者は、竹中直人氏の「笑いながら怒る人」のネタは知らないと思うが、あれなどは、どう解釈すれば良いのか? まあ、本論とはあまり関係のない話なのだが…。
最後の警察官のエピソードは、冒頭の台詞に戻って「お気の毒」と言うしかないが、15年前のアメリカの現実なのだろう。
「#第1感」(光文社、M.グラッドウェル著)
Day235
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面白い
それぞれのエピソードが面白いし興味深い
丁寧に読めば気づくこともありそうだが、読後感は意外と残らず
結局経験がものを言うのか? -
専門家や経験豊富な人は直感的に正しい解答を導きだす。一方で、無意識のバイアスによる偏った判断も多々あるし、情報を集めすぎても正しい判断はできない。事例は豊富で勉強になるが、タイトルと一貫性のない事例から、読書感想のまとめづらさを感じた。
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直感が学術的なアプローチに勝つことがある。
彫刻の年代を調べるのは、科学的なアプローチよりも職人たちの眼で見ることが重要だった。
美味しいジャムを判断するのは直感でわかる。
だが、その理由について説明を求められた途端、直感のときと評価が異なってしまう。
プロしか直感を正しく表現できないのだ。
一方で、直感に騙されることもよくある。
警察が夜の見回りで怪しいと思う。
仕事はともかく、風貌が大統領に見えるので当選する。
また、直感とバイアスが相互に作用することもある。
直感では素晴らしい演奏だとわかるが、女性であることがわかると良い演奏ではないと言う。
仕切り越しかどうかで評価が変わるのだ。
結局、どういうときに直感が有効なのか、直感を鍛えるにはどうしたらよいか、よくわからなかった。 -
沢山の事例が載っていて退屈せずに読める。