モンスターマザー 世界は「わたし」でまわっている

著者 :
  • 光文社
3.23
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334975289

作品紹介・あらすじ

15年間、延べ3千人の母親を取材して浮かび上がった「母子破綻」の深刻な広がり…。それに加えて、かつて「コギャル」と呼ばれた世代が出産適齢期を迎え、続々モンスターマザー入りしている!いま、家庭の中で何が起きているのか。今どきの母親たちの異変を読み解く。

感想・レビュー・書評

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  • “モンスターペアレント”が最近話題になってますよね。
    学校などで無理難題のクレームをつけてくる親が増えたということが問題になっているということですが
    本書はその怪物のような“母”の方をクローズアップしたもの。
    「近頃の母親ときたら!」と一刀両断にされる方がいらっしゃいますが
    そんな母親が増えてきたことには多くの要因があるのだと
    深く掘り下げて語っていらっしゃる著者の言葉にはとても重みがあって
    納得できます。私には目からウロコの連続!
    なんといっても著者は15年間で3000人もの母親や
    その周囲にまつわる取材を重ねてきているし
    ご本人自身も二人の子育てをしてきた現役の母親でもあるというバックグラウンド。
    その中でもある企業の社宅の母親たちを10年間取材したなんてビックリ。
    昔は褒め言葉であった「お母さんらしい」というフレーズは
    今や“かっこ悪い”の代名詞であるとか
    母親達はなぜモンスターのように変わったのか?という問題提起に対して
    「変わったのではなく 変われなかったのだ」という著者の結論になーるほど~
    一番興味深かったのは初めて母親になることを「無免許の人にいきなり運転させること」に例えたお話。
    すごく分かりやすくて胸にストンと落ちてくる感じで 清清しかったですねェ。

    読みながら本当にいろんな感情がよぎりました。
    運動会にピザの宅配を大量に頼んでそれを周囲に振舞って得意げな母親。
    弁当にコーンフレークを持たせる母親。学校から呼び出しがあっても無視する母親。
    お受験にハマり込む母親。
    その実態にええー?!信じられない!!と思いながらも
    それを分析する石川氏の説を読んでいくと 自分にも少なからず当てはまる部分もあるなと思えてくるから不思議。
    “子どものために”という言葉を振りかざして実際にやっていることは“自分のため”。
    【世界は「わたし」でまわっている】だなんて副題にちょっと冷や汗モノです^^;
    表面に出ているかそうでないかというだけで誰しも“モンスター”の要素は持っているのかもしれない。
    大いに考えさせられました。

  • 教育
    社会

  • 思っていたのと内容が違っていて残念。

    モンスターマザーの事例がいくつも出てくるのかな?

    と思って手に取ったが、事例よりも社会的背景や特徴、著者の考えが多い。


    内容も古いので途中で飽きてしまった。
    書かれた当時に読んでいたらもう少し楽しめたかな?

  • 育児に独特の価値観を持つ母親たちのまとめ。
    無関心なのではなく、自分も子供もハッピーになるため、
    日夜努力と口撃で以って世間の荒波と戦う母がそこにはいる。
    「恥の文化」と言われた日本人像は、すでに死語となったのか。

  • 【墨田区図書館】

    読む分にはおもしろいけれど各種のモンスターマザーというか、理不尽な自分中心者?達の実例集のような本だった。

  • まったく関係ないと思いながら、見聞のためにと読みはじめましたが、自分の中にひそむ”モンスター”にきづき恐怖?!を感じました。
    もちろん別世界の話もありましたが、本当に今の世の中がどうなってるのかというより、自分たちが育ててもらった親の世代ではこうゆう問題がなかったのかとふつふつと疑問がわいてきました。
    見栄と謙遜の社会と日本の事を思ってましたが、基本的なところに人から見た自分の評価が気になる国民性がどこからどの世代から来たのか改めて考えてみたいです。

  • 自分にも,素質はあるなと思った^^;
    でも母親だけでなく,日本人全体が,モンスター化してるのではと思う。
    自分を顧みることができたかも。


  • 2009.2購入¥105

  •  教師として、保護者側の気持ちを垣間見た気がしますが…。

     母はすごい、と改めて思い、
     自分には無理だ…とスーパーでため息をついてしまいました。

  • テレビや新聞で、あり得ない「モンスター」な要求を見たり聞いたりするたび何とも言えない気持ちになる。本書でも仰天エピソードはたくさん登場し、親同士のいじめなど、子を育てる立ち場でその行いはどうなのよ、とうんざりしてしまった。
    でも、そういう母親が出現するに至った背景を知れば知るほど、他人事と突き放すことはできないな、と感じた。最初から頑張ることを放棄した母たち。ある意味開き直りな育児。極端だけど、正しくはないけど、そんな状況をわからなくはない。私自身子供が赤ん坊だったころは何度も煮詰まり、挫け、孤独を感じ、開き直らなきゃやっていけないと何度も感じた。その開き直り方がはっちゃけすぎなかっただけの話で。
    勿論今だって手探り育児である。だからといってこの状況を見過ごすわけにはいかないだろう。もっとうまく、世間と母親が意思疎通をはかれたら…それは常々感じていたことだ。これではすれ違うばかりである。
    果たして「モンスター」現象は今後どのような方向へ向かうのか。今どき、モンスターは母親に限ったことではないけれど…少なくとも自分は他人を思いやれる人間でありたいと思うし、子供にもそういった姿を見せなければいけないなと思う。

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著者プロフィール

ジャーナリスト。家族・教育問題、児童虐待、青少年のインターネット利用などをテーマに取材。豊富な取材実績と現場感覚をもとに、多数の話題作を発表。出版のみならず新聞連載、テレビ出演、講演会など幅広く活動する。
主な著書に『スマホ廃人』(文藝春秋社)、『ルポ 居所不明児童~消えた子どもたち』(筑
摩書房)、『ルポ 子どもの無縁社会』(中央公論新社)、『子どもとスマホ~おとなの知
らない子どもの現実』(花伝社)など。日本文藝家協会会員。
公式ホームページ https://ishikawa-yuki.com/

「2018年 『人生を豊かにするスマホとの付き合い方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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