なぜ聖路加に人が集まるのか

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著者 : 福井次矢
  • 光文社 (2008年9月19日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334975456

なぜ聖路加に人が集まるのかの感想・レビュー・書評

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  • 聖路加がどんな医療を目指しているのかが分かった。

  • 最近医療業界の問題を取り上げているが、
    今までで読んだ本で一番まとまっており、
    対策なども具体的に書かれていて共感できる部分が多かった。

    ・日本の医学部の制度、医局制度
    ・日本人の古くからの医者へのイメージ、マスの流す情報への反応
    ・医療報酬、またそれによる弊害
    ・国の判断の遅さ、またその判断そのもの

    「根拠(エビデンス)に基づく治療(EBM)」
    ITによる医者と患者の距離感の変化が的確に書かれており、
    ぜひ参考にして欲しい。

    ・エビデンスに基づく医療(EBM)
    情報の収集・検索が飛躍的に進んだので、
    簡単にエビデンス(根拠)になる論文を探し出せるようになった。
    また、論文自体の質が上がってきたので、
    そう言った事例を考慮した治療を行うことを推進している。
    これによって医療格差をなくす

    ・インターネット・セカンドオピニオン
    ITの発達により、誰でも情報を入手することが可能になり、
    医療知識がない人間でも、疾患に対する情報を取得できる。

    5年前のデータは既に古い

    その上で高度な判断下すのが医者の仕事

    ・患者側の意識の問題
    ドラマのような回復劇は現実的ではない
    注射や投薬で直るわけでもないし、必要なければマイナスのみ。
    本当の医療知識を教育に組み込むべき


    ・感情労働
    職業上の理由から自然の感情を抑えて見られることを意識した労働

    ・医療報酬のパイを勤務医と開業医で取り合い
    →勤務医の数パーセントは開業医予備軍

    ・総合医の必要性
    一部の臓器しか見ないのでは診断できない
    一人の患者がたくさんの慢性疾患を持つ時代
    旧来の大学病院の専門医が偉い。という弊害

  • ・アメリカの病院では、シビアに客層を分けて治療をしている。支払い能力のない患者さんは、あまり丁寧なケアがうけられない。

    ・救急の対応で、消防と病院の間の情報共有は電話。ITが進んだ今、もっと改善できるのでは?

    ・病院が悩まされている問題。
    1.未収金。2006年度は5600万円の未収金。法律では、「最初からお金を払う気がない」とわかっていても診断を断ってはいけない。応招義務と病院経営をいかに両立させるか。

    2.モンスター・ペイシェンツ
    病院勤務者は「感情労働」を日々繰り返している。

    ・民間の病院が医療の質を測定、公表するのはこの国初めての試み。

  •  仕事の参考用。

     多くの病院が赤字に苦しんでいる中、土地収入という「恵まれた環境」を大いに活用して、聖路加国際病院は幾多のチャレンジを行っている。その一端を、現在の病院長が語った本。

     余裕があるとこれほど先のことを考えられるのか、というくらい、聖路加は医療人材の育成や、医業の発展を真剣に考えている。日本初のメディカルスクール構想や、臨床指標の積極的な公開は、一病院の枠を超えた活動に広がりつつあり、このスピリットは注目に値する。

     ただ、あくまで当院が特殊な環境下にあることが前提なので、他の病院が参考にして活用できる部分は少ないと思った方がいい。

  • 医療関係者向けの本かもしれないが、医療についてわかりやすく説明されている。
    特にヘルスエデュケーションや日本の医学教育、メディカルスクールについて興味を持った。
    また、マスク着用の根拠について印象に残った。

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なぜ聖路加に人が集まるのかの作品紹介

今、日本の医療現場では、なにが起こっているのか。深刻な医師不足、羅針盤のない医療政策、必ずしもよい臨床医を育てられない医学部の現実、「患者より研究」の大学病院、過熱する医療事故報道で萎縮する医療現場、医療費を払わないなどのモンスター・ペイシェンツ問題-。京大大学院教授から聖路加国際病院院長になった著者が、これらの医療を取り巻く問題を考える。「最高の医療」を実現するために聖路加がしてきたこと、そしてこれからするべきこととは何なのか。

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