東京の流儀

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  • 光文社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334975548

感想・レビュー・書評

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  • 遊び人の福田和也ならではの東京観察録
    永井荷風が散歩によく出かけていたからそのオマージュなのかもしれない
    コロナ禍で外出自粛が叫ばれるなか、ふらふらと出かけていくルポはいま読むと非常に新鮮

  • 鰻屋でビールいいじゃないか。
    昨日はおばさんが冷やしたぬきで昼からビールを飲んでいました。

  • 最後まで読んでいないけれど、ふと吉田類の酒場放浪記?とかいうテレビ番組と同じ感じだなーと思って読んだ。

  • 日常のもっともきほんにあるものこそ、人の趣味と意見と思想をつくりあげる。

    ●街場中華 新橋「鴻運」茄子塩あげ
    ●春夏・京都のおでん「おいと」
    ●天然鰻 五反田の「ふく佳(よし)」
    ●カツで散歩酒 大井町「丸八」
    ●安直で旨いビストロ グランドパレス向かい 「ル・プティ・トノー」

  • 振舞いの見事さ、所作の美しさ。・・・ある経営者の話。独善的ワンマンとして定評があり、強引さと傲慢さのために世評は芳しい人ではなかった。・・・その人に、晩飯をご馳走になることになった。会社で待ち合わせて車でその割烹へ行った。彼が先にたって引き戸を開けると、店内が凍りついた。・・・カウンターが、隙間なく埋まっている。店主の強張った顔を見て、事情は自ずと察せられた。・・・何といってもそういう評判の人だから、さぞ無残な騒ぎになるだろう、と思われた。が、彼は店主に向かって片手をちょっとあげて挨拶すると、くるりと踵を返して店外に出て、運転手に別の店を予約させた。見事だと思った。・・・誰の咎だ、失策だ、と追及してもしょうがない。何も云わず、さっと気持ちを変える。後になれば、こういう具合に跡づけることが出来るのだけれども、・・・なかなかそうはいかない。誰でも文句の一つは口に出るだろう。

  • 他人がどんなこだわりを持とうが勝手だが、よく得意げに披露できるね。まあ作家って恥をさらす職業か。品格とか流儀とか言う本は買わない。

  • 流行っているので取りあえず読んだだけ。
    あまりいい気になるなよ、と思ったが
    こういう人が居てもいいです。

  •  散歩という「逃避」を日々重ねているという著者の流儀を、勝手気ままに綴ったエッセイ。月刊誌『GQ JAPAN』の連載コラムをまとめたものだそうだ。庶民の私には、次元が違う話だった。よって、星の評価はつけられない。著者・福田和也さんは慶応大学の教授。1960年東京生まれ。たとえば、服はロロ・ピアーナ、靴はJMウエストン、飲み食いする店もほとんど決まっている。その訳が、著者の流儀として語られている。確かに、生き方における美学を語る福田さんの言葉には、なるほどと思えることがたくさんあった。ここに取り上げられた著者の流儀は、かっこいい良識ある大人のものだとは思う。(かっこいいという単語はニュアンスがちがうか?)ただ、このように多くの人にそれを披露してしまうという行為は、どうなのだろう。流儀に反しないのか?著者の身近にいる方々の中に、苦笑いされた方はいないのかという疑問が、ちょっと頭を過ぎった。うまい言葉がみつからないが、ひと言で言うと、堅苦しく感じられたのだ。

  • 「鰻屋でビールはよしなさい」「私の東京とんかつ地図」「銀座の柔らかな自負」「取り換えのきかない店」…。街場のそば屋から高級中華・グランメゾンまで、ある日は自分だけの「ぴん」の店に通いつつ、ある日はデジカメを持って撮影行に出向く。大人の見識あふれる極上街歩き。池波正太郎氏の散歩、食エッセイの現代版をねらっているのかも。まねしようとは思いませんが。

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著者プロフィール

1960年、東京都生まれ。批評家。慶應義塾大学名誉教授。『日本の家郷』で三島賞、『甘美な人生』で平林たい子賞、『地ひらく――石原莞爾と昭和の夢』で山本七平賞、『悪女の美食術』で講談社エッセイ賞を受賞。

「2023年 『保守とは横丁の蕎麦屋を守ることである』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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