新幹線とリニア 半世紀の挑戦 世界に冠たる「安全神話」はどう構築されたか
- 光文社 (2012年1月18日発売)
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- Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334976705
感想・レビュー・書評
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主に新幹線に関する安全性についての取り組みや、安全性の向上の過程について述べた本。
新幹線やJRに対する敬意や愛情を感じた本でした。
新幹線の安全性は、決して一朝一夕で確立されたものではなく、様々な失敗や、在来線での取組を活かすことで成し遂げられたのですね。
その過程や、現在取り入れられているいろいろな仕組みについて知ることができ、新幹線に対する信頼が高まりました。
その一方で、東海道新幹線を中心に、その経年劣化が問題になってきているのも事実。
リニア中央新幹線は、その代替としての役割を期待されているわけですが、この本では、リニア中央新幹線については、過剰な期待・信頼をしている印象を受けました。
リニア中央新幹線についても、既存の路線における取組を最大限活かす形で進められているのはわかりましたし、技術的な観点では信頼できる部分が多そうですが、東海道新幹線の代替としての妥当性についての考察は、この本には、ほとんどありませんでした。
この点については、この本の主題が新幹線の安全性であるがゆえ、仕方ないかもしれませんが。
それにしても、この本が出た段階までの、中国の鉄道事情というか、鉄道における安全性に対する取組は、とてもひどいですね。
現在は改善されているとは思うのですが、中国の体制を見ていると、過剰な期待はしない方がよいかも、と思っています。詳細をみるコメント0件をすべて表示