新幹線とリニア 半世紀の挑戦 世界に冠たる「安全神話」はどう構築されたか

著者 :
  • 光文社
3.67
  • (0)
  • (2)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 16
感想 : 6
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334976705

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 主に新幹線に関する安全性についての取り組みや、安全性の向上の過程について述べた本。
    新幹線やJRに対する敬意や愛情を感じた本でした。

    新幹線の安全性は、決して一朝一夕で確立されたものではなく、様々な失敗や、在来線での取組を活かすことで成し遂げられたのですね。
    その過程や、現在取り入れられているいろいろな仕組みについて知ることができ、新幹線に対する信頼が高まりました。

    その一方で、東海道新幹線を中心に、その経年劣化が問題になってきているのも事実。
    リニア中央新幹線は、その代替としての役割を期待されているわけですが、この本では、リニア中央新幹線については、過剰な期待・信頼をしている印象を受けました。
    リニア中央新幹線についても、既存の路線における取組を最大限活かす形で進められているのはわかりましたし、技術的な観点では信頼できる部分が多そうですが、東海道新幹線の代替としての妥当性についての考察は、この本には、ほとんどありませんでした。
    この点については、この本の主題が新幹線の安全性であるがゆえ、仕方ないかもしれませんが。

    それにしても、この本が出た段階までの、中国の鉄道事情というか、鉄道における安全性に対する取組は、とてもひどいですね。
    現在は改善されているとは思うのですが、中国の体制を見ていると、過剰な期待はしない方がよいかも、と思っています。

著者プロフィール

ジャーナリスト。1948年、静岡県生まれ。明治大学政経学部卒業後、中日新聞社に入社。中日新聞東京本社(東京新聞)管内の首都圏の支局勤務を経て東京本社編集局社会部に。司法記者クラブ、国税庁記者クラブ、JR記者クラブなどを担当。司法記者クラブキャップ、事件遊軍キャップ、社会部デスクなどを歴任。特報部デスク、写真部長、北陸本社編集局次長などを経て東京本社編集局編集委員で定年退職。引き続き特別嘱託として編集委員を務め、2013年暮れに完全退職。
『台湾で見つけた、日本人が忘れた「日本」』『新聞記者は何を見たのか 検察・国税担当』(ともに講談社)、『検察秘録 誰も書けなかった事件の深層』(光文社)など著書多数。

「2017年 『不死身のひと 脳梗塞、がん、心臓病から15回生還した男』 で使われていた紹介文から引用しています。」

村串栄一の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×