悶える職場―あなたの職場に潜む「狂気」を抉る

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  • 光文社
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (293ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334977689

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  • タイトルの通り、苦しい苦しい
    社会人の実情です。

    注目すべき一つの結論は、以下の内容。
    「結果を残せば認められる」ものではない。
    「それが高いレベルのものか低いレベルのものか」
    その決定権は人事権を持つ者にある。
    彼らが評価しない限り、「成果を残した」とは
    言えないのです。
    残念ながら、それが現実。
    その決定権を持つものに嫌われてしまったが
    ゆえに、いじめや嫌がらせを受けてしまうことも
    あるのです。

    こうした色々なパターンの事例が、リアルな言葉で
    出ていて実情がリアルに伝わります。

    普通のサラリーマンだけでは、ありません。
    事例として出ていた一人。
    あのゲロゲロホラー漫画の怪作「怪奇かえる姫」の
    作者が登場しています。
    当時700万の年収が今は100万程度に。
    編集者も40代の漫画家よりも、若手のほうを
    育てていきたくなる傾向、と泥沼の状態と
    なっています。
    一般サラリーマンとは違う世界でも、このような
    這い上がることのできない状況があるのですね。

    別の事例として出ていた被害にあった女性社員の
    上司(同じく女性)。
    自分の能力がそれほどないことを理解しつつ、
    得意の英語力と社内の調整力(要はおべっか)で
    生き残っていった事例が、悔しくもインパクト
    残ったなぁ。

    また、曽野綾子の産休制度は会社にとって
    迷惑についての考察も、完全肯定はできませんが
    考えさせられるものに変わってしまいました。

  • ちょっと古い話が多い気がするのと、事例がいまいちなものも多い。が、一読の価値がある。
    個人的には、上司も人だから当たり外れがある。そのときには配置換えして相性が合う人を探せるようにすべきだし、転職もやりやすくなるのがいいと思ってます。つまり、労働者側はもっとタフにならないといけない。会社に期待するな。

  • 日本の企業社会や会社そのものを「俯瞰」で捉えるのではなく、職場での会社員の行動を「低い目線」で捉えなければ、真実にたどり着けないという考えのもと、実際に悶ている人たちに聞き取りを行い、まとめたもの。
    上司からいじめを受け、うつ病になった人たち、世間で弱者として捉えられている社員に苦しめられている人、リストラや人事異動で精神的に追い詰められている人たち、過労死などに追い込まれた人たちとうに取材。
    こういった状況に陥る前に、なんとかすべきと思う。

  • タイトル通り、職場で様々なトラブルに悶える人たちの話をインタビュー形式で紹介している。つくづく日本は真面目な人が損する社会だと感じた。最も印象に残ったのは、「実力のないマネージャーが部下を潰す」という話。現代の社会人なら誰にでも心当たりがありそう。自分の身近にもよく聞く話だ。ぜひ、潰される側の若者に本書を読んでもらって、自己防衛してもらいたい。

  • ダイヤモンドオンラインで読んでいた部分が多いので、ちょっと損した気分。
    著者が「まとめ」として書いた部分があったが、ここを掘り下げて紙幅をさいて欲しかった。

  • 確かに日本の企業の一つの側面ではあるけど、喧嘩の片方の意見だけを聞いているような後味の悪さがある。読者に何か訴えたいなら、もっと客観的な匿名性の少ないものを提示すべきだ。

  • ○フリーライターの吉田典史氏の著作。
    ○会社員が会社(職場)で直面している課題や人間関係のトラブルを「悶え」とし、その悶えている会社員とその原因を追及していくルポ。
    ○うつ病、低賃金、パワハラ、リストラといった、雇用問題の実態に迫っており、報道等で見聞きする以上にリアルな状況が伝わってくる。
    ○一方で、本書全体をとおして論点整理という感じで深追いされていないところが多い。ぜひ、本作で明らかになった論点について、突き詰めたような次回作を期待したい。

  • 企業社会で認められるための前提と見据えるべき仕組を事例で紹介している。

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著者プロフィール

1967年、岐阜県生まれ。2006年からフリージャーナリスト。特に人事・労務の観点から企業の取材を重ねる。事件・事故など社会問題の取材も精力的に続けている。著書に『悶える職場』(光文社)、『封印された震災死その「真相」』(世界文化社)、『震災死』『あの日、「負け組社員」になった…』(ともにダイヤモンド社)、『年収1000万円!稼ぐ「ライター」の仕事術』(同文舘出版)など。

「2014年 『ビジネス書の9割はゴーストライター』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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