PC遠隔操作事件

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著者 : 神保哲生
  • 光文社 (2017年5月17日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (560ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334979058

PC遠隔操作事件の感想・レビュー・書評

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  • パソコンを遠隔操作されて、何も悪いことしてないのに警察に逮捕された人たちが、致命的な被害を被っている。
    警察がリークした情報を、記者クラブの飼い犬たちが、ろくに検証もしないまま、被疑者の実名まで晒して、ただただ間違った情報を垂れ流したために。
    中でも、明治大学を退学に追い込まれた大学生や、仕事が忙しい真っ最中なのに犯人扱いされて多大な被害を負ったアニメーションの作家など、ほんとうにお気の毒だ。

    無実の被疑者が、絶対に知るはずの無い、犯罪に使われたハンドルネームを、警察からムリヤリ自白させられている事実には笑った。
    つまり、警察は、調書を、好き勝手にデッチあげたうえで拷問してムリヤリ自白させている。
    笑えると同時に、背筋が凍りつくような無法警察だ。
    どこの、土人の国の司法制度なんだよ、コレは?

    厚生労働省を舞台とした「郵便不正事件」不正事件では、村木厚子・元厚生労働省社会援護局長の犯行をでっち上げるために、証拠の改竄まで行われていたからね。
    証拠の改竄だよ!

    『留置場は警察署の中にあるので、警察が外部に知られること無く、いつでも好きなときに好きなだけ取調べができるなど、被疑者の人権が侵害される恐れが高い。実際、日本の代用監獄制度は国連の人権規約委員会や拷問禁止委員会などから、あまりにも非人道的であり、人権を侵害している等の理由で繰り返し改善勧告を受けるほど、国際的にも問題視されている。』

    警察や検察や裁判所やマスコミは、このような拷問が日常的に行われているという現実を、なぜ、直視しない?
    近代司法の最も重要な原則は、冤罪の人を決して罰してはならない、という事なのに。この原則が、全く守られていない。

    昔、日本のマスメディアを研究してる浅野健一教授と、オウム事件で連日連夜自白を強要された無罪の人、河野義行さんと直接会って話したことがある。
    あの時、警察も裁判所もマスメディアも、あまりにもインチキすぎて、心底呆れ果てたんだけど、あの時代から、なにも進歩していない。全く進歩してない。

    同様の事件が、つい、最近も起きてた。
    若い女性が何かのチケットを買うのを詐欺したとか、そんな事件だったけど。
    その人が犯人じゃないのに、不当に何週間も拘留されて自白を強要され続けた挙句、本当の犯人が別の場所で自白して事件の真相がハッキリしたので突然釈放。

    国際社会からは、このような違法な取調べのことを、はっきりと「拷問」だと指摘されているが、日本では、裁判所まで一緒になって、拷問を公認している。

    どこかの中学生も、万引きの容疑で拘留されて、警察官に脅迫されて、嘘の自白をさせられていた。
    ICレコーダーで録音してたから発覚した事件だ。
    しかも、冤罪であることが判明した後も、警察は、誰一人まともに責任を取らない。

    もっと恐ろしい事件もある。
    無罪の容疑者を、警察が脅迫し恫喝して嘘の自白をさせ、死刑囚にまで仕立て上げた事件。
    無罪のその人を何十年も拘禁して、人生をメチャクチャに破壊しておきながら、はっきりと冤罪であった事が証明された後でも、警察はまともに責任をとろうとしない。
    裁判官も誰一人責任をとらない。
    警察にリークされるがまま、嘘の報道を実名で垂れ流した記者クラブの飼い犬記者たちも、誰一人責任をとらない。

    それでもまだ冤罪であることが立証された人は良いよ。
    冤罪が立証されないまま死刑になって殺された人もいるだろう。

    罪の重い軽いにかかわらず、警察や検察に脅迫されて、容疑者が嘘の自白をさせられる、という事例は、かなりの頻度で起きていることなのに、記者クラブで飼いならされたバカ犬たちは、この深刻な問題を取り上げようともしない。

    刑事事件に関する日本のマスメディアの報道は全く信用に足るものではない。
    記者クラブに代表される一握りの報道機関に特権的な待遇が与えられ、その特権は政府が保証しているから、政府よりの報道にならざるを得ない。
    警察や検察側の主張におもねって、被疑者や被告人の人権を平気で踏みにじる。

    日本の司法制度も、マスメディアも、おおよそ先進国のものではない。

    この問題は、毎年、国連でも指摘され、国際社会からも、日本の前近代的な司法制度の早急な改善を求められているのに。
    司法も、警察も、政治家も、マスコミも、これを改めようとしない。


    この現実を、はっきりと問題にしている神保哲生は本物のジャーリストだ。

    記者クラブの、もたれあい仲良しグループの中には、彼のような本物のジャーナリストは一人もいない。

    ネットでウィキリークスだってなんだって見れるこの時代に、日本の新聞なんか、オレは読もうとも思わないし、そんなものに払う金は1円もない。
    オレだけじゃなくて、権力に飼いならされたバカ犬が書いた、大本営発表の記事なんか、そのうち、誰も読まなくなる。
    バッカじゃねえの?

  • この本が出版されたとき、何故今更この事件をという気持ちがあった。
    事件発生から、片山が自供し逮捕されるまでは、テレビや神保氏の運営するインターネットメディア『ビデオニュース』でも長い期間、日々のニュースの上位にあったような記憶がある。神保氏は当初から、大手メディアの興味本位の報道とは違っ視点「司法プロセス」にスタンスをおいて、この事件を追っていた。
    簡単にいうと、テレビや新聞は片山祐輔が‘犯人として相当疑わしい’という前提で、視聴者の興味をそそる情報を小出しに流し続けていた印象がある。のに対して、神保氏は警察・検察及び裁判所を含めた一連の司法プロセスの姿を炙り出しながら、これで良いのか?と読者に問いかけていた。
    その材料として、読者の‘正義感’に頼るのではなく、国際的な比較や、手続き上の歪みを私たちに提示している。この本の中でも紹介されてあるが、『足利事件』・『袴田事件』司法の歪みがこれだけ明白なのになぜそれらが正されることなく、続き、繰り返されるのか?

    この事件での結末を知ってしまっている者が、あえてこの分厚い本を読もうとするとしたら、それはまさに神保氏が訴えたい「結果オーライ」ではない「司法プロセスの実態」を見つめることに興味を感じたか、憤りを感じているかのどちらかなのではないだろうか。

  • 読み応え充分。著者は私が好きなラジオ番組によく出演されているのでなじみがあり、解説もわかり易く好きなので著書を読みたくなった。綿密な取材に基づく内容でこの嵩に見合った内容だ。マスコミの報道、警察の捜査・取り調べ、検察の姿勢などにも言及していて、単なる遠隔操作事件の詳細にとどまらない。この事件は結果オーライだったのではないか。そんなこと考えたこともなかったので事件自体というより、弁護士などその周辺の事情に興味をもって読んだ。犯人に関してはあまりにも情けなく憐れという感想。同類の犯罪の前科があったとは。

  • 事件そのものより司法制度の問題について多く書かれている。

  • 風化同然の当事件に様々な課題を見出して、このタイミングでの出版は評価に値するかと。
    ただ、同じことの繰り返しは、本は戻って確認できる媒体なので、勘弁して欲しいものです。
    片山氏が精神科を受診していたようですが、精神科医の存在意義に疑問を感じました。
    検察、警察、裁判所、マスコミとみんなノーリスクだからやり放題なんですよね。野球で例えると、攻撃時は三振無し、守備時は四死球無しな感じで。
    「社会的制裁」として量刑算定に斟酌するほどなのに、無罪判決時になんの賠償責任も無いのが通例ですし。
    で、こんな刑事司法を放置する国会議員にどれほどの存在価値があるのかと。
    ちょっと調べたら、村木厚子氏の証拠捏造事件の量刑があまりに軽いのに怒りを感じましたよ。

  • 知っているようで知らなかった事件。500頁超の大作でよく調査されていることには敬意を表したいです。ただ、同じことを何度も繰り返し述べている部分が多すぎて余りにも冗長でノンフィクション作品の出来としては今ひとつ。色々な問題提起がされているが提起して終わっているのも残念(そもそも他メディアは問題があることすら忘却の彼方なので提起だけでも特筆ものだが)。筆者の考える今後のネット犯罪の対処方法まで踏み込んで書いて欲しかった。11章の動機部分が醍醐味。10章まではプロローグで、150頁程度にまとめられると思うなあ。力作なだけに残念。

  • 数年前に誤認逮捕を生んだ「PC遠隔操作事件」について,「ビデオニュースドットコム」の神保哲生がまとめたもの。

    事件をとおして浮かび上がる捜査や報道の問題点が指摘され,それは大事なことだけど,いかんせん約550ページと長い。

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