こころから言葉へ

  • 弘文堂
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784335150326

感想・レビュー・書評

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  • 吉本隆明も北山修も、私にとって違う次元に住む頭の良い人間です。
    はるか高みに住む二人の対談集を見つけました。
    理解できなくてよいので、仙人のような二人が何を話すのか、ただ興味だけで読みました。

    始めに北山修先生が、礼儀正しく理路整然と、自己紹介からテーマ提案という流れで対談を始めます。冒頭読んだだけで本当にこの方は賢い!と恐れ入りました。
    吉本隆明先生がこれまた理路整然と受けて考えを展開します。少し難しくなってきます。
    「論」を論じる気配に文字を目で追うだけです。

    ところが、吉本隆明さんが私的エピソードを話し始め、面白くなって来ました。
    というかやっと話の内容が見え始め、そのまま読みきれました。
    この劇的変化については北山修さんもあとがきで触れています。

    あとがきで印象に残った言葉をひとつ…。
    対談集を読むとき、読者はひとりで読んでいるのに、北山修と吉本隆明が加わって3人になる。ところが読者はやはりひとりなわけで、対談者に取り残される。個人の幻想。
    対談集は公の書物なので、全ての読者は同じ幻想を経験する。共同幻想。

    知の巨人 吉本隆明と元ザ・フォーク・クルセダーズで精神分析医 北山修との対談集。

  • 天皇制がひとつの新的な解決だとすれば、私たちにも残っている。それをタブー視する感情というのはなかなかな治りにくいものだと思う。
    ビジネスマンが読む本がビジネス書で、吉本氏いわく、氏が書いているのは文学書でなくビジネス書。
    団塊の世代の人たちには独特の何かがある。それは言葉が軽くなっていくということについて大きな役割を果たした。たとえば村上春樹。

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著者プロフィール

1924年、東京・月島生まれ。詩人、文芸批評家、思想家。東京工業大学工学部電気化学科卒業後、工場に勤務しながら詩作や評論活動をつづける。日本の戦後思想に大きな影響を与え「戦後思想界の巨人」と呼ばれる。著書多数。2012年3月16日逝去。

「2023年 『吉本隆明全集33 1999-2001』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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