AI・HRテック対応 人事労務情報管理の法律実務

著者 : 松尾剛行

• 弘文堂 (2019年1月7日発売)

感想・レビュー・書評

[Kanameさんの感想 · 2020年11月18日]

論点整理本。HRテックへ何か示唆に富む内容が含まれている訳ではないが、まさに整理されているという感じ。そのため、この本を読んでいて、誰に向けて書いている本なのか分からない印象が強い。
AIが社会に浸透すると、おそらく弁護士という職業はどんなポジショニングをとるのだろう。過去の判例や法の条文の解釈やその認知に重きを置くなら、残念ながら人間が関与する意味がなくなる。人として、企業人として、情報をどのように扱っていくべきかという信念に基づき主張しないのであれば、社会的な公正さに繋がらない。
ネット時代の個人情報は守ろうと思って守れる訳ではない。ビジネスだけでなく、行政府の情報管理についても論じるべきだし、守る役目を担う法自体の効用も常に検証されるべきである。だからこそ解釈や論点を整理するだけならヒトは不要なのである。著者はスカイネットやシビュラシステムを創造する力がないのかもしれない。

著者プロフィール

桃尾・松尾・難波法律事務所パートナー弁護士

「2024年 『法学部生のためのキャリアエデュケーション』 で使われていた紹介文から引用しています。」