わたしのはたらき

著者 :
制作 : with 奈良県立図書情報館 
  • 弘文堂
4.17
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感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784335551505

作品紹介・あらすじ

全国から数百名の人々が奈良の図書館に集まって、"自分の仕事"について考え合った、3日間のフォーラムから生まれた本。全三冊シリーズの最終巻。

感想・レビュー・書評

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  • それはもはや職能や肩書以前のもので、持ち味と言えなくもないけれど、もっと力に近い。本人がいることで、周囲が受けている影響、ごく自然に生まれる作用。

    夢や目標ということではなく、毎日毎日ただ生活しているの、その結果がいまのような形。

    『自分だけがなぜこうなんだろう?』ってね。動かないでただ考えているから、蓄積されてくるわけです。そこを切り替えていかなきゃだめ。やっぱり苦しみが伴うんですよ。苦しみから逃げてる。苦しみを苦しみと受け入れて、そこを乗り越えていくこと。

    それができないといわれたら。もうしかたない。はい。

    なにかをしてあげているという気持ちはない

    人を癒すなんてできないと思う。癒すんでなくて、私の生活がその人にどう映るか。自分の行動にその人がなにを感じるか。

    いまより確実なものはない。

    食べ物も、家も、衣食住のために必要なものは買う。それもんあるべく自分に合ってゐて、自分を表現できるものを見つけて、買うのがセンスのいいひとなんだというトレーニングを僕らは積んでいる

    もしやるんだったら、コルビジェやライトのような建築家の勉強は一切やるな。


    冒険家はゴールは見えないけれど、確信がある


    人って任されたら一生懸命やる。これとこれとこれをやれと仕切られたらそれだけして終わった気になる


    単に作業量の多い人がいいものをつくる

    ★作業を一杯してもらうことが大事。やらざるをえない習慣をどうつくるか。そういうことに自分は興味がある

    システムというのはそういうこと。ジャグリングボールを買ってきて、置く。


    本人の意志とか、全般的に信用していない

    どうすると急にやり始めて、それが完成するのか、その仕組み

    なにかを始めるのは、やっぱり負荷がでかい。

    借りてきたDVDを開けて観れる人はそれでいい。でも自分はだらしないので。自分のそういうことについては、でも治らないものは治らない。それでもやっていける仕組みを考える。

    • 大野弘紀さん
      自分の身体の駆動粋と
      心の可動域のバランスで
      自分という存在が果たしてどのように
      誰に影響を与えうるだろうと考えた時

      結局自分か...
      自分の身体の駆動粋と
      心の可動域のバランスで
      自分という存在が果たしてどのように
      誰に影響を与えうるだろうと考えた時

      結局自分からしか全て始められないし、始まらないと思ったし

      そういうことなのかもしれないと、
      思ったりして

      2019/11/28
  • 「自分の仕事を考える丸一日」で西村さんにサイン入れてもらった一冊。
    大事に読みたかったがために、今頃ようやく読了。
    一部を会場の皆さんと一緒に読んだ山本ふみこさんの章は、山本さんの我儘ぶりが素敵だったし、初っ端の佐藤初音さんの章からしてもうガーンと胸に来るものがあり。
    今回1番楽しみにしていた皆川さんのお話にグっときて、そして直後に続くガビンさんの衝撃。。。
    ずっと大事にしたい、心に栄養、の一冊。

    • tamago-houseさん
      川口有美子 母親の難病介護を通じ、かかわり合いを仕事にかえてきた人
      ─「関係の中で生きているかぎり、必ずなにか与えられるものがある」
      川口有美子 母親の難病介護を通じ、かかわり合いを仕事にかえてきた人
      ─「関係の中で生きているかぎり、必ずなにか与えられるものがある」
      2012/01/05
  • 失業中に次の仕事の方向性で悩んでいたので、タイトルが気になり図書館で借りてみた。

    内容は、著者が選んだ人たちの仕事や働き方についての考え方について。

    奈良の図書館で行われた働き方について語り合うフォーラムでのやり取りと、ゲストのインタビューをもとに構成されている。

    紆余曲折あって、今は充実した生活を送っている人たちがゲストとなっている。

    共通していたのは、みんな夢があってそれを叶えた訳ではなく、成り行きで今の仕事をしているということ。
    ただ、仕事や働き方の哲学がしっかりとあり、そこだけは昔からぶれていない。
    先のことは考えず、その日を全力で生きて、考える前に行動する。

    もっと若い人の話も聞きたかった気もする。



  • わたしのはたらき
    それは 「わたしのいきかた」 に聞こえる

    ここにいる 「わたし」

    ここからあるいていく 「わたし」

    あ、何か気になる
    こっちに行ってみようか

    なんとなく、そう根拠はないけど
    なんとなく。

    風が吹いたから、雨が止んだから
    鳥が泣いたから、誰かが言ったから

    なんでもいい

    でも、それがきっかけの、そう、なりゆき

    成り行きに任せて 足が向かうままに歩いて

    そうして辿り着いた 「今」

    歩く過程で、私の考えが培われて行った
    考え、生き方、つまり、働き方

    働き方、という果実

    働いた成果よりも
    働き方を作った過程が知りたいと思う

    そこにある
    聞き逃せないものに出会いたい

    働き方だけでは
    生き方までは測れないかもしれない

    でも、働き方って、繋がり方なんだ

    生きて行くための、一つの方法なんだ

  • 著者の西村佳哲さんが9人の方にインタビューした本。
    人生のゴール設定をして目標に向けて進むと言うよりは、日々を積み重ねて「今にある」というものが全ての方に共通しているように感じる。

    ただしそれは、成り行き任せではあるけれど、生き当たりばったりとは違う。

    但し、一人一人の細部をみると、例えば、A氏とB氏は相反する考えをもって行動して今に至っている人もいるのが分かるのも、この本の面白いところ。(あえて、誰かは伏せてあります)

    自分の中の本来抱えているミッションを見つけ、自分自身のはたらきに繋げる手がかりになるかもしれない。

  • 様々なはたらきかたをしている8名+1名への、西村佳哲さんによるインタビュー集。
    この9名の共通点は何だろう…と考えると、はたらきかたと、自分自身のパーソナリティというか感覚の深いところの間にズレがない(ように見える)人たちなのではないかな、と思った。

    今までずっと、長期的な人生の目標とかライフプランを立てて、計画的に生きていくのが正しい生き方のように思っていたけれど、それがいまいち上手くいかない自分に苛立ったりも。そういうやり方ではなくて、いまの自分自身で・いま目の前にある人やものと全力で向き合っていく、それの積み重ねで人生が綴られていく……という生き方もアリなんだなぁと、この9名の話を読んでいてそう思った。

    いまの自分に特に響いたのは、坂口恭平さんの「カントが大人になれって言ってる」の話と、伊藤ガビンさんの「生きることは暇つぶし」の話。きっと読むタイミングによって、自分が気になるポイントは変わってくるんだと思う。ひとの話をきくって面白い。

  • 仕事について考え直すタイミングに、先輩が貸してくれた本。ここで出てくる人の働き方は、それぞれ多種多様だけれども、仕事についての確固たる姿勢をもっているという意味では一貫してると感じた。わたしもそういう働き方をしなければな、と背筋をぴんとするような。

  • あなたのはたらきが、わたしのはたらきになる。

  •  はたらくひとのインタビュー集。本当にいろんな働き方があるのがわかる。

  • この人の別の本が読みたかったけど、なかったのでかわりに手にとった本。
    数ある興味深い生き方をしている人の中でも、著書と相性が良さそうというフィルターで選ばれた、9人の人のそれぞれとの対話と対話した感想を交ええて書かれた文章。

    知っている人もいたし、知らない人もいたけど、大学時代の「働くこと?というか大学を出た後にどうやって生きていくか」について悩んでた時期の気持ちがグッと蘇ってきて、キュンキュンしながら一気に読んだ。

    どの人もものすごく素直でナチュラルなんだけど、その実すごく力強くて「自分」がある。
    全体的には、ちょっと飛んでる感想だけど、どの人も体が健康なんだろうと思った。
    結局、私はこの種の「強さ」や「するどさ」が今も昔も変わらずしんどいなあ、とおもっているようだ。

    一番しんどくなくフィットした人が、「逝かない身体」という本を書いた川口有美子さん。実母を12年間介護した経験から色々悟った人。
    「関係の中で生きているかぎり、必ずなにか与えられるものがある」
    そう、仕事は自己実現とか夢に向かって、とかではなく、自分が生きていると自分以外の人との関係があって、そうするなかでやるべきことが出てくるというのが、自然で、がっついてなくて。

    「おまえはどうしたい?」が標語のようながっついた会社で働いてて、それがわからない場合は、がっつきがたりないのではなく、他者との「関係」が希薄だからわからなくなるんだろうと思った。
    もっと極端な例は引きこもりや、ニートで、他者との関わりをどんどん希薄にしていくと、仕事がなくなるのだろう。

    結局、生きているっていう現実は、他者とたくさんなのか、深くなのかはわからないけど、絡まり合って生きていくしかない。
    煩わしいようなほっとするような。

    丁寧に生きたいなあと思った。

    この本で触れられてて読みたくなった本

    川口有美子 逝かない身体 
    カント 啓蒙とは何か
    小泉義之 弔いの哲学
    トール・ハイエルダール コンチキ号漂流記
    坂口恭平 隅田川のエジソン

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著者プロフィール

1964年、東京生まれ。武蔵野美術大学卒。建築設計の分野を経て、つくること・書くこと・教えることなど、大きく3種類の仕事に携わる。デザインオフィス、リビングワールド代表。多摩美術大学、京都工芸繊維大学非常勤講師。働き方研究家としての著書に『自分の仕事をつくる』(晶文社/ちくま文庫)、『自分をいかして生きる』(ちくま文庫)、『自分の仕事を考える3日間 Ⅰ』『みんな、どんなふうに働いて生きてゆくの?』(以上、弘文堂)、『かか
わり方のまなび方』(筑摩書房)など。

「2011年 『いま、地方で生きるということ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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