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- Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
- / ISBN・EAN: 9784335570469
感想・レビュー・書評
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民俗学に興味を持つきっかけのひとつが神隠しだった。それ以来断片的にあれこれと読んできたが、この本によってさまざまな事例をもとにした横断的な考察が読めてとても面白かった。メモ取りまくり。怪異譚としての神隠しが、実は民俗社会における日常を維持するための社会的装置として機能していた、というようなところが実に興味深く、そうした減少としての表側の裏にある意味や意義、そういうところに大いに惹かれて民俗学が好きになったのだったということを再確認できた。
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民俗社会における神隠しの「機能」を数ある神隠し譚を類型化し、共通項から考察する。そこにあったのは現実世界からの逃避と失踪に対する当時においての合理的説明であった。要するに失踪の理由や責任を異界たる「神」に押し付けたのである。ゆえに人々は神隠しという言葉に甘美な響きを感じるのである――というのが本書の主旨。神隠しの「属性」を探れた点は面白いが、どこか物足りない。なぜだろう。