世界幻想文学大系 第13巻 現代ドイツ幻想短篇集

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  • Amazon.co.jp ・本 (357ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784336025135

感想・レビュー・書評

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  • ドイツの幻想は人間の気持ちの迷いを「物語」に投影する。マイリンクの「壜の上の男」なんかから「幻想小説を楽しむ人」への客観的な視野を読まされると背筋がゾッとする。彼の入れ子構造のせいでこちら側まで舞台にいる気がする。他の作者による「C・3・3」のようなパラレルワールドは、敬愛の念が伝わってくるようで好き。

    怪奇小説といっていいくらいだけど、名前が名前なので幻想へ追加。

  • ドイツの恐怖幻想小説のアンソロジー。半世紀前に編まれたものなので、二十世紀初めから終わりにかけての業績が対象になっている。
    巻末の解説に、ホフマンを擁するドイツは、恐怖幻想小説の本場的に思われがちだが、実作での成果に乏しく、今日の英米の洗練された恐怖小説に慣れた目には、物足りないであろう的なことが書かれているが、本書の収録作を見る限り、解説者に同意しないわけにはいかない。そもそも風刺を目的にしたような話が目について、狭義の恐怖小説に当たるものがほとんどない。例外はエーヴェルスくらいか。マイリングも風刺の色の方が濃いのが意外なほど。あえてジャンルわけすると、奇妙な味に分類されそうな話が多いのも興味深い。

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著者プロフィール

1868-1932。オーストリアの作家。神秘小説「ゴーレム」で名高い。

「2017年 『ワルプルギスの夜』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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