本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
- Amazon.co.jp ・本 (357ページ)
- / ISBN・EAN: 9784336025135
感想・レビュー・書評
-
ドイツの幻想は人間の気持ちの迷いを「物語」に投影する。マイリンクの「壜の上の男」なんかから「幻想小説を楽しむ人」への客観的な視野を読まされると背筋がゾッとする。彼の入れ子構造のせいでこちら側まで舞台にいる気がする。他の作者による「C・3・3」のようなパラレルワールドは、敬愛の念が伝わってくるようで好き。
怪奇小説といっていいくらいだけど、名前が名前なので幻想へ追加。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ドイツの恐怖幻想小説のアンソロジー。半世紀前に編まれたものなので、二十世紀初めから終わりにかけての業績が対象になっている。
巻末の解説に、ホフマンを擁するドイツは、恐怖幻想小説の本場的に思われがちだが、実作での成果に乏しく、今日の英米の洗練された恐怖小説に慣れた目には、物足りないであろう的なことが書かれているが、本書の収録作を見る限り、解説者に同意しないわけにはいかない。そもそも風刺を目的にしたような話が目について、狭義の恐怖小説に当たるものがほとんどない。例外はエーヴェルスくらいか。マイリングも風刺の色の方が濃いのが意外なほど。あえてジャンルわけすると、奇妙な味に分類されそうな話が多いのも興味深い。
全1件中 1 - 1件を表示