日本幻想文学集成 12 久生十蘭

著者 :
制作 : 橋本 治 
  • 国書刊行会
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  • Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784336032225

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  • 久生十蘭
    1902.4.6-1957.10.6(函館生、55歳没、食道癌)

    「母子像」
    昭和27年、16歳の少年は、女装、泥酔、放火で補導されたが、学校の先生はいい子なのだという。少年は、美しい母に首をしめられた、サイパン玉砕の生き残りだった。子供のある日、母を美しいと思い、この母が喜ぶならなんでもする、という少年。「母と息子」の組み合わせで、男性作家によって生まれる小説だと思った。「母と娘」では成り立たない。

    編者は橋本治。本集のテーマは「残酷」だという。
    「母がどういう人なのか、というのは、”子”の側にだけ意味があって、母の側には、関係のないことなのである。片思いは永遠に美しく、美しくなってしまった片思いは永遠に残酷なままだ、というだけである。」との橋本氏の解説。


    「母子像」:昭和29年、ニューヨークの新聞「ヘラルド・トリビューン」主催の国際短編コンクールで1位に
    なった。日本での初出は昭和28年7月「読売新聞」

    筒井康隆にも「母子像」という短編があったが、これとはまるきり違う内容。

    1992.3.25初版第1刷 図書館

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著者プロフィール

1902年北海道函館市生まれ。本名、阿部正雄。1952年『鈴木主水』で第26回直木賞を受賞。推理小説、ユーモア小説、歴史小説などその作品の幅は広く、「小説の魔術師」「多面体作家」の異名を持つ。代表作に、「湖畔」「黒い手帳」「ハムレット」「無月物語」「母子像」など多数。『キャラコさん』『肌色の月』など映画・ドラマ化作品も多い。1957年没。

「2023年 『あなたも私も』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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