- Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
- / ISBN・EAN: 9784336035905
感想・レビュー・書評
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最近、組織開発とか、心理学とか、論語とか、短歌とか、夏目漱石とか、あるいは、宇宙論とか、複雑系とか、そういう本ばかり(ばかりというほどジャンルが限定されてはないが)読んでいて、ちょっと飽きてきた。
ので、違う刺激を求めて、海外文学でも読んでみるかと思い、昔、好きだったアイザック・ディネーセンを読んでみる。
この本は、短編集「冬物語」「最後の物語」「運命奇譚」から7つの短編をピックアップしたもの。
帯に「切なく甘い愛の寓話:若き作家、老実業家、プリマドンナ、美しき貴婦人・・・。静謐な時間の流れに潜む狂気を描く7つの不思議な短編」とある。
こういうのって、・・・なことが多いけど、まさにそうとしか表現できないものがあるね〜。
とても残酷な物語を、やさしく愛おしく語る、で、結末を読者の想像に委ねて、絶妙の余韻を残すストーリーテラーとしての洗練された技を感じます。
もうちょっと、他のディネーセンものを読んでみるか。
ちなみに、この人は、デンマーク語と英語の2つで本を書いていて、デンマーク語のときの著者名は、本名のkaren Blixen、英語ではペンネームのIsak Dinesenとなっている。これが、日本語では、カレン・ブリクセン、カーレン・ブリクセン、アイザック・ディネーセン、イサク・ディネセン、イサク・ディーネセンなど、いろいろな表記があって、なかなか本を検索しにくくなっている。
最近まで、こんな本が出ていたのか〜、と知らなかったものがあったり、本によっては、2つの訳書があるものもある。
既に訳されているものの違う訳を出すより、まずは、全作品を翻訳してくれ〜、と思うのであった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
デンマークの女流作家の7つのゴシック・ストーリー。物語の全てのイメージが自分に静かに流れ込んでくる快感。この作家の作品をいつか全て読み尽くしたいです。