英国風の殺人 世界探偵小説全集 (6)

  • 国書刊行会
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  • Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784336036766

感想・レビュー・書評

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  • (編集ノート)大雪のため周囲から隔絶された館で、クリスマス・パーティの夜に起きた殺人。まるで絵に描いたような「英国風の殺人」だが、探偵役のボトウィンク博士は、大戦中はドイツで強制収容所も経験している外国人の歴史学者。英国の慣習に疎い余所者として扱われながら、このあまりにも「英国風の殺人」を解き明かすのは、異邦人の彼だった。英国ミステリの伝統を受け継ぎながら、たしかにこれは1950年代の作品である。シリル・ヘアーはいかにも英国人好みの渋い作風だが、作品のレベルはどれも高い。

  •  英国風ってなんだろうと思ったら、彼の国の政治体制に起因する動機のという意味だった。ややこしい事情といえばいえるけれど単純に考えればいかにも現代ミステリにもありそうな卑近な動機ではある。典型的な雪の山荘もので屋敷に閉じ込められたのはごく限られた人数の招待客。しかもそこで3人の犠牲者が次々にあらわれ、警官と探偵役を除けばもう持ちゴマがほとんどない。そこで犯人の意外性を出すのは至難の業だ。なので英国風という特殊要因によるひねった動機が生きてくる寸法か。上院下院のしくみとか歴史上の事実とかに通じているとまた興趣も増すのだろうが、門外漢が読んでもまあそこそこだと思う。

  • 心地よい。贅沢で品がいい。
    理想的な雰囲気のミステリ。

  • イギリスの(かなり没落ぎみの)貴族の館。高齢と病により余命いくばくもない当主。家族と不仲な跡取り息子。
    親戚や友人を呼び、ごく身内でのクリスマスパーティの最中にシャンパンを飲み干し死亡する息子。
    館は雪に閉ざされ、外部との連絡は取れず、犯人はこのパーティーに参加したメンバーの中にいる・・・!

    ・・・とまぁ、黄金期の探偵小説の雰囲気で一杯なのと、英国貴族の生活っぷりが描かれていて、こういうの好きな人にはたまらなく楽しい1冊。
    かくいう私も、このノリは大好きなのでとても楽しめた。

    解決編で、探偵役に「いかにも英国風」と言わしめた動機も高評価。
    (外国人には判りにくいネタなので、これはアンフェアだと言われればそれまでだが、私にはこのネタはアリです)

  • 2009/6/6購入
    2015/11/8読了

  • <pre><b>1920〜40年代、英米の本格探偵小説は、クイーン、
    カー、クリスティーら輝かしい才能の登場とともに
    黄金時代を迎えた。不可能犯罪、アリバイ破り、名
    探偵の活躍。魅力的な謎、巧みなミスディレクショ
    ンと論理のアクロバット。パズラーの頂点をきわめ
    た本格派の傑作をはじめ、不当にも紹介の遅れてい
    た巨匠の代表作、幻の名作を多数収録、永遠のクラ
    シックを厳選して贈る夢の探偵小説コレクション。
    ──雪に降り篭められたカントリーハウス、没落貴
    族、一族のパーティ、忠実な執事と野心家の娘、そ
    して殺人。あまりにも典型的な英国風殺人事件に、
    異邦人の歴史学者は如何なる解決を見いだすか。</b>
    (国書刊行会オンライン・ブックショップ紹介文 より)

    資料番号:010472330
    請求記号:933.7/セ/6
    形態:図書</pre>

  • 030816

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