推定相続人 世界探偵小説全集 (13)

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制作 : 岡 照雄 
  • 国書刊行会 (1999年3月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784336038432

推定相続人 世界探偵小説全集 (13)の感想・レビュー・書評

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  • 2016/10/29購入
    2016/11/20読了

  •  題名通り遺産相続狙いの倒叙物。人間関係が少しややこしいもののストーリーはきわめて単純でわかりやすい。ヘンデル家ではイギリス貴族の爵位と財産が継嗣限定相続という取り決めで決められた直系親族にしか遺贈できないというしくみになっており、継承順位第5位という末席だったはずの主人公ユースタスが思わぬ事故によって権利者が相次いで死んだことにより順位が繰り上がり、ひょっとしたらということでいろいろな画策をはじめる。なんとか疑われないように残る上位の係累を片付けられないかと動き回り、いいところまでいったのだけれど最後にとんでもないどんでん返しが待っていた。のらくら楽して遊び暮らすことしか頭にない軽薄なユースタスではあるがどこか抜けていて憎めない。おいおい大丈夫かいと読んでいくうちに、なるほどねそういう仕掛けかと話の裏がだんだん見えてくる。まあ底が浅いといえばいえるが、最後にトンビに油揚げをさらわれて終わりにしないところで納得。

  • 倒叙。男爵家の相続権を手に入れるために、親戚殺しを画策する遊び人ユースタス。計画が順調に進むかとおもいきや、話は二転三転し…。

    いやぁコテコテの英国モノで非常に楽しめました。鹿狩りの描写なんか、実際にやったことがある人しか描けない雰囲気と、冒険小説的なワクワク感がありましたね。(さすが、作者自身が実際に准男爵だけある!)
    犯罪に手を染めていくユースタスの心理描写も(ベタっちゃベタですが)上手で、物語として楽しめた作品です。

    まぁミステリ読み慣れている人からすると、途中である程度仕掛けが見えてきてしまうかもしれませんが、この作品全体の事件の構図を理解して、冒頭からラストまでの伏線を反芻してみると巧緻ですな。さすがウエイド。

  • 親戚の水死事故をきっかけに、ユーステスは財産相続件を狙って巧妙な殺人を企てる。上手くいったかに見えた計画は、思いも寄らぬ方向へと流れていき...。
    倒叙ミステリもの。莫大な財産を狙って殺人を犯したところまではとても上手くいっていたのに、それからがなかなか財産を手にできない。しかも、ユーステスがへたに動くから、警察に捕まってしまうんじゃないかとハラハラさせられる。
    にしても、最後の展開にはぞくりときた。一筋縄ではいかない感じを堪能した。

  • <pre><b>遊び人ユーステスは金持ちの男爵の相続権を狙って
    一族殺害を決意する。標的の親戚から招待状が届き
    、計画は順調に進むかに見えたが……。悠々たる筆
    致がサスペンスを盛り上げ留英国実力派の巨匠の代
    表作。</b>
    (国書刊行会オンライン・ブックショップ紹介文 より)

    資料番号:010472405
    請求記号:933.7/セ/13
    形態:図書</pre>

  • この作品はなにより、その丁寧な描写が最大の魅力だと感じた。
    主人公の心の動きや葛藤、言動が確実に書き込まれていることで、自然と主人公ユースタスに感情移入してしまう。
    次々に目の前に立ちはだかる障害にぶち当たった時なんかは、こちらもドキドキハラハラするほど真に迫っている。

    しかしミステリとしてはちょっと弱いようにも感じる。
    これは別に作品としての出来に問題があるのではなく、時代的な問題だと思う。
    恐らくこれが書かれた当時は非常に衝撃的だったのだろうけど、現代から見ると、伏線も終盤の仕掛けも見え見え。
    少々色褪せてしまっているかな。

    ただ、ミステリ的趣向を散らした心理小説として読むとその出来は今でも高水準であると思う。
    倒叙→心理小説の流れは、現代からすれば当然のことなのだけど、1935年にこのような作品が書かれていたことは驚き。

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