チベットから来た男 世界探偵小説全集(22)

  • 国書刊行会
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  • Amazon.co.jp ・本 (345ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784336038524

作品紹介・あらすじ

収集家として知られるシカゴの大富豪メリウェザーは、ある日訪れた東洋帰りの男から、チベットの秘伝書を買い取った。その聖典には、神秘の力を得る奥義が記されているという。しかし、男はその夜ホテルで何者かに絞め殺され、犯人と目される髭の男は煙のように消え失せていた。おりしもシカゴには、失われた秘伝書を探し求めて世界を半周してきたラマ僧が到着していた。やがてメリウェザーの周辺にも、秘伝書の消失、謎の卍の出現と不可思議な事件が発生、そして雷雨の夜、密室状態の美術室でついに悲劇が起った…。カー、クイーン、ヴァン、ダインに匹敵するアメリカ本格派の驍将クレイスンの本邦初紹介。

感想・レビュー・書評

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  • 2021/10/30購入
    2022/12/30読了

  •  チベットがまだ閉ざされた国だったころの話。日系人がひょんなことから手に入れたチベット秘伝経典をめぐってシカゴの蒐集家宅で起こる不思議な事件。題材が題材なのでチベット僧や探検家、歴史学者などが入り乱れる宗教的な雰囲気の中で話が進行する。一見病死とも事故死ともつかない不可解な密室での当主の死は、密教秘儀による超自然現象などではなく、実は周到に準備され仕組まれた科学的な殺人だった。解決してみればどうってことのない水準作のミステリーなのだが、チベットやラマ教の神秘的な味付けが効果的で物語に独特の魅力を付加している。逆にいえばそういう興味のない向きには退屈煩瑣でしかないかもしれないが。

  • 収集家として知られるシカゴの大富豪メリウェザーは、ある日訪れた東洋帰りの男から、チベットの秘伝書を買い取った。その聖典には、神秘の力を得る奥義が記されているという。しかし、男はその夜ホテルで何者かに絞め殺され、犯人と目される髭の男は煙のように消え失せていた。おりしもシカゴには、失われた秘伝書を探し求めて世界を半周してきたラマ僧が到着していた。やがてメリウェザーの周辺にも、秘伝書の消失、謎の卍の出現と不可思議な事件が発生、そして雷雨の夜、密室状態の美術室でついに悲劇が起った…。カー、クイーン、ヴァン、ダインに匹敵するアメリカ本格派の驍将クレイスンの本邦初紹介。 (「BOOK」データベースより)

    結構ボリュームたっぷり読み応えありそうで、警戒しつつ読み始めました。
    昔のお話は読むのがしんどいことがよくありますが、これはそんなこともなく、読むことができました。
    しょっぱなから東洋人(特に日本人)を嫌っているせりふが満載でちょっと引きましたけど(苦笑)。

    マック警部の上からの物言いが癇に障る。
    それに反して、彼の発言をやわらかく横からフォローする歴史学者のウェストボローの好感度が増します(笑)。
    チベットのラマ僧、ツォンプン・ボンボ師のたどたどしい英語(翻訳されていますので、翻訳がすばらしいのかも)がなんだか可愛らしくて、お坊様の人間性とあいまって、魅力的に感じました。

    殺害方法は、そううまいこといくの?と言う感じ。
    まあ、そんな方法を思いついたことがすごいですね。

  • <pre><b>収集家として知られるシカゴの大富豪メリウェザー
    は、ある日訪れた東洋帰りの男から、チベットの秘
    伝書を買い取った。その聖典には、神秘の力を得る
    奥義が記されているという。しかし、男はその夜ホ
    テルで何者かに絞め殺され、犯人と目される髭の男
    は煙のように消え失せていた。おりしもシカゴには
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    インに匹敵するアメリカ本格派の驍将クレイスンの
    本邦初紹介。</b>
    (「BOOK」データベースより)

    資料番号:010472496
    請求記号:933.7/セ/22
    形態:図書</pre>

  • チベットや宗教に関するペダントリィはかなりの分量がある。帯で宣伝されてた密室殺人自体は半分過ぎても起こらないのでちょっと肩透かしを食らった感じだったし、トリック自体もいろんな意味で驚かされたんだけど、そこにいたるまでの展開とか追い詰める手際などがうまいので、読んでる最中はあまり気にならないところがすごい。

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