書物の王国 8 美少年

制作 : 須永 朝彦 
  • 国書刊行会
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本棚登録 : 151
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784336040084

作品紹介・あらすじ

古今東西テーマ別文学全集。ギリシア神話のナルシスから森茉莉のジェニまで。

感想・レビュー・書評

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  • ギリシャ神話やお稚児さんの美少年、美童多めで、日常を狂わせるどこかにいるかもしれない美少年の物語まで掲載。

    石川鴻斎『夜窓鬼談』より「茨城智雄」
    THE怪談鬼談ストーリー。江戸時代の戯作物語といわれても信じてしまう。
    美貌の武人が妖魔、悪漢をバッタバッタと…そして姫君とのロマンス…。
    めっちゃワクワクするし、好きだな…。

    劉義慶『幽明録』より「箒の美少年」
    色ボケ婦人に幻の美少年が二人も……しかし箒…箒……。
    …色ボケてないで家事しろってことか……????????(それはそう)

    蒲松齢『聊斎志異』より「黄九郎」
    唐代伝奇小説の系譜を引く文語体怪異小説…とのことで、まさにな語り口。
    そうそう、中国文学ってこういうテンションだった…。
    古典中国の少年愛描写、思ったより露骨で笑ってしまうよね…。
    めっちゃ美少年に迫るやん…めっちゃ求めるやん…。

    井原西鶴『男色大鑑』より「美童長坂小輪」
    典型的な稚児と武士の…匂い立つような色香が…すごい…。
    そこにまた他の男が出てきて、三角関係になってみたいなのがとても…文学ですね…。

    『千夜一夜物語』より「アブ・ノワスに三人の美少年とハルン・アル・ラシッド教主」
    タイトルからすげえ…。
    この異国情緒感がたまらない。
    あけっぴろげに美少年を愛でるオッサン(多分)ってのがやっぱ…なんてーか…お国柄だな…。

    紀昀『閲微草堂筆記』より「車に乗せた少年」
    狐?か何か?が化けた美少年にまんまとだまされるオッサン(多分)って古典中国文学の様式美か何かなの????そうなの?????????

    橘成季『古今著聞集』より「千手と三河」
    二人の才色兼備なお稚児が一人の親王を巡って…なんてそんな。
    そんな少女漫画な。
    しかし、そのあとあまりの愛おしさに抱き上げてベッドインするんだからマジ親王……レディースコミックだった………。
    その後の恋敵も…すごい……。

    村山槐多「血の小姓」
    槐多は乱歩よろしく、絵画の方が著名なんだろうけど、「悪魔の舌」といい本当に文章が凄い。
    詩もスッゲエな……。
    虐殺せられし貴人…美しい小姓……。
    激しくも耽美な…すごい描写力だ……。

  • 908し
    森茉莉「金色の蛇」が印象深い。美少年かつ同性愛カテゴリ。

    クロオドは愛人ジェニに不倫な二重生活を提案して、こう言う。
    男との不倫関係が両親にばれたら、ショックで命を早めるかもしれない。「これは僕のジェニへの恋の犠牲だ。僕は親父とエレエヌとの命を君にやる。どうだ、満足か?」

    …っおい。

  • 彼らは本当に「元々地上には属さなかった」のだろうか? ギリシア神話のナルシスから、森茉莉のジェニまで、古今東西のあえかな美少年たちが勢揃い。

  • 第8巻 全20巻

  • 東西美少年がずらり。
    時を忘れて美に浸れる一冊。

    美少年は人間の心の粋だと改めて思った。ここからわかることはけして少なくない。

  • 著名な作家陣の「美少年」にまつわる作品を集めたアンソロジー傑作選。最高です。隅々まで美少年だらけです。最高です。森鴎外の娘も載ってるよ。【志學館大学】ペンネーム:ねこ

  • 束の間の少年の日、「今日を限り」の美しさを留めるアンソロジー。33篇。
    『男色大鑑』は一度読んでみなくちゃ…

  • このシリーズ、昔大学の図書館で見かけて読みたかったんだけど読んでなかったんだよね
    どっかにないかな

  • 書物の王国シリーズの第8巻 (全20巻)

  • 讀みたい

  • 岡本かの子「美少年」

  • 私花集と言うにふさわしき。

  • 同性愛やら両性具有を読むよりはこっちの方がマシかな

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著者プロフィール

(1889年7月5日 - 1963年10月11日)フランスの芸術家。詩人、小説家、脚本家、評論家として著名であるだけでなく、画家、演出家、映画監督としてもマルチな才能を発揮した。前衛の先端を行く数多くの芸術家たちと親交を結び、多分野にわたって多大な影響を残した。小説『恐るべき子供たち』は、1929年、療養中に3週間足らずで書き上げたという。1950年の映画化の際は、自ら脚色とナレーションを務めた。

「2020年 『恐るべき子供たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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