野坂昭如コレクション〈2〉骨餓身峠死人葛

著者 :
  • 国書刊行会
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (595ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784336042620

作品紹介・あらすじ

"うちゃ、もっと死人葛がほしいんよ、あげんうつくしか花はなかとよ…"死人を養分として美しい白い花を咲かせる死人葛。その花に魅せられた少女たかをと、彼女を取り巻く人々の愛欲とを淡々とした筆致で綴る表題作のほか、軍歌教師であった父と自らの軍国少年時代に対する葛藤が軍歌の絶唱にこだまする「軍歌」、希代の娼婦の一生を華艶なる語りで描き切る「浮世一代女」など、傑作揃いの十六篇。

感想・レビュー・書評

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  • こんなに戦争のことを書いても、野坂昭如は泣かせてくれない。性欲と食欲と、戦争と家族と、そして死と。表題作は内容の濃さが圧倒的。一方で、「同行二人」「おっぱんぱん」は短編として構成と展開がとてもいいし、「軍歌」「猥歌」みたいなエロ要素が少なめの方が、読んでみてよかった。両方とも最後しんみりしてしまうけれど、そういう時頭の中に「ソ~クラテ~スかプラトンか~」と流れてくるので、軽く脱力してしまう...。ああやっぱりいいなぁ、野坂さん。

  • 骨餓身峠死人葛だけ読む。もっと狂ってるかと思ったが案外普通というか、近親相姦村落モノとして予想の範囲内。文体が読みにくいが独特の雰囲気醸し出してて面白い

  • なんといっても「骨餓身峠死人葛」ですねぇ。

  • タイトルになっているだけあって、
    骨我身峠死人葛がやっぱり一番いいかな。
    わかりやすくいえばグロテスク!

  • レッツエログロ。
    それにしても野坂先生かっこいいな。

  • 絶頂期の作品集。

  • 天才。このレベルの創作者が出てきてくれたら…。

  • 天井桟敷で舞台化された「骨餓身峠死人葛」。死体の持つ妖艶さが花ひらくクライマックスシーンがもう……!
    「軍歌」のあっけなさも好きです。

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著者プロフィール

野坂昭如

一九三〇年(昭和五)神奈川県生まれ。親戚の養子となり神戸に育つ。四五年の空襲で養父を失い、のち、実家に引き取られる。旧制新潟高校から早稲田大学第一文学部仏文科に進むが、五七年中退。CMソング作詞家、放送作家などさまざまな職を経て、六三年「エロ事師たち」で作家デビュー。六八年「アメリカひじき」「火垂るの墓」で直木賞を、九七年『同心円』で吉川英治文学賞を、二〇〇二年『文壇』およびそれに至る文業で泉鏡花文学賞を受賞。そのほか『骨餓身峠死人葛』『戦争童話集』『一九四五・夏・神戸』など多くの著書がある。二〇一〇年(平成二十七)死去。

「2020年 『「終戦日記」を読む』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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